2016年 7月 ~ 2016年12月 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

サミット・ゼミ
Summit Seminar

2016年 7月 ~ 2016年12月

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(2016年 7月 ~ 2016年12月)


(2016年12月29日) 【将来を考える】 [▲ 先頭へ]

高校生を対象にした素晴らしい企画があります。日本経済新聞社が主催する、「高校生のための、社会スタディ。日経エデュケーションチャレンジ」です。今年7月に16回目が東京で開催されました。社会の最前線で働く大人たちが高校生に働くことの意味と楽しさを伝えるプログラムです。今年は、カシオ計算機、クレディセゾン、シーメンス、日本公認会計士協会の人たちが先生になりました。

普段中高生と接していて、彼らには将来のことを考える素材がほとんど提供されていないと感じます。高2からの文系・理系の選択に際しても、学校からは自分の進路が展望できるような情報は提供されません。各学校の先輩の話を聞く機会はあるようですが非常に限られています。高1生は手探りの状況で文理を選択します。

毎年、上述の企画が日経新聞で案内される度に、首都圏の高校生は恵まれているなと思っていました。そこで、金沢でも同じような企画ができないかと3年前に企画書を作って地元新聞社に持ち込みました。しかし、該当部署の担当者は非常に興味を持ってくれたものの、上層部の人たちには認めてもらえませんでした。

そこで、次は日本経済新聞社の金沢支局に狙いを定めました。金沢支局には知り合いが全くいないので、日経新聞の専売所の所長に相談して金沢支局に当たってもらいました。結果はうまくいきませんでした。講師の問題、費用の問題などを考慮すれば、金沢での開催は難しいです。

8月末に入院した時にいろいろ考えてみました。意欲ある中高生に将来に関する情報を提供することにはやはり意味があると思いました。あるアイデアが頭に浮かび、学生時代からの親友に相談しました。面白いのではないかと言ってくれたので、企画書を作って上京して実現可能性を探りました。費用の面、具体的手順の面などで難しい課題がありますが、それらが解決されれば実現させようと考えています。企画が具体的になった段階で、本欄でお知らせするつもりです。

今年も間もなく暮れようとしています。来年も中高生の皆さんと、それぞれの目標を目指して一緒に頑張るつもりです。今年も1年ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


(2016年12月22日) 【結婚披露宴】 [▲ 先頭へ]

先週の土曜日、私の生徒第一号のK君の結婚披露宴がありスピーチしてきました。18年前に中1だった彼は今では31歳になり高校の先生をしています。中高と一緒に勉強し、大学に進んでからは一緒にニューヨークへ松井選手の応援に行ったことがあります。当地の先生になってからは飲みに行ったりテニスをしたりしています。スピーチの内容を考えた時は様々な出来事が頭に浮かんできました。

学習塾をしていると学校の負の側面が見えてきます。特に生徒の学力向上への取組みが弱い点を感じます。K君と飲む時は教育の話になることが多く、その点を指摘すると、学校側の事情が語られます。とにかく学校の先生方は忙しいということです。

中高生だった時には私の話をほとんどそのまま聞いていたK君ですが、社会人になってからは、「先生、そうは言ってもですね」と反論してくるようになりました。多少むかっときますが、彼の言ってることも筋が通っているので納得します。人間の成長を感じる瞬間です。

先月、高校のクラス会で上京した時は、東京工業大学の大学院・修士課程を修了して今年社会人になった元生徒さんと会いました。自分の専門を活かした仕事の話を聞いて頼もしく感じました。彼やK君が社会人として活躍する姿に接すると心の底から喜びを感じます。と同時に彼らの人間形成に多少なりとも影響を与えたのですから責任感も感じます。

K君の結婚披露宴に出席して、生徒の皆さんに与える影響について改めて考えました。先ずは1人の人間として尊重する、そして、自分で物を考えて判断できる社会人になるようサポートするという基本スタンスが決してぶれないようにするつもりです。謙虚であることは大前提であり、来年の手帳の最初のページにこの文字を書き込みました。


(2016年12月15日) 【高校英語のエッセンス】 [▲ 先頭へ]

前回の本欄でサミット通信について触れました。時期に応じて連絡事項や参考情報を父兄の皆さんにお知らせする案内です。先日、高1クラスでサミット通信を発行しました。その中で、高校英語の勉強法についてまとめました。参考までにその内容を以下に述べてみます。

「2次試験(記述)では下線部和訳がよく出題されます。英文構造を見抜かずに、単語の和訳をフィーリングで並べても得点できません。下線部和訳問題では、上手い和訳を期待しているのではなく英文構造を把握しているか否かが問われます。和訳では原則直訳するべきです。余りにも不自然な日本語になる場合に初めて意訳します。英文構造に注意しない意訳と直訳を心掛けた上での意訳は、読んでいて違いが分かります。文法力がなければ英作はできません。文法力は英語の基礎です。ただし、文法力があれば英作できるものでもありません。基本英文の暗記が一番の近道だと考えます。英文読解でも英作でも単語力が絶対条件です。単語力と英語力は比例します。単語力の蓄積が非常に重要です。」

上述の内容は、高3英語クラスを運営してきて、最近感じることをまとめたものです。私は、高校英語を一言で言えば、英文構造を見抜く力を養い、最終的には単語力と考えています。これに、基本英文を覚えた上での英作力を加えれば完璧です。

高校各クラスでは、この勉強法についてよく指摘します。しかし、英文をフィーリングで和訳する癖はなかなか直らないものです。並んでいる単語はそれなりに訳しても、全体のまとまりはありません。では、どうすれば良いかと言えば、学校の英文読解の授業で英文構造を見抜く練習を重ねることが最も効率的です。英文読解の参考書を買ってきて勉強する方法もありますが、英文読解の教科書を徹底的に活用することが最優先課題です。結局は、これが実行されていないのです。

教科書の易しい英文は訳す必要はありません。複雑な英文に対してじっくり考えることが必要です。最終的に英文構造を見抜けなくても、考えることが大切です。しっかり考える過程があれば、後でわからない点を教えてもらえば実力になります。英文にじっくり取り組む経験の蓄積が英文読解力を向上させるのです。英語が難しいのは、この経験の蓄積にかなりの時間を要するからだと思います。


(2016年12月08日) 【2016年師走】 [▲ 先頭へ]

センター試験が近づくこの時期は毎年忙しいのですが、今年の師走は特に気ぜわしくしています。原因は中3生が受ける模試の日程でした。例年は統一テストの直前の日曜日に実施されています。統一テストは毎年11/10前後で、今年はその11/10に実施されました。例年のスケジュールであれば石川県総合模試は11/6なのですが、今年は11/13に行われました。このため11月末の2学期期末テストまでの期間が短くなり、期末テスト対策に頭を悩ませました。

サミット・ゼミでは各クラスでサミット通信を発行して、時期に応じて連絡事項や参考情報をご父兄の皆さんに案内しています。今年は夏以降この通信の発行が遅れがちになり、上述の厳しい日程と重なって心理的なプレッシャーになりました。もっとテキパキと処理すれば良かったと反省しています。

期末テストが終わり、サミット通信の遅れも取り戻して、ようやく気持ちが落ち着いてきました。今はセンター試験や2次試験に向けて高3クラス(英語・数学)の授業内容の検討に集中しています。問題の難度を考慮しながら、どの問題をどういう順番で解けば効果的であるかを考えています。英語、数学の新しい問題も自分で解いていますから結構大変です。

中2生・中3生の期末テストや実力テスト結果が戻ってきました。また、高1生・高2生が10月に受けた進研模試の結果が届きました。現在、各生徒さんと個別に反省会を実施しています。今後父兄の皆さんに定期電話連絡を行いますから忙しさは続きます。

まさに師走という感じです。中3クラスでは冬期講習を経て冬休み明けには統一テストがあります。その後は、センター試験、私立高校入試、大学入試2次試験そして公立高校入試と重要イベントが続きます。1年で最も忙しいシーズンを迎えて気合が入ります。受験生の皆さんと一緒に頑張ろうと思います。もちろん、中2、高1、高2の皆さんもしっかりケアしていきますよ!


(2016年12月01日) 【感動した授業】 [▲ 先頭へ]

先週末、高校のクラス会に出席するために東京へ行ってきました。父が転勤族だったため、私は金沢・富樫小学校に入学して以来、小学校は3つ、中学・高校には2つずつ通いました。北海道・釧路湖陵高校理数科に入学し、3年になる時に名古屋へ転校しましたが、今回出席したのはその理数科のクラス会でした。北海道のある町の病院長が仕事で上京することになり、首都圏在住の同級生が集まりました。

病院長をしている友人とは時々連絡を取り合っています。今回は同じホテルに宿泊してゆっくり話しました。いろいろなことを話しましたが、1つ驚いたことがありました。私には中学・高校で受けた授業の中で深く感動したことがただ一つあります。それは、生物の授業でワトソン・クリックが提唱したDNAの二重らせん構造について習った時でした。わずか4種類の塩基の組み合わせで遺伝情報が決まると聞いた時、何とも言えない感動を覚えました。今でも、その時のふんわりとした暖かな感覚は残っています。友人と話していて、彼も同じように感動していたことを知りました。

彼はその時の感動から医学の道を志しました。青春時代に抱いた感動から人生を進めてきて、今は病院長として活躍しているので素晴らしいと思います。私の場合はその感動から大きく道がそれた人生を歩み、今は教える立場に立っています。

生徒の皆さんの感動を呼ぶまでの授業は難しいでしょうが、少なくとも興味を持てるように工夫したいと思います。英文が読めた時の喜び、数学の問題を解けた時の喜び、そして目標を達成した時の喜びを数多く伝えられるように努力するつもりです。


(2016年11月24日) 【文法の授業】 [▲ 先頭へ]

先日、公立トップ校に通う高1生から質問がありました。英文法の勉強の仕方についてでした。普段、英文法に限らず学校の授業を大切にするよう話していますから、何故そんな質問をするのだろうかと意外に思いました。

その高校の英文法の授業では、分厚い参考書的な教科書、問題集と先生が作った各分野を説明したプリントの3つを使っていました。質問した生徒さんは3つの教材をどのように使えば良いのかわからなくなったようです。参考書的な教科書はかなり細かく説明しているので、それを覚えなさいというのは酷です。先生作成のプリントはやや説明不足の感はありましたが、それを覚えて問題集で練習して、何か分からない点があれば参考書的な教科書で調べるやり方を薦めました。

すると、一連のやり取りを隣で聞いていた同じ高校に通う生徒さんが話に入ってきました。英文法の授業では上述したプリントを使っていないとのこと。文法の先生が違っていたのです。その生徒さんの授業では、分厚い参考書的な教科書と問題集だけを使っているそうです。分厚い教科書を覚えなければならないのであれば、文法は辛い授業になります。

2人の生徒さんには、ゼミで使っている文法のプリントをメインにすることを提案しました。ゼミでは生徒さんが通う各高校で文法の各分野を学び終えた時にその分野を復習します。使っている教材は以前ある高校が使っていた教科書で、各分野が2~3ページで上手くまとまっています。基本的には教科書を全て覚えるように言っていますが、ほとんどの分野が2ページですからそれほど大きな負担ではありません。

上述した高校の文法の授業は改善の余地があります。そもそも生徒が勉強のやり方で悩むようでは困ります。分厚い参考書的な教科書ではなく、これだけ覚えればOKという内容の教科書を使うべきです。そして教科書を問題集で補強すれば十分だと思います。さらに、細かな事項を調べるために参考書を持てば理想的です。


(2016年11月17日) 【計画表】 [▲ 先頭へ]

色づいた街路樹からの落葉が風に舞うこの時期に受験生に渡すプリントがあります。高3生には大学入試100日計画表を、中3生には高校入試4ヶ月計画表を準備します。

もともとは中3生に計画表を作るように指示していましたが、10年前位から私がフォーマットを準備するようになりました。金沢地区の中3生が受ける11月の統一テスト後から高校入試までの毎日の計画を書き込めるA3版の用紙です。毎日の予定欄には模試、第2回統一テスト、出願、入試という重要日程を書き込みますから今後の予定が一覧できます。

今年度版の高校入試4ヶ月計画表は、統一テスト後の日曜日である11月13日から入試の3月7日・8日までの計画を書き込めます。土曜・日曜、冬休みなど学校が休みの日は薄い網掛けにしてあるので使い易いはずです。因みに、11/13は入試まで114日の日でした。先週土曜日の中3クラスで書式を渡して使い方を説明しました。

大学入試100日計画表は、高校入試4ヶ月計画表に少し手を加えて作ります。エクセルを使っていますから作業は簡単です。今年度版は、センター試験まで62日の11/13から後期日程試験の3/12までの計画を書き込めます。私自身の大学受験の時、国立大学と私立大学の入試日を書き込んだ日程表を手書きで作りました。日程が一覧で確認できて使い勝手が良かった記憶があります。

午後5時には暗くなる晩秋のこの時期になると、入試がだんだん近づいているなぁ~と思います。高3、中3の受験生の皆さんには計画表を上手く使って効率的に勉強して欲しいと願うばかりです。


(2016年11月10日) 【中2の2学期】 [▲ 先頭へ]

今月に入って中2クラスは月末の期末テストに向けた授業内容になっています。英語の試験範囲は非常に大切な分野であり、先週は不定詞、一昨日は主語・動詞・補語、主語・動詞・目的語・目的語の構文を説明しました。土曜日のテーマは動名詞です。来週からは教科書を復習し、さらに問題練習をして期末テストに備える予定です。

英語の内容は一気に難しくなりました。不定詞の理解は英文の意味を掴む上で必須です。2つの目的語を持つ英文構造は複雑です。動詞の~ing形が進行形と動名詞の2つの働きがあることを理解できなければ英文は意味不明になります。そして、これらの分野の後には比較そして受け身が続きます。2学期に学ぶ分野は英語がわかるかどうかのポイントになります。

2学期の数学も非常に重要です。1次関数を学ぶからです。1次関数の応用問題ではしっかり考えることが要求されます。これまでの分野では方程式・連立方程式の応用問題が難しかったのですが、これらの分野では思考力というより、問題文を式にする読解力が必要でした。1学期までは計算が速くて正確であれば良い点が取れましたが、しっかり落ち着いて考えなければ1次関数の応用問題は解けません。考えることが必要だと意識を変えなければなりません。

1次関数の後は、錯角や同位角といった図形の基本性質で、これはそう難しくはありません。問題は次の三角形の合同の証明です。これは1次関数と並ぶ超重要分野です。中3生が受ける秋の模擬試験では1次関数と三角形の合同の証明は必ず出題されます。合同の証明では論理的に考える力が要求されます。期末テストの試験範囲に含まれますから、じっくり取り組まなければなりません。

私は1次関数や三角形の合同の証明をかなり重要視しています。それらの問題を解く際に要求される考える力は中3数学の難問を解くときに必要なだけではなく、高校数学につながるからです。中2のこの段階での取り組み方が今後の数学の出来に直結すると言っても過言ではありません。

このように英語、数学とも2学期の期末テストの試験範囲は重要な分野を含んでいます。理解するべきものは理解し、考えるべきものは考えて臨む必要があります。しっかり授業を聞いてテスト勉強をきちんとするという勉強の基本が今まで以上に重要になります。


(2016年11月03日) 【英語に浸る】 [▲ 先頭へ]

日産自動車の輸出部門にいた時、ある国へ出張に行き、商社の現地駐在所長のお宅に招かれたことがあります。その時、中学生位のお嬢さんが流暢な英語で電話しているのを聞きました。いわゆるネイティブでした。さすがに商社マンのお子さんだと思いました。

先週の中2クラスでこんなことがありました。hearとlistenの違いの話になりました。ある生徒さんがその違いを知っていました。中2生でよく知っているなと驚きました。その生徒さんに「見る」を意味する単語の違いを聞くとseeとwatchの違いを話しました。正解でした。何故知っているのかを聞いたところ、彼は5才位までシンガポールにいたとのこと。自分の体験から理解していたのです。

12才位までに海外へ行って生活すればネイティブになれると言われています。上述の中2生のように小さい時に海外で生活すれば、単語の違いを知識ではなく自分の感覚として理解できます。当たり前と言えば当たり前ですが、小さい時に英語だけが話される環境に身をおけば英語を自然に自分のものにすることができます。

イマージョン教育という方法があります。immersionとは「(液体に)浸すこと」という意味です。英語を学ぶのではなく、様々な教科を英語で学んで英語を自然に習得する教育方法です。英語ビジネスに携わり始めた頃、このイマージョンという言葉を聞きました。英語が上達するには英語にどっぷりと浸れば良いということです。一人で海外出張に行った時は、正に英語に浸りました。

英語ができることはとても重要だとはいえ、母国語のように話せるネイティブになる必要はないと思います。英語はコミュニケーションの手段であり、何を伝えるか、どんな内容の仕事ができるかがより大切です。自分でものを考えることができた上で英語を自由に操ることができるという姿が理想です。

参考:hearとlistenの違いは、意識して聴くがlistenで、自然に耳に入るがhearです。see、watchとlookの違いは、動いているものを意識して見るがwatch、止まっているものを意識して見るがlook、自然に目に入るがseeです。


(2016年10月27日) 【勉強法の本コーナー】 [▲ 先頭へ]

8月末の入院中はヒマな時間がたっぷりあったので、読書したりテレビを見たりするだけではなく様々なことを考えました。ゼミのこともアレコレ考えました。湧いてきたアイデアの中で実現させたものもあります。勉強法の本コーナーを作ったことです。

高校生向けの勉強法の本は十数冊あり、高校生の皆さんからの相談に応じて貸し出しています。しかし、従来は机の奥にある大きな本箱の中に置いていました。従って、高校生の皆さんにとって、教室にどのような本があるのか分かりにくい状況でした。

退院後、すぐに机を買いに行き応接コーナーの一角に置きました。自宅からブックエンドを持って行き、本箱にあった勉強法の本を移しました。コーナーを設置してすぐに東急スクエアのうつのみや書店で1冊買いました。先月末に上京した時に新宿の紀伊國屋書店で買った本も加えました。十分とは言えないかもしれませんが、それなりの品揃えになっています。

勉強法の本コーナーを作ってからは気軽に本を見られるようになり、本を借りていく人がチラホラいます。今週火曜日、少し早く来た中2女子がすぐには机に座らず、間仕切りの向こうの応接コーナーである本に見入っていました。それは全国の国公立・私立大学の情報を載せた本でした。「どう、面白い?」と聞いたところ、にっこり微笑んで興味深そうな表情を浮かべました。コーナーを作って良かったと思いました。


(2016年10月20日) 【おかげさまで18周年です】 [▲ 先頭へ]

先週の日曜日(10/9)に放送されたNHK大河ドラマ「真田丸」の1シーンが印象的でした。和歌山・九度山に幽閉されている信繁(堺雅人)が、大阪城に入って徳川家康と戦って欲しいという要請に応えるべきか迷っている時に、信繁の幼馴染のきり(長澤まさみ)が語りかけます。「真田源次郎(信繁のちの幸村)がこの世に生きたという証を何か一つでも残してきた?」の言葉が心に沁みました。

きりの言葉を聞いた時、中3の時の担任の先生が当時、手紙に書いて下さった言葉を思い出しました。歴史の流れの中で自分が精一杯生きたという証を残せるように頑張りなさいという内容でした。今田先生のその言葉はその後消えることなく心の中に残っています。

今週月曜日(10/17)にサミット・ゼミは開校18周年を迎えることができました。この日を迎える度に開校からの流れを振り返ります。2、3日間立ち直れなかった辛いこともありましたが、総じて中高生の皆さんが成長する姿を見守ることができて充実していました。長い間教室を続けてこられたのは、頑張ってくれた生徒の皆さんやご支持頂いた父兄の皆さんのおかげであると感謝の気持ちで一杯です。

サラリーマン時代には、こんなことをするために生まれてきたのではないとの思いが心の中にありました。しかし、今は、生徒の皆さんの人生に影響を及ぼすという緊張感と彼らの成長を見守ることができるという喜びがあります。サラリーマンとしては失格の私でしたが、その時の経験は決して無駄ではありませんでした。世の中の話をする時、生徒の皆さんは興味を持って聞き入ってくれます。

大学卒業後長い回り道をして教室を開きました。そして今に至っています。会社勤めの19年間の経験とサミット・ゼミ18年間の経験をベースにして、これからも中高生の皆さんをしっかり導くつもりです。それが今田先生の手紙に応えることと思っています。

上述の真田丸の放送で、きりは「大事なのは誰かがあなたを求めているということ」とも語りました。ありがたいことに、あるご父兄から来年度の中2クラスの要請を頂いています。かなりの年齢になりクラス数を絞ろうかと考えていましたが、父兄の皆さんのご期待には応えなければならないと思い直しました。これからも生徒の皆さんを刺激し、彼らの成長をじっくり見守るという姿勢で頑張るつもりです。どうぞよろしくお願い申し上げます。


(2016年10月13日) 【受験生にスイッチ】 [▲ 先頭へ]

高2クラスの皆さん向けに「大学受験の心構え」というプリントを準備しています。大学受験の持つ意味や受験に向かう姿勢に関する受験雑誌の抜粋と私自身の経験をまとめたプリントです。数年前まではこのプリントを11月あるいは12月に渡していましたが、最近は少し早く渡すようにしています。今年の高2クラスでは先月渡して説明しました。

以前は高2の冬休みから大学受験を意識した勉強を始めれば良いと考えていましたが、それでは遅いと感じるようになりました。高3になって受験勉強を始めても成績を大きく伸ばすことは容易ではありません。本欄で何回も述べているように、高3になると皆が勉強し始めるため、ゴールデンウィーク後半に受ける高3最初の模試から実際の受験まで成績はそれほど伸びません。

そうすると高2後半の基礎作りが非常に重要になります。ポイントは、現在進行している高2の学習を確実にすることと時間を作って今まで習ったところの弱点を補強することの2つです。今の学校の勉強をする時に大学受験を意識するか否かは生み出す成果に大きな違いを生じるでしょう。既習分野の弱点補強は早ければ早い方が良いことは言うまでもありません。

昨日の日本経済新聞に河合塾の広告が載っていました。キャッチコピーは「受験生にスイッチ!」というものでした。「志望大学現役合格に向かって、今から受験生にスイッチしよう!」という言葉が続いていました。上述した私の経験からも、このアドバイスは当たっています。大学受験においては、やはり先行逃げ切り型が強いのです。


(2016年10月06日) 【全国学力テスト】 [▲ 先頭へ]

「石川3科目(小6)で初の1位」先週金曜日(9/30)の北國新聞1面トップ記事の大見出しです。小見出しは「中3は全て2~4位」でした。今年4月に小学6年生と中学3年生の全員を対象に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果です。石川の多くの人が凄いなぁ~と嬉しくなったことでしょう。

全国学力テストについては1年前(2015年9月17日)の本欄「石川の学力」で触れました。昨年は調査された国語、数学(算数)、理科の全10科目で全て全国4位以内でした。その時は、石川県の日本全国に対する人口比率0.91%と東大・京大合格占有率1.35%を比べて、石川出身者の健闘について述べました。

今年の同じ数値を調べてみました。日本の人口は9/1概算値で1億2 692万人、石川県の人口は8月末で1 154 327人でした。人口比率は0.91%です。今年の東大合格者、京大合格者における石川の占有率はそれぞれ0.68%(20人)、1.20%(34人)で、2つの大学合計での占有率は0.93%でした。昨年の1.35%からかなり悪くなり人口比率とほぼ同じ数値になりました。2年前は1.03%、3年前が1.18%でしたから、昨年たまたま良かっただけであり、全国学力テストの結果と東大・京大合格実績の間の相関関係は微妙です。

実はちょっと気になる記事がありました。今年6月にインターネットで見た中日新聞の記事です。石川と同じく全国学力テストで毎年好成績を残す福井県では、県の教育委員会が各学校に全国学力テストの過去問や類似問題を集めたプリントを活用するよう求めたとのこと。「不十分な学校には指導主事が訪れ指導する」との文言もあったそうです。

今週の中3クラスで、4月の全国学力テストに向けて何か準備があったか否か聞いてみました。ある中学では授業中にかなり過去問を解いたそうです。全国学力テストでの抜群の成績の裏には意図された準備があったのです。全国トップになるという執念でしょうか、それとも隣の福井や富山には負けられないというプライドのせいでしょうか。テストのための準備、これが「教育県」の面目を保つ一つの要因です。なお、その中学では5月末の中間テストの試験範囲が非常に短く、その影響が続いていて他の中学に比べて教科書の進行が非常に遅くなっています。


(2016年09月30日) 【英語の教科書の活用 その4】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミでは各高校の定期テストの時は、通常授業に代えて高校毎にテスト対策の授業を行っています。この特別授業では、生徒の皆さんに試験範囲の英文を一文ずつ読んで和訳してもらいます。英文構造をしっかり理解しているかどうかがチェックポイントです。大切な語法や言い回しについてもチェックします。

今週は公立トップ校の中間テストが行われており、先日高2クラスで英語の試験範囲を復習しました。少し難しめの良い教科書が使われていました。しかし、学校の授業では文法的に大切なポイントや語法・言い回しの説明がなされていないようでした。試験範囲の中に、分詞構文、独立分詞構文、関係副詞継続用法が出てきましたが、授業では一切説明がなかったとのこと。consist of やA as well as Bが出てきたのに consist inやnot only B but also Aの説明がなかったとのこと。

ある先生は、教科書の全ての英文をノートに書き写し、それらを逐一和訳するように指示しているそうです。それ自体はとても良い勉強方法ですが、それを予習で実行するにはかなりの時間を要します。他の科目の自宅学習に影響し、特に数学の問題を解く時間が取れなくなります(昨年、実際にある高3生の数学の成績が下がりました。)。予習で行った全文和訳については、授業でチェックされることはなく、全文訳のプリントが配られているだけでした。これでは自分の和訳の問題点がわかりません。

昔は良かったなんて言うと、自分が年を取ったことを証明しているようで嫌なのですが、昔の高校の英語の授業は良かったです。英文読解の授業では、予習で教科書の英文を和訳しました。そして実際の授業では先生にあてられた生徒が和訳し、先生がその和訳をチェックしました。その過程で教科書に出てきた大切な語法や言い回しの説明がありました。

せっかく良い教科書が採用されているのです。工夫して授業をやっているように見せるプリントを使うのではなく、教科書を徹底的に使いこなすべきだと強く思います。難しい英文構造を説明し、文法的なポイントを説明し、出てきた大切な語法や言い回しを確認すれば生徒の英語力は確実に伸びます。英文の流れの中で説明するのですから、模試や入試の長文問題を解く力に直結します。何故、Simple is the best.を実行できないのでしょうか。


(2016年09月22日) 【星稜の新たな挑戦】 [▲ 先頭へ]

2002年に難関大学を目指すAコースを設定した星稜が15年ぶりに新たな挑戦をします。来年度から星稜中学が中高一貫校に変わります。毎年この時期に各私立高校は学習塾を対象に来年度の入試説明会を開きます。先週水曜日(9/14)に開かれた星稜中学・高校の説明会でこの話を聞きました。

星稜中学では、中1から先取り学習を行い、中3の2学期から高校の内容を学び始め、高2までに高校全範囲の履修を終えます。そして、高3では大学入試の過去問練習をする計画です。これは灘や開成といった大学進学で実績のある中高一貫校の履修課程と同じ内容です。最初は理系に特化して、中3から中高一貫理数コースを設けます。文系のコース設定がないことが残念です。

現在、大都市圏の成績上位層は私立の中学や高校に進み、地方では公立高校が不合格になった生徒が私立高校に入る傾向があります。星稜の新たな挑戦はこの図式に一石を投じるものです。一石を投じるどころか、当地の教育界を刺激する挑戦であり、長期的に見れば、教育の面から地方創生の促進を支えると期待されます。

懸念材料もあります。それは、この試みが石川という土壌でどれだけ支持されるかという点です。この点においては、併設型中高一貫校である錦丘中学の入試情報が参考になります。3クラス120名の募集に対して、今年度は261名、昨年度は274名が出願しました。この数値から考えると星稜の新たなシステムも十分に支持されそうです。小学6年生の父兄にとっては選択肢が広がることになります。

最近の星稜高校は大学受験でやや苦戦を強いられているように見えます。しかし、毎年の同校の入試説明会では大学受験に対する熱意を感じることができます。中高一貫校になる星稜中学に入学する生徒が大学受験に挑むのは7年後になります。その時にどのような成果が出るのか今からとても楽しみです。先週述べた「仰げば尊し」の樋熊先生のように非常勤講師として雇ってもらって私もお手伝いしたい気持ちです。


(2016年09月15日) 【人生をプロデュースする】 [▲ 先頭へ]

感動的なテレビドラマでした。今週日曜日(9/11)に最終話が放送されたTBS系の「仰げば尊し」です。交通事故の後遺症で音楽を断念していた元プロサックス奏者が非常勤講師になり、校内暴力や非行が絶えない県立高校の弱小ブラスバンド部を全国大会に出場させようと奮闘する物語でした。その樋熊先生は関東地区大会で指揮した後、すい臓がんで亡くなります。樋熊先生を演じた寺尾聰の抑揚を抑えた話しぶりが印象的でした。

このテレビドラマは実話が基になっているそうです。交通事故の後遺症で演奏できなくなったプロのチューバ奏者が無名のブラスバンド部を日本一に導き胃がんで亡くなります。実際の物語は14年に渡るもので、部員間の対立や学校とブラスバンド部の軋轢など様々なことがあったようです。テレビドラマでは、樋熊先生が1年間導いて、全国大会には出場できませんでしたが関東地区大会で金賞を獲得しました。先生を偲んで「仰げば尊し」を演奏するラストシーンにはじ~んときました。

職業柄(?)興味深くドラマを見ていました。樋熊先生がより身近に感じられたのは、私自身がドラマ第6話が放送された翌日に手術したからです。9年前に腰に悪性脂肪ができて手術しました。丁度ドラマの放送が始まった頃に受けたMRI検査で手術した部分に影が見つかりました。再発の疑いがあったので、中3クラスの夏期講習終了後に手術しました。再発であれば深刻な状況に陥っていましたが、幸い再発ではないことがわかりました。

病気になって初めて健康の有り難さがわかると言われますが、全くその通りでした。丘の上に立つ病院の7階病棟から金沢市内を眺めながら、生きることの貴重さ、一日一日の大切さを感じました。それと同時に、ただ生きるのではなく前向きに積極的に生きたいものだと思いました。それは自分の人生をプロディースすることを意味します。

退院後、高校クラスの皆さんには入院して感じたことを話しました。自分の人生を自らプロディースして欲しいと。大学入試に対して真摯に向き合い、自らの未来を切り拓いて欲しいと。センター試験が4か月後に迫った高3クラスでは、結果を恐れずに勝負するように話しました。結果はもちろん大切ですが、自分の目標に向かって努力を積み重ねるプロセスがより重要であり、その後の人生にとって宝物になるはずです。

樋熊先生はブラスバンド部員に広い世界を見せたあげたいと奮闘しました。私は、生徒の皆さんが厳しい社会で戦うための武器となる知識と思考力を身につけ、大学入試や高校入試を乗り越えるサポートをする役割を続けるつもりです。


(2016年09月08日) 【ノートを作る】 [▲ 先頭へ]

当ゼミ中学クラスではゼミ用のノートを作ってもらっています。英語の授業で出てきた重要事項をホワイトボードに書いて説明した上でノートに写してもらいます。be動詞と一般動詞の違い、a lot of = many/muchの違い、受け身の文の作り方、関係代名詞の説明等で盛りだくさんの内容になります。数学は、この問題は覚えておこうという重要な問題と解き方を書き込みます。こうして高校入試を迎える頃には強力なノートが出来上がります。

高校クラスでは、高3数学クラスでノートの作成を勧めてきました。センター試験形式の60分実戦問題を解いた後、それぞれの生徒さんのその日の課題を指摘します。全ての問題ではなく、その日の課題を確実に自分のものにします。そして、その問題と解答のポイントやプロセスをノートに書くよう勧めます。問題プリントをファイルしていても、後でそれを見直すことはなかなかできません。解答のポイントやプロセスを書いたノートを作ることは手間がかかりますが、最終的にはオリジナルの強力な武器になります。

今まで迷っていたのが高校英語クラスでのノートです。授業中、大切な文法・語法事項や参考となる言い回しが数多く出てきます。長文読解練習では複雑な文構造や強調構文の見抜き方も書き留めておくと参考になります。ノートに取るべきだと思いながらも、かなりの量になるので高校生の皆さんにノートを取るよう指示することには躊躇してきました。

しかし、たとえ乱雑な形でもそれらを書き留めれば強力なノートが出来上がります。時間がかかって効率が良くないように思えても結果的には英語力の向上に直結します。そういうわけで、最近は強制はしませんが、英語のノートを作るように勧めています。ゼミの授業だけではなく学校の授業で出てくる重要事項も一緒にすれば自分に適した素晴らしいノートが出来上がるはずです。

高2クラス(英語)では何人かの生徒さんがノート作りを実践しています。その結果、文法や言い回しに関する私の質問に正答する度合いが確実に大きくなっているように感じています。彼らは学校の授業で出てきた参考事項もノートに書いています。ノートを作って良かったと話していますから、高1クラスでも強く勧めようと考えています。


(2016年09月02日) 【先輩の話】 [▲ 先頭へ]

夏休み半ば、ある有名大学に進学した元生徒さんとランチしました。教え子と語り合うのはとても楽しく、今の生徒さん達に役立つ情報も数多くもらえます。何とありがたい機会でしょうか。

一番印象に残っているのは数学の話です。彼は数学がやや苦手で高3数学クラスでは最初の頃は点数が伸びませんでしたが、夏頃からよくできるようになりました。質問も高度なものになってきたのを覚えています。しかし、2次試験本番の数学では苦戦したようです。高1の時に難しい問題に取り組むなどもっと時間をかけて勉強しておくべきだったと後悔していました。

彼の絶対的な得意科目は英語でした。中2の1月から通ってくれたので中学英語は完璧で、高校でも着実に実力が伸びました。高3の丁度今頃、2次試験過去問の長文記述問題練習の時、センター試験レベルではなくもっと難しい問題に挑戦したいと言って私を驚かせました。彼の英語力を支えた大きな要因は単語力でした。「できればこのレベルまで単語力を上げておこう」という高校各段階での私の勧めに素直に従ってかなりの英語力がつきました。

国語について有効なアドバイスをもらいました。センター試験の国語対策として数多くの練習問題を解いても現代文ではなかなか点数を伸ばせないので、古文・漢文で着実に得点を積み重ねるようにした方が良いということです。よく言われることですが、現役大学生のアドバイスですから説得力がありました。

上記の話はすぐに高校各クラスで紹介しました。なお、彼は高校入学から最後の大会までスポーツ系の部活を続けました。部活で得た仲間や経験は貴重だと語ったことも印象に残りました。やはり勉強と部活の両立が大きな課題です。難しい課題ですが道はあります。志望校に絶対に合格するぞという情熱、いつ、どのように勉強するかという勉強法そして限られた時間における集中力、この3つが未来への扉を開けてくれる鍵です。


(2016年08月25日) 【速読練習開始】 [▲ 先頭へ]

中3クラスの夏期講習も最終盤に入りました。今週の授業では、日曜日の模試そして来週の各中学の実力テストを見据えた総合問題練習を行っています。

英語は1、2年で学んだ分野を総復習してきました。基本的には各分野の問題練習でしたが、夏休みから入会した生徒さんもいるので、超重要分野である不定詞と5文型はプリントで説明した上での問題練習でした。先週木曜日に各分野の復習が終わり、土曜日の授業では英文の速読について話しました。

先ずは長文問題を今までの方法で解いてもらいました。問題の答え合わせをしてから、速読の方法を説明しました。速読の方法は、ホームページの「勉強のコツ」ページに書いた通りです。英文を頭の中で読んで、その内容を理解できれば日本語に訳さないで次の文に移ります。これができれば日本語に訳す時間を節約できますから英文を読むスピードが上がります。長文問題を解く時間が短縮されますから、余裕を持って英作文に取り組めるようになります。

生徒の皆さんの反応が面白かったです。一瞬ポカーンとしていました。今までしていた英文の読み方を革命的に変える読み方ですから当然戸惑いがあります。最初はこの読み方に抵抗があるでしょう。英文の内容を理解できるか心配になると思います。速読の方法を説明した後、長文問題をもう1問解きました。失敗しても良いからできるだけ速読しようと指示しましたが、皆さん、頭の中は混乱していたかもしれません。

速読では英文の意味がわかることが大前提ですから、複雑な構文の場合は今まで通り頭の中で和訳しなければなりません。中3の今の段階では、例えば不定詞が出てきたら、どの用法かを瞬時に判断することは難しいでしょうから、今まで通り日本語に訳すべきです。文法の力がついてくるに従って英文構造を理解できるようになり、和訳しなければならない英文が減ってきます。そしてこの読み方は3年半後のセンター試験につながります。

速読に関する当面の目標は11月の統一テストです。2ヶ月半で少しできるようになれば良いと思っています。心理的なプレッシャーもあり、そう簡単にはできませんから、時間をかけて練習していくつもりです。1月の統一テストである程度できるようになれば、3月の入試の英語に余裕を持って臨めるでしょう。


(2016年08月18日) 【自由英作文】 [▲ 先頭へ]

大学入試の問題を掲載した問題集が旺文社から発行されています。英語・数学・国語は国公立大編と私立大編があります。ある年の英語・国公立大編の問題集に、英作文に関して次のような受験生へのアドバイスが掲載されていました。「英語表現を身につけるために、暗唱用英文を覚え、同時に短い英作文を書いて解答を先生にチェックしてもらう。表現力がついてきたら自由英作文に挑戦する。その解答も先生にチェックしてもらうとよい。」

本年5月12日付け本欄でご紹介しました通り、高3英語クラスでは5月から本格的な英作文練習が始まりました。自由英作文は毎年10月頃から問題練習を始めますが、今年は少し早くして、今月から始めました。初めての自由英作文の課題は、あるイラストを見て50語程度のストーリーを作るものでした。いつもとは勝手が違い、どのように英作すれば良いのかわからない生徒さんもいました。難しく考えすぎた人もいました。

与えられた日本語を英訳するのではなく、テーマに関して自由に英作する問題は近年、増加傾向にあります。自由英作文の問題として2002年度の金沢大学の問題が印象に残っています。ホームステイにきたアメリカ人にお風呂の入り方を説明する問題でした。前年までは課題の日本語を英訳する問題が続いていましたから受験生はさぞや驚いたことでしょう。

今年2月も各大学で様々な自由英作文が出題されました。金沢大学の問題は、ある写真を80-120語で説明するものでした。写真、イラスト、グラフを説明する問題は東大、一橋大や広島大などで出題されました。愛知教育大学は、今年6月の選挙権年齢の18歳への引き下げについて100語程度で書く問題を出題しました。タイムリーで素晴らしい問題だと思いますが、受験生は苦労したでしょう。

大学入試では問題形式が突然変わることがあります。高3クラスでは課題英作、自由英作どちらにでも対応できる力を鍛えるつもりです。自由英作文では、先ずテーマに合わせた内容を考えます。次に与えられた字数制限の中で解答全体の英文の流れ、シナリオを作ります。これにはかなりの訓練が必要です。英語自体は良くできていても内容がテーマから外れていれば点数になりません。今年は例年より早く練習を始めて良かったと思っています。


(2016年08月11日) 【高1の夏】 [▲ 先頭へ]

高1クラスでは英語を勉強していますが、先週は、数学・2次関数の問題を解きました。1学期に習った2次関数は、2年生で学ぶ微分・積分、三角関数につながる重要な分野です。生徒の皆さんが高校数学をどの程度理解できているかが気になっていたのでチェックしました。先々週に予告した上での問題演習でしたが、出来具合はイマイチでした。

高1の皆さんと話していると、高校に入って各科目の内容が難しくなり進むのが速いので授業についていくのが大変だという声が多く聞かれます。勉強のリズムを掴めず中途半端な準備のまま定期テストに臨んでしまった人も少なくありません。部活との両立が上手くいっていないことが原因の一つです。

半分終わってしまったものの、この夏休みの過ごし方は非常に大切です。既習分野で曖昧になっている事項をしっかり復習すべきです。高校に入ってからまだ4ヶ月しか経っていませんから、学んだ範囲は狭く復習するポイントは多くはありません。英語で言えば、夏休み前に習った文法は、5文型、時制、完了形、助動詞と受動態くらいですから、復習する分量は限られています。

復習に加えて、1学期の勉強が上手くいかなかった人はじっくり反省するべきです。定期テストの成績の伸び悩みの原因を分析したり、部活との両立について考えたりすれば、2学期以降の効率的な勉強につながるはずです。大学入試までの高校3年間の勉強全体を考えた場合、高1の夏休みは大きなチャンスと言えます。

7月上旬に受けた全国模試の結果がそろそろ戻ってきている時期です。夏休み半ばのこのタイミングで、高校の先生が模試結果について高1生と面談すれば良いのですが、これは望めないようです。結果が生徒の手に渡るのは大体今月下旬になります。せっかくの情報が学校で寝ていることになるので残念です。


(2016年08月04日) 【授業風景 その3】 [▲ 先頭へ]

今年度の中2クラスが開講して2週間になりました。3人の生徒さんと授業を4回行いました。最初はお互いに緊張していましたが、それぞれの生徒さんとの距離感、接し方が少しずつつかめてきました。各クラス開講の時はとても気を遣います。一人一人の個性を見つめながら、次第に特有な関係が出来上がってきます。

中2クラス最初の授業では幾つかのことを述べました。最優先課題として話したのは、授業をしっかり聞いて試験前はきちんと準備の勉強をすることでした。これは中学だけではなく高校においても勉強の基本です。手抜き癖はなかなか直りません。5教科まんべんなく勉強することが高校入試につながります。頑張って勉強する→テストで良い成績を取る→達成感を味わってまた頑張ろうと思う、という良いサイクルを自分のものにして欲しいです。

生徒の皆さんを子供扱いしないことも宣言しました。一人の人間として尊重するので、子供じみた行動はせず、一人の lady、gentleman として振る舞うように話しました。この宣言は中2生の心にかなり響きます。お父さんやお母さんに子供扱いされたくなかったら子供じみた行動をしなければ良いと話しましたが、実際に行動が変わったかどうか気になるところです。

現在、中1からこれまでに習った分野の総復習を行っています。英語はbe動詞と一般動詞の違いを明確に認識した上で、進行形や助動詞を勉強します。英語の文法を木に例えれば、根や幹に相当する非常に重要な分野です。数学は重要分野を中心に問題練習をしています。方程式の計算・応用問題、比例・反比例、特に1次関数につながる比例、基本の作図を押さえた上で2年生範囲に移ります。基本をマスターして問題練習を重ねれば応用力がついてきます。また、そろそろ国語の200字作文にも取り組むつもりです。

高校入試そして高校での学習を考えた場合、中2生としての1年の持つ意味は小さくありません。以前の中2クラスで、英語の基礎を完璧に固めた結果、中3履修分野をきっちりこなし、高校で順調に伸びて大学入試を迎えたことがありました。中3そして高校での伸びのベースは中2にあると言っても過言ではありません。これからの伸びを期待しながら楽しく厳しくクラスを運営していこうと思っています。


(2016年07月28日) 【努力の根底に恐怖心】 [▲ 先頭へ]

先週土曜日(7/23)にプロ野球広島の黒田博樹投手が日米通算200勝を達成しました。私はヤクルトファンですが、敗戦になっても絶対に言い訳をしない黒田投手は男としてクールだと思っていました。

高校時代は3番手の投手で、西郷隆盛が詠んだ漢詩「雪に耐えて梅花麗し」(苦しまずして栄光無し)を座右の銘にして、反骨心を力に変えて広島のエースにまで上り詰めました。アメリカに渡ってからも活躍し続け、2014年オフにヤンキースを含む複数の大リーグ球団から20億円を超えるオファーを受けながら、推定年俸4億円で古巣広島に復帰しました。野球ファンだけではなく多くの人が彼に「男気」を感じました。

そんな黒田投手はいつも恐怖心と闘っていたそうです。メジャー時代、対戦する全打者の映像に目を通し、プレッシャーから睡眠不足になったり吹き出物が出たりしました。投げることが楽しいと思ったことは一度もなく、ずっと不安を感じながら野球を続けてきたそうです。

偉業の陰にあった恐怖心や不安と闘う姿を紹介する各種報道を読んでいて、これは勉強でも同じではないかと感じました。学校のテスト、模試そして入試の問題が解けるかどうか不安だから頑張って勉強をします。恐怖心や不安があるから良い意味の緊張感を持って机に向かえます。緊張感がなければ目の前の課題に集中できません。

ある新聞記事では、黒田投手の不安や恐怖心は人一倍の負けん気の強さの裏返しと分析していました。これも勉強と同じです。負けん気の強さが勉強での頑張りにつながります。悪い成績を取った時に強烈な自己反省ができれば次は好成績を残せるはずです。スポーツでも勉強でも伸びる人には共通する側面があるようです。

(こぼれ話) 黒田投手は、2014年の広島豪雨の時、すぐに義援金を送っただけではなく、シーズン終了後に被災地へ赴き後片付けをする人々を励ましました。素晴らしい成績の背景に恐怖心や不安を持ちつつ自分の仕事に真摯に取り組む姿勢があったからこそ謙虚さや人に対する優しさが生まれたのだと思います。


(2016年07月21日) 【大学入試とは】 [▲ 先頭へ]

「大学入試とは志望する大学・学部の勉強についていけるかどうかをチェックするもの」これは私の浪人時代に河合塾のある先生から聞いた言葉です。もし不合格になれば、それはその大学・学部の講義を理解できる学力レベルに達していないことを意味するもので、素直にあきらめなさいということです。この言葉を聞いた時、大学受験に対する漠然とした恐怖感、不安感が消えました。やってやろう、と心の底から思いました。

大学入試が定員を上回る志願者を振るい落とすものと考えれば、自分がそうなるのではないかと怖くなります。しかし、本当にその大学に入りたいのであれば自分の学力レベルを必要な水準にまで引き上げれば良いのです。そのように腰が据われば、大学受験というプレッシャーに潰されることはなく倍率に怯えることもありません。

正しい勉強法で努力を重ねれば学力は必ず伸びます。そしてそれを支えるのは情熱です。絶対にその大学に入ってやるんだという情熱が学力の伸びを引き出します。自分が入りたい大学・学部に適合する学力がついているかどうかをチェックされるのだと考えれば、甘さは消えて猛然とした頑張りにつながるはずです。たとえ今の合否判定が厳しくても少しずつ合格という栄冠が見えてくるでしょう。


(2016年07月14日) 【センター試験まで半年】 [▲ 先頭へ]

来年のセンター試験は1月14日・15日です。残り丁度半年になりました。先月受けたマーク式模試の結果が戻ってきて、高3クラスの皆さんと個別に反省会を行っています。ゴールデンウィークに受けた模試の結果返却時に続いて今年度2回目の反省会です。しっかり時間を取って各科目の勉強法を確認します。

全員が然るべき水準の大学を目指していますから厳しい判定が出てきます。反省会では先ずメンタルに凹んでいないかを確認します。現役生ですから難関大学の場合はなかなかC判定(合格可能性 40-60%)以上がつきません。D判定(20-40%)では不安に思いますし、E判定なら自信を失いがちになります。不安そうな表情を浮かべる諸君への私の言葉は「凹んでいて良いことがありますか」です。

模試結果を見ながら、科目間のバランス、各科目の弱い分野などについて各生徒さんと話します。今までは英語・数学・国語中心の勉強でしたが、今後は理科・社会の手当ても必要になります。国公立大を狙う場合は受験科目が多くなるので受験勉強全体をどのようにコントロールするかが非常に大切です。科目間の時間配分が来春の栄冠への大きなカギになります。

苦手科目、苦手分野については勉強法をアドバイスしたり、教室にある勉強法の本を貸したりします。今後の勉強をより効率的にするために早い段階で大きな本屋へ行くことも薦めます。本屋へ行って勉強法の本を手に取れば何かヒントを得るでしょう。各科目の参考書や問題集で自分に適するものが見つかるかもしれません。

個別反省会で最も注意する点は気持ちの持ち方です。厳しい判定を気にしないで強気に志望大学を目指すように話します。受験生はいろいろ迷い悩むものですが、どの大学に出願するかは、実際にセンター試験を受けその結果が出た時に決めれば良いのです。それまでは気持ちを強く持ちやるべきことをやるのみです。


(2016年07月07日) 【夏期講習の計画】 [▲ 先頭へ]

中3クラスでは夏期講習を実施します。普段は週2回、1回2時間15分で、英語、数学、国語200字作文の授業をしています。夏期講習では夏休み中14回、1回3時間で5教科全ての授業を行います。毎年、事前に2つの資料を準備します。授業の日を書いた日程表とそれぞれの日に何をするかを書いた内容計画表です。

先ずは暫定の日程表を作成し、中3クラスの皆さんのご家庭の予定を伺います。今年は先月中に確定できました。内容計画表は7月上旬の模試後の通常授業も含めて作ります。夏休み後半の各中学の実力テストや模試の日程を踏まえますから、毎年少しずつ異なります。今年の計画表はアレコレ考えて昨日出来上がりました。

当ゼミ夏期講習には特徴が2つあります。1つは数学です。1次関数、方程式応用、三角形の合同・平行四辺形の証明の3つだけを徹底的に問題練習します。秋以降の実力テストや模試で必ず出題される分野であり、これらを確実にしておけば数学の点数は安定します。もう1つは英語です。1、2年分野を一通り復習した後で、速読の手法を教えます。速読ができれば時間的に余裕を持って最後の英作文に取り組めます。もちろん簡単には速く読めるようにはなりません。夏休み後半に始めて11月の統一テストを目標に練習を重ねます。

今年は社会の教材を新しくしました。地理の問題に出てくる資料が古くなってきていたからです。現在新しい問題をチェックしています。新しくなった問題に合わせて、授業で話す内容を考えています。問題の中に三重県の工業出荷額の大きさがポイントになるものがありました。自動車のホンダの工場が鈴鹿市にあることを話せば興味を持って勉強してくれると期待しています。

(こぼれ話) ホンダの鈴鹿製作所の建設当時、鈴鹿市はホンダに対して市の名称を「本田市」に変更する意向を伝えました。しかし、ホンダは丁重に断ったそうです。良い話です。