2018年 7月 ~ 2018年12月 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

サミット・ゼミ
Summit Seminar

2018年 7月 ~ 2018年12月

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(2018年 7月 ~ 2018年12月)


(2018年12月27日) 【真剣な視線】 [▲ 先頭へ]

センター試験まで3週間余りになりました。高3の皆さんはそれぞれの受験勉強を進めています。やるべきことはたくさんあります。大学入試という大きなプレッシャーと戦いながら自分の目標へ向かっています。

夏休み末の学校祭が終わり正に受験勉強が本格化した頃、生徒諸君は苦しい表情を浮かべていました。思うように受験勉強が進まなかったり、模試の成績が思わしくなかったりと受験の道は平坦ではありません。一目見てわかるほど苦しそうでした。近づいてくる大学入試のプレッシャーが形の見えないモンスターのように受験生諸君の心を圧迫していました。

受験勉強を完璧にコントロールできる人はいません。成績の良し悪しを問わず、みんなが課題を抱え、模試結果に一喜一憂します。志望校に合格できた人に対するアンケート結果でも、時間を上手く使えなかったとか、悔いだらけというような回答がほとんどです。自分だけが苦しんでいるのではなく他の受験生もみんな苦しんでいると伝えて、彼らの心を軽くするように努めました。

今月に入って高3生諸君の表情が少し変わってきたように感じています。秋口の苦しさを乗り越えたような印象があります。気持ちを前向きに持つように話す時の彼らの表情は真剣そのものです。食い入るような視線を感じます。私の話のキーワードは「根拠のある強気」です。とにかく気持ちを後ろ向きにしないような話をしています。明日の授業ではプレッシャー対策についてまとめたプリントを配布する予定です。

2018年も暮れようとしています。今年は開校20周年の節目の年でした。改めて、長年のご支援に感謝申し上げます。ありがとうございました。新年も楽しく厳しい授業で中高生の皆さんを導いていきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。


(2018年12月20日) 【おかげさまで20周年です その5】 [▲ 先頭へ]

前回の英語に続いて今回は数学について述べてみます。絶対条件は当然のことながら計算力です。現行のセンター試験は時間との戦いという側面があり、速くて正確な計算力がなければ得点は伸びません。今後大学入試が変わっても計算力の重要性は変わりません。もう1つの重要ポイントは思考力です。高校で数学が伸びるための絶対条件です。

サミット・ゼミのクラス設定は中2からです。時間的な制約があって中1クラスの設定はできませんが、問題はないと考えています。中1までは考えることが必要な分野が方程式の応用問題位に限られるからです。中2からはしっかり考えることが要求されます。1学期に説明の問題が出てきます。奇数と奇数を足すと偶数になることを説明するような問題です。この説明を苦手とする中2生が少なからずいます。その後難しい分野として連立方程式の応用問題が続き、2学期には1次関数を学びます。これが大きな難関です。さらに三角形の合同の証明が続きます。これらの分野で考えることに慣れることがその後の数学の伸びに直結します。

中2の段階で難しい問題から逃げずに考えることを実践できるようになっていれば、中3で出てくる2次方程式の応用問題、2乗に比例する関数、相似(特に平行線と比)そして三平方の定理を問題なく習得することができます。大学入試の問題では三平方の定理をよく使いますし、難問では相似の三角形が解答のカギになることもよくあります。

高校数学のポイントを一言で述べるなら、各分野の問題解法パターン、解法のテクニックをマスターすることです。そのために数多くの問題を解くことが必要です。たくさんの問題を解く過程で解法パターンを身につけることができます。

高校の数学教材は教科書、問題集と参考書兼問題集(チャート式やフォーカスゴールド)の3つです。教科書のマスターが基本です。各高校では宿題として問題集が使われます。問題集の問題を解く時にしっかり考えることが重要です。ちょっと考えてわからなければ答えを見るという解き方では実力はつきません。時間がかかっても考えて、それでもわからなければチャート式のような教材を参考にするという勉強のやり方が必要です。

私は、問題集よりもチャート式のような参考書兼問題集を優先させた方が効率的だと考えています。教科書と青チャートを完璧にすれば難関大学の問題も解けるはずです。青チャートのような参考書兼問題集と学校で使う問題集を上手く使うことができれば数学力は万全になります。


(2018年12月13日) 【おかげさまで20周年です その4】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミ20年の経験から英語の勉強について述べたいと思います。先ずは中学の英語についてです。最も重要なことは中学で学ぶ英文法のマスターです。これは基本の基本です。中学の英文法が甘ければ高校英語はわかりません。最初に習うbe動詞と一般動詞についてきっちり理解した上で、進行形、助動詞、未来形などの分野を積み重ねていきます。高校で学ぶ英文法はかなり細かくなります。そのため、理解し易い中学レベルの英文法を完璧にしなければなりません。

英語の勉強としてあまり指摘されていませんが、中学の時に速読に慣れることも大切だと思います。意識的に速読を練習して、ある程度できるようになっていれば、高校で長い英文を速く読めるようになります。小説的な英文であれば、その内容が頭の中でテレビを見ているように映像になるのです。速読ができなければ現行のセンター試験の問題を80分の制限時間で解くことはできません。

中学クラスの生徒諸君にNHKラジオ講座の基礎英語を聞くように指示しています。高校入試のリスニング対策として非常に有効なだけではなく、英語力を総合的に高めることができます。オススメです!

次に高校英語についてです。一言でまとめるなら、英文構造の解析力をつけた上で最終的に単語力です。英語がわかるとは英文構造を把握、解析できるようになることです。教科書に出てくる難しい英文の構造を考えることが必要で、これを繰り返すことによってだんだんわかってきます。この経験の積み重ねにはかなりの時間を要します。英文構造がわかるようになっても単語力が劣っていれば大学入試の英文は読めません。英文構造の解析力が条件で、最終的には単語力が決め手になります。英語が難しい要因はここにあると思います。英文構造を見抜くための基礎が文法です。難しい大学入試の問題と戦う武器が単語と文法です。

文法が完璧で単語力があっても英作ができるわけではありません。英作文対策としては、体系的にまとめられた英文集を暗記することがベストだと思います。相当数の基本英文が頭に入っていれば、適切な単語を使い、基本文を適切に組み合わせれば良いのです。そして、自分が書いた英作文を誰かに添削してもらうことを繰り返せば、英作力は確実に向上します。英文構造の解析力は英作においても重要です。文法的に正しい英文を書けるようになるからです。

日本人は文法重視だったから英会話ができないと言われることがあります。しかし、それはおかしいと思います。リスニングやスピーキングの教育が施されてこなかったことが原因であり、文法重視が悪いわけではありません。読む・書く・聞く・話すの4技能のバランスが重要であることは言うまでもありませんが、英語でビジネスをしたり大学で研究をしたりする上で読む・書くは絶対条件です。


(2018年12月 6日) 【私大受験】 [▲ 先頭へ]

不思議というか合点がいかないことがあります。それは石川県の高校の先生方の私立大学受験に対する考え方、姿勢です。はっきり言って誤っていると思います。

私は毎年10月から11月の秋が深まる頃に、高3クラスで私立大学受験について検討するように話します。12月になればセンター試験が目前に迫ってきて、どの私立大学を受験するかで迷っている時間的な余裕がなくなるからです。しかし、10月の段階で私立大学のことを考えている高3生はほとんどいません。それは高校の先生方が私立大学受験について話さないからです。

当然のことながら良い私立大学はたくさんあります。早稲田・慶応の素晴らしさは言うまでもありません。関東では上智、東京理科、MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)が続きます。関西では関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)です。みんな素晴らしい大学です。因みに、私が就職した日産自動車の輸出部門で働く女子社員は、早稲田、慶応、上智そして国際基督教大学(ICU)出身者がほとんどでした。その状況は他の大企業でも同じです。

高校の先生が何故国公立大学にこだわるのか全く理解できません。もちろん国公立大学に比べて私立大学では費用がかかります。しかし、高校の先生が大学の入学金や授業料を負担するわけではありません。経済的負担の面で問題がなければ私立大学は有力な選択肢です。何が何でも国公立大学というのはかなり偏見の強い考え方だと思います。

以前、私の生徒さんのお兄さんが私立大学に通っていることに引け目のようなものを感じているご父兄がいらっしゃいました。有名私立大学でした。私の考え方を説明したところほっとされたご様子でした。今年も私立大受験のことであるご父兄から相談がありました。私立大学も有力な選択肢ですと申し上げたところ、やはり安心されたご様子でした。私立大学に対する高校の姿勢に苦慮されているご父兄がいらっしゃるのは残念です。

ひょっとして私の考え方が石川基準ではないのかもしれません。サミット・ゼミ最初の生徒さんがある高校の先生です。時々テニスをしますから、次のテニスの際に話を聞いてみようと思います。


(2018年11月29日) 【大学見学企画 その2】 [▲ 先頭へ]

今年9/20付け本欄でご紹介しました東京の大学見学の企画を先週実行しました。高1クラス6名の皆さんと11/23(祝)、24(土)の2日間で東京外国語大学、東大(本郷・駒場)、早稲田大学を回りました。特に、東京外国語大学と東大・駒場キャンパスでは大学祭を見学しました。東京外国語大学は同大学卒業後東京で働いている社会人2年目の元生徒さん、早稲田大学は法学部3年の元生徒さんに案内してもらいました。

東京外国語大学の大学祭(外語祭)はさすがに外国語大学で、20以上の言語それぞれの国の料理が提供される模擬店が並んでいました。東大駒場キャンパスの駒場祭では入口で様々な企画を紹介する小冊子が配布されました。2つの大学祭では自由行動にしました。高1の皆さんはどこを見たのでしょうか。(特に聞いてはいません。)

早稲田大を案内してくれたのは泉丘出身者でサッカー部所属でした。高1生の内2名は丁度彼の後輩です。学生食堂の4人掛けテーブルで私も含めて4人でランチを取りました。サッカー部の話をした後は、部活と勉強の両立、主要科目の勉強法などについて話し合いました。真面目で優秀な先輩の話はとても参考になったと思います。因みに、彼は日経新聞を電子版ではなく宅配で購読しています。非常に意識の高い素晴らしい学生です。

2日間、かなり長い時間を彼らと過ごして、いろいろ気づいた点がありました。集合時間をきちっと守ったことは評価できます。自由行動ではアクシデントもありましたが、彼らなりに工夫して楽しんだようです。しかし、2人の先輩にきちっとお礼の挨拶ができませんでした。また何となくダラダラと行動しているのも気になりました。まだ高1なので許されるというわけではありません。近い将来社会に出ていくのですから、言うべきことは言おうと思っています。

高校生の大学見学はサミット・ゼミ20年の歴史の中で初めての企画でした。高1生諸君は丸2日間過ごした東京という大都会に対して、そして訪問した各大学に対してどのような感想を持ったでしょうか。今後の彼らの勉強に対する姿勢を見守りたいと思います。先ずは、かなりの費用を認めて下さったご父兄に対して、今週から来週にかけて実施される期末テストでの頑張りで応えるようラインで伝えました。


(2018年11月22日) 【品格】 [▲ 先頭へ]

今週月曜日(11/19)夕刻、衝撃的なニュースが日本、そして世界に流れました。日産自動車のカルロス・ゴーン会長が逮捕されるというニュースでした。実際の報酬よりも約50億円過少に申告した金融商品取引法違反の疑いによる逮捕でした。日産の説明では、この有価証券報告書の虚偽記載の他に、私的目的での投資資金や会社経費の支出があったそうです。

私は大学を卒業して日産自動車に就職しました。ゴーン会長がくる前に辞めましたが、社会人としての基礎を身につけることができました。法務部門、海外部門での経験により自分は形作られました。英語でのコミュニケーションができるようになったのは輸出の仕事をしたからです。辛く苦しい思い出もありますが、自分を成長させてくれた会社なので、この会社のことは非常に気になります。

ゴーン会長は経営危機に陥った日産自動車を1999年からV字回復させました。工場閉鎖やコスト削減を指揮したコストカッターとしての冷酷な経営者というイメージが強いのですが、スポーツカー・フェアレディZの復活やGT-Rの開発という開発陣を元気づけるような策も施しました。会社の経営者としては抜群の才能があるようです。

しかし、これまでに、役員報酬の過少記載だけではなく、ブラジル・リオデジャネイロ、パリ、アムステルダム、レバノン・ベイルートの自宅を会社側に提供させたとか、数千万円の家族旅行代金を子会社に負担させた等と報道されています。ベイルートは会長が幼少期を過ごした土地です。超高額な報酬があるのに、何故このような卑しい行為をしたのか理解に苦しみます。結局これは品格の問題だと思います。

品格とは育ちや環境の中で身につけた振る舞いや雰囲気ということでしょうか。本を読んだり他人から学んだりして意識的に品格を育てることができると思います。人から後ろ指を指されるようなことはしないことは品格の要件ですから、ゴーン会長の問題行為は本当に品格に欠けています。品格については、機会があれば授業の休憩時間の雑談で触れてみようかと思っています。凄腕経営者のゴーン会長は優れた反面教師でもありました。


(2018年11月15日) 【おかげさまで20周年です その3】 [▲ 先頭へ]

中学生でも高校生でも、勉強の基本は授業をしっかり聞いて、試験前1週間きっちりテスト勉強をすることだと信じています。定期テストの後、中高生に「努力のレベル」を尋ねることがあります。最大限のテスト勉強をしたが「10」、全く準備の勉強をしなかったが「0」で、自己評価してもらいます。大体努力のレベル x 10が点数になるものです。完璧とは言えないものの真面目に勉強したとすれば努力のレベルは8で、5教科合計で400点になります。

成績の良い子に対して「〇〇君は頭が良い」とよく言われます。しかし、それは違うと思います。どれだけ能力が高くても、授業を聞かなかったりテスト勉強を怠ったりすればテストで好成績を取ることはできません。勉強において才能があるとすれば、それは努力する才能だと思います。将棋の羽生善治さんは「才能とは努力の継続」と語っています。天才棋士と言われる羽生さんの言葉です。参考になります。

勉強は大切ですが、勉強ばかりしていれば人格的に問題のある人になってしまいます。よく学び、よく遊ぶが大切です。勉強と部活が両立できれば最高です。最近はゲームの影響が懸念されます。ゲームへの過度な依存を嘆かれるお母様が少なからずいらっしゃいます。気晴らしは必要ですからゲームはやっても良いと思います。大切なポイントは、やるべき時にしっかり勉強するという習慣です。勉強のスイッチのonとoffのメリハリがとても重要です。

当ゼミは中2クラスから高3クラスまでの設定があります。中2生は、英語では不定詞、動名詞、接続詞、比較、数学では1次関数、合同の証明などの重要な分野を学びます。中2クラスではそれらの重要分野の習得だけではなく、5教科手抜きなくテスト勉強することの習慣づけを大きなテーマにしています。中2で各科目満遍なく勉強できなければ中3でも続きます。そして高校でも続くものです。得意科目があっても、嫌いな科目の勉強で手抜きをすれば、得意科目の高得点の価値は下がってしまいます。

天才でも脳細胞の3%とか10%しか使っていないと言われます。人間にはもの凄い潜在能力があります。授業をしっかり聞いて、試験前はきっちり各科目満遍なく勉強する、を実行すれば満足できる好成績を取れるはずです。


(2018年11月 8日) 【おかげさまで20周年です その2】 [▲ 先頭へ]

先月11日付け日本経済新聞1面「ニッポンの革新力」という連載記事の中に「AIやロボットが高度に発達した社会では、知識や業務遂行といった従来型スキルだけでは不十分だ。今までにないアイデアを生む力が欠かせない。」という言葉がありました。その記事には「さらば詰め込み」という小見出しもありました。近年のテレビや新聞では知識の詰め込みが古くて良くないもののように言われているのが非常に気にかかります。

社会に出て仕事をする際には、何らかの指針のようなものはあっても、このようにすれば大丈夫という教科書はありません。様々な課題、難題に対して適切なアイデアを生み出すことが非常に大切です。その意味では上記の日経新聞の記述はその通りです。しかし、どうすればアイデアが出てくるのでしょうか。

社会で活躍するために学校教育で必要なものを考えるに際して、2002年にノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊・東大特別栄誉教授の指摘が大変参考になります。それは、受動的認識能力と能動的認識能力の掛け算で人間の能力が決まるという指摘です。受動的認識知識とは知識、能動的認識能力とは考える力です。いろいろな事を知っているだけではダメ、いくら考える力があってもダメで、両方が必要です。

暗記、知識の詰め込みは欠くことのできない必須事項です。歴史や地理の知識がなければ日本そして外国のことを理解することはできません。理科の知識がなければ日常の様々な事象を理解することはできません。漢字の読み書きができるのは日本人として当然のことです。近年は、この知識の詰め込みが軽視されているような気がします。「さらば詰め込み」ではなく「詰め込みの上に」であるべきです。

考えることの重要性は言うまでもありません。状況に応じた思考力がなければアイデアは出てきません。考える力は数学や物理・化学の勉強をする過程で培われます。難しい問題を直視ししっかり考えるという習慣が重要です。ある経済団体の幹部である友人が、私立大学文系の受験生にもセンター試験の数学を課すべきだと話したことがあります。世の中では論理的思考力が要求されます。

小柴先生の指摘は本質を突いていると思います。時代がどのように変わろうとも、知識と考える力の掛け算が必要です。今年のノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑・京都大学特別教授が科学者をめざす小中学生向けに語った言葉の中に「教科書に書いてあることを信じない。」という言葉がありました。この言葉については、本庶教授をよく知っているiPS細胞研究の山中伸弥・京都大学教授が教科書の内容を全て理解することが前提であると補足されていました。教科書をマスターした上で考えることが独創性につながるのでしょう。


(2018年11月 1日) 【西澤潤一教授】 [▲ 先頭へ]

先週土曜日(10/27)、日本経済新聞の1面に「ミスター半導体」と呼ばれた西澤潤一さん死去の記事がありました。西澤さんは電子工学の世界的権威で、東北大学や首都大学東京などの学長も務められました。1950-60年代に半導体レーザーや光ファイバーによる光通信の原理を発明し、現代の情報通信社会の基礎を作られました。死去の記事が日経新聞の1面に掲載されるほどの業績です。

西澤先生のことを知ったのは社会人になってすぐの頃でした。私は高校の理数科に入りました。高3になる時に転校して文系に変わりましたが、もともと理系科目が好きでした。理数科時代にはコンピュータの研究が良いかなと考えていました。もっと早く先生のことを知っていたら西澤先生に学ぶ道へ進んだと思います。当時、半導体研究という領域は輝いて見えました。

大学受験において学部・学科の選択は人生に関わる重要な問題です。将来こんなことをやりたい、だからこの学部・学科を選ぶという姿勢が理想ですが、そのような選択をする生徒さんは多くはありません。高校クラスでは全国模試の結果が返却された時に個別反省会をして、勉強の話だけではなく進路の話もします。しかし、進路についてしっかり研究している高校生はあまりいません。

自分自身が進路のことをいろいろ研究したとは言えないので偉そうなことは言えません。今の中高生諸君の成長を見守る仕事は自分に向いていると思っていますが、若い時に進路についてもっと調べるべきだったという悔いがあります。その後悔から、生徒の皆さんにはそれぞれの適性に合うような選択肢を示したいと考えています。理数科時代の私に西澤先生のことを話すような情報提供ができれば最高です。


(2018年10月25日) 【出会いと別れ】 [▲ 先頭へ]

自宅の近くにお寺があります。入り口の横に掲示板があり、いろいろなお言葉が掲示されます。何となく気になるので、ジョギングの帰り道のルートを少し変えて定期的に見るようにしています。少し前に掲示されていた言葉は「人は出会いによって育てられ、人生は別れによって深められる」でした。味わい深い言葉として印象に残りました。

平成31年度のセンター試験は来年1月19日(土)・20日(日)です。高3の皆さんにとって残り3ヶ月を切りました。2月25日の2次試験までは丁度4ヶ月です。センター試験、2次試験までの授業プログラムを考えている時に、中3の時から通ってくれた生徒諸君と一緒に勉強できるのももう少しだなぁ~と思いました。そして、上述の言葉を思い出しました。

縁あって通ってくれた彼らを上手く育てられたのかを振り返ると、様々なことが頭に浮かびます。良かった点もあれば反省点もあります。反省点を踏まえ、残りの限られた期間を彼らにとって有意義なものにしなければなりません。それによって来春の彼らとの別れの価値、深みが決まってきます。

高3の皆さんと一緒に勉強をしてきて、私自身が育てられた面もあります。英語や数学の授業の進め方を工夫しました。生徒さんとの接し方で参考になることが多々ありました。彼らのおかげでいろいろな経験を積み増すことができたので、とてもありがたいと思っています。

街路樹が赤や黄色に色づき始め、日暮れの時間が早くなると受験シーズンが間もなくやってくると感じます。高3の受験生の皆さんと笑顔の別れができるように私も頑張ろうと気合を入れています。


(2018年10月18日) 【おかげさまで20周年です】 [▲ 先頭へ]

昨日(10/17)、サミット・ゼミは開校20周年を迎えることができました。皆様のご支援に心から感謝申し上げます。どうもありがとうございました。この20年間に359人の生徒さんと出会いました。先日、開校時からの名簿を見ながら一人一人の生徒さんを思い出していました。

20年前に羽咋市の羽咋神社前に教室を構えました。最初の生徒さんは教室の大家さんの孫のK君です。当時中1でした。すぐに同級生のR君が入塾してくれました。K君とR君は高3まで通ってくれ、サミット・ゼミの授業の基礎が形づくられました。両君抜きにゼミの歴史は語れません。彼らとは2005年に当時ヤンキースに在籍していた松井秀喜さんの応援にニューヨークへ行きました。また、高校の先生になったK君とは今も時々テニスをしています。東京にいるR君とは時折ゴルフをしています。人の出会いは本当に有難いと思います。

大学時代に「大谷は学校の先生に向いている」と友人に言われたことがあります。しかし、普通に就職すれば良いと考えて日産自動車に就職しました。東京や名古屋で仕事をしていましたが、体調を崩して21年前の11月に石川にUターンしました。傷心の帰郷でした。体調が回復して金沢での就職が決まったものの不安を感じていました。そんな中、志賀町にある実家の和風ペンションで、近所に住む顔なじみの毒舌お姉さんに「タクミさんは体型と性格は悪いけど、頭が良いから塾をやれば良い」と言われました。

その一言がなければサミット・ゼミの開校はありませんでした。私の人生を決めた一言でした。因みに、当時の体型は確かにひどいものでしたが、今は頑張ってジョギングを継続していますから少し良くなりました。性格は悪くはないと自分では思っています。「頭が良い」という言葉には抵抗があります。勉強の努力をしただけです。

先月末、大河ドラマ「西郷どん」の最後に流れる「西郷どん紀行」のナレーションを担当している島津有理子アナウンサーがNHKを辞めることが話題になりました。医師を目指して勉強するための44歳での決断です。5月に番組で紹介した「生きがいについて」(神谷美恵子著)を読んで、幼いころからの思いを叶えたいと思ったそうです。

日産自動車や貿易商社で一生懸命仕事に向き合いながらも「このままで良いのかな」と思い続けていました。私は小さい頃から世のため、人のために働きたいと思ってきました。企業での仕事はこの思いに必ずしも合致しませんでした。学習塾を始めて、生徒の皆さんの成長を見守っています。これは私にとって、島津元アナが目指した生きがいになっています。学生時代の友人は私の適性を見抜いていたようです。口の悪い仲良しお姉さんの一言に至るまでに19年間というとても長い回り道をしました。しかし、法務、輸出、広報などの経験は決して無駄ではなく、生徒の皆さんへのお話しの基礎となっています。

20周年を機に、中高生の勉強についてまとめてみようと思っています。10年前にも”To summarize 10 years”というシリーズで述べたことがあります。内容が重複することもあるでしょうがご容赦願います。本欄をお読み頂いている皆さんのご意見もどうぞお聞かせ下さい。


(2018年10月11日) 【自由英作文演習 in 2018】 [▲ 先頭へ]

高3英語クラスにおける自由英作文演習が進んできました。本年6/7日付け本欄で述べた通り、例年夏休みから実施していた自由英作文演習を今年は4月から始めました。既に11回いろいろなテーマで練習して、高3の皆さんは大分慣れてきました。まだ甘いところはあるものの、練習を開始した半年前に比べてかなりレベルアップしました。

自由英作文は受験生にとって難問です。例えば、今年の金沢大学の問題は2つの授業形式について述べるものでした。講義形式と討論形式の良い点、悪い点を比較した上で、3つの理由を挙げて80~120語で自分の意見を述べる問題でした。論点を整理した上でシナリオを考えて、それを英語にしなければなりませんから大変な作業です。大問3つの内の1問であり、この第3問の出来具合は合否に大きく影響したと思います。

金沢大学だけではなく近年は多くの大学で自由英作文が出題されます。この難問への対策は練習を重ねるしかないので今年は4月に始めた訳です。しかし、早く始めたために手元にある問題の在庫が少なくなってきました。そこで先月から昨年、今年の入試問題をチェックしています。これが結構面白い作業になっています。

各大学が様々なテーマを出題しています。難しいテーマだけではなく面白いテーマもたくさんありました。各大学の出題担当の先生方が工夫している様が伺えます。以下に少しご紹介致します。
・「何故勉強しなければならないのか」という勉強嫌いな中2生へのアドバイス (70語程度 2017年 大阪大)
・初めて日本を訪れる外国人旅行者へのアドバイス (100語程度 2017年 愛知教育大)
・中学生時代の自分に対するアドバイス (10行 2017年 岡山大)
・10億円の資金で、どのような会社を作り、どのように他人に恩恵を与えるか (120語程度 2017年 静岡大)
・自分の失敗談とそれから学んだこと (70語程度 2018年 大阪大)
・小学校の英語必修化に対する意見 (80-100語 2018年 鹿児島大)
・選挙権年齢の引き下げに対する意見 (100語程度 2018年 神戸市外国語大)
・会いたい歴史上の人物 (語数不明 2018年 滋賀大)

それぞれ吟味された良い問題だと思います。特に、昨年の大阪大学の問題は興味深いです。今年の神戸市外国語大学の問題は深い思考力を問う難問です。素晴らしい問題をたくさん見つけましたので、手元にある自由英作文の問題の在庫を総整理するつもりです。全国の大学入試問題からゼミで使う問題を選べるので、ある意味とても贅沢なことだと思っています。


(2018年10月 4日) 【全国模試反省会】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミでは各テストの後に生徒の皆さん一人一人と反省会を行っています。中学クラスでは学校の定期テスト・実力テストの答案返却時に個別反省会を開きます。授業時間中に順番に話します。高校クラスでは全国模試の結果が返却された時に個別反省会を行います。高校生の皆さんとの反省会は以前は授業時間中でしたが、3~4年前からは授業時間とは別に1人30分程度の時間を取っています。

高1生は7月初旬に進研模試を受けました。夏休みと学校祭のため結果の返却が遅くなり、高1クラスの皆さんとの個別反省会を先月上旬に行いました。上述の通り授業時間とは別にしっかり時間を取って話しました。

進研模試は日本全国のほとんどの高校生が受験します。受験者数は約48万人ほどです。ですから、大学入試に向けて進研模試の結果は非常に参考になります。進研模試の全国偏差値でどのレベルの大学に合格できるかが大体分かります。例えば、金沢大学だと全国偏差値64-65位が目安です。(医学部は別です。)

高1の皆さんとの反省会では先ず志望校を尋ねました。今の段階で志望校が明確になっている人は少ないのですが、目標を設定することはとても大切です。高い目標を持てば普段の勉強に対する集中度が違ってきます。気になっている大学を確認した後は、その大学に合格するために進研模試でどの位の成績が必要かを説明しました。

7月の進研模試結果と志望校のレベルに開きがある人がいました。そこで、志望校に合格できるレベル(全国偏差値)まで何点必要かを計算してみました。この計算をする時にいつも感じるのは、意外に開きは大きくないということです。その人の場合も、模試結果は思わしくなかったものの、十分手が届く水準でした。

反省会では苦手科目の勉強法、自宅学習、部活との両立等について話した後、一つ一つの定期テストを大切にするよう言いました。高1・高2の定期テストの勉強の積み重ねが受験勉強につながるからです。先々週の本欄で述べた通り、高1クラスの皆さんとは来月東京の大学見学に出かけます。勉強に対するモチベーションが上がっているはずなので、今月末に予定されている2回目の進研模試でどのような結果が出るのか楽しみです。


(2018年 9月27日) 【日本のTOEICスコア】 [▲ 先頭へ]

「えっ、そんなものなの?」昨日の日本経済新聞のある記事の中で紹介された表にショックを受けました。「職場の英語化 社員配慮」という見出しの記事で、主要国のTOEIC(リスニング・リーディング)平均点(2017年)の表が掲載されていました。ドイツ800点、フランス722点、韓国676点、中国600点で日本はなんと517点!

因みに、TOEIC(リスニング・リーディング)は990点満点で、860点以上がレベルA(Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる)、730-855点がレベルB(どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている)、470-725点がレベルC(日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる)とされています。

記事では、職場で英語を「準公用化」する動きが広がっていることを紹介しています。資生堂では10月から本社部門の会議や社内文書を英語に切り替え、ホンダなども2020年からの英語公用化を掲げています。ただし、日本語も許容して、英語が苦手な社員に配慮しているそうです。記事はまた、大学入試センター試験で英語のリスニングが導入されたこともあり20代は英語力が高く、「就職氷河期世代」の30-40代との差が拡大傾向にあると説明しています。

近年は英語の重要性が叫ばれてきました。そして、2020年度の大学入試から英語の4技能が問われるようになります。この世の流れから、日本人全体の英語力は高まっているだろうと思い込んでいました。ですから517点という平均スコアはかなりショッキングです。韓国と約150点もの開きがあります。インターネットで調べてみると、韓国の若者は外国語を学ぼうとする姿勢が子供の頃からできているそうです。同国では受験戦争が続いていることも原因の一つかもしれません。

ドイツの800点というスコアは驚きです。東京外国語大学では入学前に新入生がTOEICを受験します。元生徒さんは715点でした。かなり英語ができる大学受験生が715点ですから、ドイツの平均点の高さは正にアンビリーバブルです。ドイツの外国語事情がどうなっているのか興味が湧きます。日本の外国語教育に参考になるものがありそうです。


(2018年 9月20日) 【大学見学企画】 [▲ 先頭へ]

11月に高1クラスの皆さん全員と大学見学のため東京へ行く企画を立てました。大学に合格した生徒さん達と2回、海外旅行をしたことがありますが、高校生との大学見学旅行は初めてです。

高1クラスにとても英語に興味を持つ生徒さんがいます。夏休み前に東京外国語大学のオープンキャンパスに行ったらどうかと話していました。しかし、7/15のオープンキャンパスには間に合わず、次の機会として大学祭を考えました。以前、東京外国語大学を志望する高2生がいて、元生徒である同大学生に頼んで大学祭を案内してもらったことがありました。因みにその高2生は見事同大学に合格しました。

東京外国語大学の大学祭である外語祭は11月の三連休に予定されています。東大の1・2年生が学ぶ駒場キャンパスの駒場祭は秋にあったはずと調べてみると、外語祭と同じ時期に開催されることがわかりました。優秀な高1クラス諸君に東大を案内すれば良い刺激を受けるだろうと思って、東京の大学見学旅行を企画した次第です。2日間の日程で、東京外国語大学、東大駒場キャンパス・本郷キャンパスと早稲田大学を訪問する予定です。東京外国語大学は同大学を卒業して東京で働いている社会人2年目の元生徒さん、早稲田大学は同大学3年生の元生徒さんに案内してもらいます。東大は私が担当します。

ご父兄の皆さんに提案する企画書は高1の生徒さんに作ってもらいました。かなり大変な作業だったと思います。私の何回かのダメ出しを経て素晴らしい企画書が出来上がりました。JTBへの就職を考えたこともある私はあえて作らず、勉強のためと2人の生徒さんを指名しました。(パワハラかな?) その企画書は旅行代理店の担当者にとても好評でした。

東京での宿泊は、外国人のビジネスマンや観光客がよく泊まるホテルを選びました。グローバルな雰囲気を感じることができます。大きなレストランで、周りに多くの外国人がいる中で取る朝食はきっと刺激的だと期待しています。東京の諸大学を見学し、外国人が周りに普通にいる雰囲気を経験することで高1クラス諸君が何を感じ、その後どのように行動するでしょうか。楽しみです!


(2018年 9月13日) 【速読の進化】 [▲ 先頭へ]

先週は中3クラスの速読練習について述べました。8月末あるいは9月初めに速読練習を始めれば3月の公立高校入試の頃にはかなり速く読めるようになります。各高校では速読練習をほとんどしないので、ゼミの高校クラスでは結構練習します。これはセンター試験を意識しているからです。

センター試験は第6問まであります。第1問は発音・アクセント、第2問が文法・語法・並び替えで、第3問から第6問にはいろいろな種類の読解問題が並びます。全ての読解問題で速読ができる訳ではありませんが、速読ができるとかなり速く解ける問題もあります。小説的文章の第5問が典型例です。英文を速く読む技術がなければ、センター試験を80分で解くのは非常に厳しいです。

毎年5月あるいは7月に開講する高1クラスで練習を重ねると、中3で速読に慣れた生徒さんは高1の後半から高2になると英文の内容が頭の中で映像になってきます。英文の話の進展をテレビで見ているようになるのです。このレベルになるとセンター試験の80分は高いハードルではなくなります。

通常の速読では英文を頭の中で音声化して読んでいますが、速読が進化すると英文を見ただけで意味を理解し頭の中の音声化プロセスがなくなります。ここまで来るともの凄く速く読めますが、センター試験ではこのレベルにまで達する必要はありません。通常の速読で十分です。


(2018年 9月 6日) 【英文速読開始 in 2018】 [▲ 先頭へ]

中3生は8月最終週に模擬試験と実力テストがありました。夏休みの勉強の成果が問われるテストで、模試の結果は今日届けられました。普段の中3クラスの授業は英語・数学・国語200字作文ですが、夏休みには5教科全ての授業がありますから、模試と実力テストの結果はいつも以上に気になりました。

今年の夏期講習では英語の内容を一部変更しました。例年は8月末に英文の速読練習を開始していました。速読の前提である英文法を復習した上で、英文を速く読む方法を教えていました。しかし、今年は既習分野の文法を復習した後は模試の過去問練習だけに止めました。慣れない速読のため模試や実力テストの長文問題の読みが甘くなることを恐れたからです。

英文を読む場合、普通は英文を一文読んで、それを頭の中で和訳します。そして次の英文を読んでそれを頭の中で和訳するという作業を繰り返して読み進みます。速読する場合は、英文を読んで、その意味が理解できれば頭の中で和訳しないで次の英文に進みます。頭の中で和訳する時間が省けますから、読むスピードは上がります。

簡単なやり方ですが、中3生にとっては英文の読み方の革命的な変更ですから最初は誰でも戸惑います。英文の意味が分からなくなるのではないかと怖くなります。ですから何回も練習することが必要です。練習を重ねることにより速読に慣れていき、かなり速く読めるようになります。

最近の入試や模試では英作文の出題が増えてきています。英作は易しくありません。時間的に余裕を持って英作に取り組むために英文読解問題を速く解く必要があります。中3クラスでは今週から速読練習を始めました。11月の統一テスト、冬休み明けの統一テストを目標に練習を積み重ねる予定です。2回目の統一テストの頃にほぼ速読できるようになれば、来年3月の公立高校入試では余裕を持って英語の試験に臨めるはずです。


(2018年 8月30日) 【中2ギャップ】 [▲ 先頭へ]

「中1ギャップ」という言葉があります。フリー百科事典のウィキペディアでは「日本の一部の児童が、小学生から中学1年生に進級した際に被る、心理や学問、文化的なギャップと、それによるショックのことである。」と説明されています。私はそれとは別に中2ギャップというようなものがあるのではないかと感じています。

中2ギャップは一般的な言葉ではありません。中1までの学習内容に比べて中2の内容が突然難しくなることを指す私なりの言葉です。例えば、1学期の数学で学ぶ、奇数と奇数を足せば偶数になることを説明する問題です。それまではなかった種類の問題で、説明する手順は面倒です。苦手にする人が少なからずいます。しかし、ここでつまずけば次に続く連立方程式、1次関数に影響を及ぼします。これらの分野を乗り越えるキーワードは思考力です。しっかり考えることが必要です。

英語でも中2の1学期で学ぶ分野は難しいです。教科書がNew Horizonの場合には、主語・動詞・目的語2つの構文(Show me your passport.)と主語・動詞・目的語・補語(People call it Big Ben.)の構文を学びます。英語の5文型のうち複雑な構文2つです。その後は不定詞の3つの用法が続きます。これらの分野は英語が分からなくなるきっかけになる可能性があります。ここでのキーワードは理解&記憶です。

中1まではあまり考えなくても何とかなっていたのが、しっかり考えること、きっちり理解することが必要になります。中2ギャップという言葉は大げさにしても、勉強への取り組み方が甘ければ教科書や授業が分からなくなります。中2の勉強はその後の学力の伸びに大きく影響するポイントだと思います。


(2018年 8月23日) 【お盆の飲み会】 [▲ 先頭へ]

先週、お盆で帰省した元生徒さん3人と飲みました。彼らは昨年8月17日付け本欄「真夏の夜の夢」に登場した東京と関西の大学4年生と3年生です。中2から高3まで一緒に勉強した3人は同じ中学出身ということもあり、とても楽しい飲み会でした。

「真夏の夜の夢」で新素材を活かした会社を設立したと述べた学生は4年生になり研究に没頭しています。卒業に必要な単位は既に取ってしまい、今は研究一筋で、学部卒業後は大学院に進んで研究を続けます。元理系の私は人工光合成に大きな関心を持っていますが、彼が研究している金属系の新素材は人工光合成の触媒に使える可能性があるそうです。私を喜ばせようと、そんな話をしてくれました。人工光合成に関係しなくても、彼が今後どのような成果を出していくのか非常に楽しみです。

残りの2人は文系の3年生で、就職が話題の中心になりました。どの業界を選ぶか、どの企業が良いかだけではなくどの地域に就職するかも大切な選択です。2人とも地元の金沢での就職の可能性を残してはいるようでしたが、やはり大都市圏での就職をメインに考えていました。石川にある会社について尋ねてみたところ情報は持っていませんでした。就職のための本格的な企業情報の収集はこれからのようですが、地元の会社も調べて欲しいところです。

TOEICスコアが775点の学生には800点、できればAレベルの860点を目指すように発破をかけました。それを聞いて自分もTOEICに挑戦すると話した学生は日本経済新聞を購読しているとのこと。就職を念頭に日経新聞を読み始めたそうですが、その意識の高さは素晴らしいです。

優秀な彼らがこれからどのように成長していくのか見守りたいと思っています。青は藍より出でて藍より青しと言います。「半分、青い。」ではなく十分に青くなることを期待しています。今後が楽しみです!


(2018年 8月16日) 【塾長からの一言】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミは今年10月に20周年を迎えます。このホームページは2001年7月8日に立ち上げて17年余りになります。中高生を巡って何か書けばご父兄の皆様の参考になるかもしれないと思って本欄を書き綴ってきました。今日の一言は900話目になります。

正直に申し上げると、毎週月曜日になると頭が痛くなります。木曜日に書き綴る本欄のことが気になってくるからです。適当な話題が思い浮かばない時は大変です。何とかテーマをひねり出します。本欄を継続できているのは、読んで下さる方がいらっしゃるからです。どなたが読んで下さっているのかはある程度しか分かりませんが、アクセス数の増加が励みになっています。元生徒さんの中には私を思い出して読んでくれる人もいるようです。

先週は新聞コラムについて述べました。本欄を書くにあたり、コラムはとても参考になります。文章の書き方の勉強になるからです。特に、日本経済新聞の「春秋」は素晴らしいです。惚れ惚れするような文の時があります。「春秋」のような文はとうてい書けないと思っていましたが、文全体の構成にパターンがあることが分かってきました。ただし、幅広い知識や豊富な経験が必要なのでなかなか真似はできません。

毎週書き綴ることが何だか修行のようになっています。しかし、中学生の皆さんに作文を教えたり、一週間のリズムを作ったりするためにも続けようと考えています。独り善がりな内容にならないように気をつけているつもりですが、私の考え方、感じ方に偏りや間違いがあるかもしれません。そのような場合はどうぞご指摘下さるようお願い申し上げます。


(2018年 8月 9日) 【新聞コラム】 [▲ 先頭へ]

先週の本欄で読解力を養う方法として新聞のコラムを読むことをお勧めしていると述べました。自宅で取っている新聞のコラムを読むのが一番手っ取り早いのですが、他の新聞のコラムをインターネットで読めるか否かを調べてみました。

新聞コラムとして最も有名なものは朝日新聞の「天声人語」でしょう。しかし、ネット上で天声人語を読むには有料会員になる必要があります。読売新聞の「編集手帳」も有料会員しか読めません。ネット上でコラムを無料で読める全国紙は、日本経済新聞(春秋)、毎日新聞(余録)と産経新聞(産経抄)です。「天声人語」や「編集手帳」をネットで読む裏ワザがあるかもしれませんが、調べきれませんでした。地元紙の北國新聞の「時鐘」、北陸中日新聞の「中日春秋」はネット上で読むことができます。

「天声人語」や「編集手帳」を自由に読めないのは非常に残念ですが、営業上の理由がありますから仕方ありません。その点、日本経済新聞、毎日新聞と産経新聞という全国紙は太っ腹です。私は日本経済新聞と地元紙を購読していて、毎日必ず「春秋」を読んでいます。「天声人語」も毎日読んでみたいのですが、有料会員になってまでとは思いません。「春秋」は本当に素晴らしいコラムで、中学生には少し難しいかもしれませんがお勧めです。

中学生のコラムの読み方としては、毎日読もうとします。政治や経済の難しいことが書かれている場合は、最後まで読まなくても良いと思います。できれば週に3回程度は最後まで読みます。そしてやるべきことは、筆者が何を伝えようとしたのかを考えることです。この時、自分の気持ちや感情を交えてはいけません。筆者の意図を客観的に読み取ります。これを3ヶ月程度続ければ読解力はかなり鍛えられるでしょう。


(2018年 8月 2日) 【中1までに身につけて欲しいこと】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミでは中2から高3クラスを設定しています。中1クラスの問合せもありますが、時間の的な制限があり同クラスの設定はありません。中1から学習塾に通わなくても良いという思いもあります。中1で学ぶ分野がそれほど難しくはないからと言えばお叱りを受けるかもしれません。ただし、中1までに身につけておいて欲しいことがあります。それは計算力と読解力です。「読み書きそろばん」の「読み」と「そろばん」です。

計算力は数学全体を支えるものですから絶対条件です。計算力はケアレスミスをしないことも含みます。その為には途中式をしっかり書くことが必要です。途中式をきちんと書いて速く正確に計算することは数学の伸びに直結します。途中式をカットしたり、数字を乱雑に書いたりする癖はなかなか直らないものです。対策としては途中式を書く計算練習を重ねるしかないと思います。私が中1時代、毎日授業後のホームルームで計算練習のプリントをしました。自分の計算力はそのプリント練習のおかげだと担任の数学の先生に感謝しています。

読解力を課題とする生徒さんが少なからずいます。読解力は全ての勉強の基礎と言えます。方程式の応用問題が解けない大きな原因は読解力です。問題文を読み込むことができないので数式を立てられないのです。大学入試の英語長文問題を難しく感じるのは、英単語や文構造の難しさだけではなく読解力にも原因があります。読解力を養う方法として新聞のコラムを読むことをお勧めしています。最後まで読んで、筆者が伝えようとした内容を考えます。

「書き」に関しては国語の高校入試で出題される200字の作文が気になります。しかし、練習を重ねれば作文は必ず書けるようになります。中2・中3クラスでは時々作文練習をしています。最初は難しいのですが、皆さん少しずつ慣れていきます。作文が書けない人に対しては日記をつけることを勧めています。

英語に関しては、中1段階でbe動詞と一般動詞の違い、助動詞canの使い方がポイントです。英語の基礎に係わる大切な分野ですが、中2からの復習で十分カバーできると思います。以前、中2の冬に入塾した人がいて、be動詞と一般動詞の区別が怪しげでした。しかし、少し時間がかかったものの問題なく理解できるようになりました。小学校の時から英語を勉強しなければならないという必然性は全くないと思います。

英語については異論もあると思いますが、20年の学習塾経験から計算力と読解力の重要性を感じています。


(2018年 7月26日) 【中2クラス開講】 [▲ 先頭へ]

今週月曜日に中2クラスが開講しました。20年前にサミット・ゼミを始めた頃は中1クラスがありましたが、高3数学クラスを設定したこともあり、今は中2クラス以上の設定になっています。

中学2年はとても大切な学年です。英語では未来形、不定詞や接続詞等の重要分野を次々に学びます。金沢市立の中学が使っている英語の教科書には1学期に主語・動詞・目的語2つの構文(Show me your passport.)と主語・動詞・目的語・補語(People call it Big Ben.)の構文が出てきました。これらの構文は複雑でその理解は容易ではありません。数学では1学期に証明があります。奇数と奇数を足すと偶数になることを証明するような問題です。この証明を苦手にする人が少なからずいます。次には連立方程式の応用問題という関門が続きます。

中2の2学期からは、英語は助動詞、接続詞、動名詞、比較という大切な分野が続きます。数学では超重要分野である1次関数を学びます。そして秋からは三角形の合同の証明そして平行四辺形の証明が続きます。私は、中学数学で最も大切な分野は1次関数ではないかと考えています。1次関数は、中3の2乗に比例する関数、高1の2次関数、高2の微分・積分に続く基礎となる分野だからです。2年生で学ぶ内容が分からなければ、中学の英語、数学は分からないとまで言えるでしょう。

中2クラスでは、先ず1年の総復習を行っています。英数とも各分野のポイントをおさらいした上で、2年1学期で学んだ分野の復習を行う予定です。例年は英数とも手元にある説明付き問題集を使って復習します。しかし、今年は英語の理解度を上げる工夫をします。2年1学期の英語の復習には学校の教科書を使う予定です。上述の複雑な構文や不定詞をより分かり易く解説するためです。

月曜日の開講時に、覚えるものは覚え、考えることを実践しようと言いました。生徒の皆さんが8月末のそれぞれの学校の実力テストでどのような成果を出すかを楽しみにしながら授業を行っていきます。


(2018年 7月19日) 【為せば成る】 [▲ 先頭へ]

「為せば成る」は上杉鷹山の言葉としてあまりにも有名です。私の好きな英語の諺 ”Where there is a will, there is a way.”(意志あるところに道あり)に相当します。上杉鷹山は江戸時代中期、財政破綻寸前の米沢藩を再建しました。上杉鷹山が有名になったのは、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディが就任する時、最も尊敬する日本人政治家は誰かと日本人記者から聞かれて彼の名前を挙げたからと言われています。

先週、高3クラスの皆さんと個別に話す機会を作りました。先月初旬に受けた今年度初のマーク式模試の結果が戻ったからです。授業とは別に時間を取って一人30分程、志望校や各科目の勉強法、そして気持ちの持ち方について話し合いました。本日7/19がセンター試験まで丁度半年になります。夏休み直前に半年間の戦略を相談することができました。

高3クラス5人の皆さんは高いレベルの大学を狙っていますから合格判定には厳しいものがありました。早速志望校を変えようかと迷っている人もいました。しかし、それは違います。今の段階で変える必要は全くありません。限られているとはいえ時間は半年もあります。最終的にはセンター試験の結果を見てから決めれば良いので、今はアレコレ考えず悔いの残らない努力を継続するべきです。

大学受験では絶対この大学に入りたいという強い気持ち、情熱が一番大切です。情熱があり、正しい勉強法で努力を重ねれば成績は必ず伸びます。全ての基本は強い気持ちです。模試判定で合格可能性が20-40%のD判定で凹んでいるひとがいました。気持ちが凹んだまま机に向かっても効率的な勉強はできません。勉強はやればできます。為せば成るのです。

大学受験とはその学部・学科の勉強についていけるかどうかがチェックされるもの、と捉えて欲しいです。不合格であれば、その学部の勉強に相応しい学力レベルに達していなかったということです。素直に諦めるしかありません。そういう事態が許せないならただひたすら学力を上げる努力をすれば良いのです。凹んでいるヒマはありません。

苦手科目が全体の成績を押し下げている人がいました。苦手科目はセンター試験の成績に直結します。センター試験での総得点が伸びず志望大学の変更を迫られるのです。難関大学を狙っている場合、苦手科目の存在は致命傷になります。私の教室に備えてある勉強法の本を借りたり、本屋さんの学習参考書のコーナーへ行ったりすれば必要な対策はできるはずです。

「為せば成る」には続く言葉があります。「為さねば成らぬ何事も。成らぬは人の為さぬなりけり。」最後の「成らぬは人の為さぬなりけり」は重い言葉です。


(2018年 7月12日) 【気持ちを入れ直す】 [▲ 先頭へ]

毎年この時期に大学受験に向けて気持ちを新たにします。それは先月から今月にかけて重要な教材が発売されるからです。1つは今春の大学入試2次試験を掲載した問題集で、もう1つは大手予備校が出版するセンター試験対策としてのマーク式実戦問題集です。

国公立大学2次試験の問題集は英語と数学を購入します。授業で使うのは英語で、数学は生徒の皆さんの参考として教室に置きます。高3英語クラスではセンター試験対策としてのマーク式問題演習と2次試験過去問の長文問題演習を繰り返しています。20年の経験がありますから授業で使える2次試験の過去問は手元に豊富にありますが、毎年新たに数問を加えます。先ずは、問題の分野、難度、長さ、設問を考慮して15問程度を選びます。その内10問ほどを実際に解いてみて高3クラスの授業に相応しいかどうかを判断します。候補の問題の選別作業を丁度終えたところで、これから少しずつ実際に問題を解いていく予定です。

センター試験対策のマーク式実戦問題集も英語と数学を購入します。実戦問題集は大手予備校の昨年度のマーク式模試を掲載したものです。平均点が分かりますから、適度な難度の問題を選んで英語・数学各クラスで使います。平均点だけではなく標準偏差も掲載されているので、高3諸君の客観的実力である偏差値を算出することもできます。授業で使う前には必ず自分で解いてみます。自分で解くことにより高3の皆さんにとって参考となる設問や解説すべきポイントを把握します。

新しい2次試験問題やマーク式実戦問題を解く時は緊張します。後期おじさんの年代になりましたから自分の実力が下がっていないか非常に気になっています。新しい問題を解くのは学習塾を続ける資格があるか否かを試すチェックテストを受ける感じです。生徒の皆さんに時には厳しい指摘をすることもありますから、自分を甘やかす訳にはいきません。問題を解いて満足できる出来でなくなれば、それは塾を閉じる時だと覚悟しています。

先日、英語のマーク式実戦問題を1つ解きました。今年も高3の皆さんと一緒に頑張ろうと気合が入りました。センター試験まで残り半年余り、彼らと密度の濃い時間を過ごすつもりです。


(2018年 7月 5日) 【実践英会話】 [▲ 先頭へ]

昨年末から毎日NHK夜7時のニュースを録画するようになりました。授業が終わるのが22時で、帰宅して軽くビールを飲みながら録画したニュースを副音声の英語で聞いています。もう半年以上続けてきました。ビールを飲みながらですからかなりいい加減に聞いていますが、英語が日常の一部になったような気がします。

毎日英語を聞こうと思うようになったのは、昨年末以降2人の外国の方と出会ったからです。ひょんなことからアメリカ人、イギリス人と時々お話しするようになりました。彼らはほとんど日本語ができませんから英語で会話しています。会話をよりスムーズにするための耳慣らしとして、英語でニュースを聞くことにしました。

アメリカ人は医学系の研究者で、元生徒で県内に勤務する女医と一緒に会っています。彼女は外国に留学する可能性があるので英会話に興味を持っています。また、進学校のESSに所属する高1女子を連れて2人の外国人と会ったこともあります。彼女は中3の時の修学旅行で京都に行った時、蕎麦屋さんでアメリカ人4人組と話す機会があり英会話に興味を持つようになりました。(昨年5/4付け本欄でご紹介した通り、ちゃっかりアメリカの人たちにご馳走になったそうです。)

英会話ができるようになるには日本語がわからない外国人と友達になるのが最も効果的かもしれません。たまたま2人の外国人と友達になることができとてもラッキーでした。彼らとは今後も時々会う予定で、その際には上述の女医さんや高1女子だけではなく英会話に興味のある生徒諸君を連れて行くつもりです。大学入試改革で英語のリスニングやスピーキングテストの内容が明らかになった時、必要があれば彼らの協力を仰ごうと思っています。