塾長からの一言 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

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塾長からの一言

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星稜の入試問題 in 2023

今年の私立高校の入試は2月1日に実施されました。星稜高校は学習塾にとても配慮してくれる高校で、毎年、入試後直ぐに入試問題を送付してくれます。

大学入試が一段落して気持ちに余裕ができたので、英語と数学の問題を解いてみました。 英語は大問1の問題形式が大きく変わっていました。昨年までは発音・アクセントが出題されていましたが、今年はそれらの問題がなくなりました。昨年まで出題されていたのは、大学入試センター試験の第1問が発音・アクセントの問題だったからだと思います。大学入試を念頭に入れた良い問題でした。

2年前にセンター試験から共通テストに替わって、英語リーディングの問題は全て読解問題になり、発音・アクセントは出題されなくなりました。共通テストに替わった翌年の昨年2月の入試で同校が発音・アクセントを出題するかどうか非常に興味がありました。結果は、上述のように出題されました。「さすが、星稜!」と思いました。大学入試が変わろうとも英語の勉強において発音・アクセントは重要であるというメッセージのようでした。

そして今年、発音・アクセントは出題されなくなりました。この変化の裏には作問担当の先生方の間で議論があったと推察します。発音・アクセントの重要性よりも大学入試の流れを優先させるべきだという判断があったのでしょう。因みに、英語は大問1から大問5まで共通テストを意識した問題で、設問はよく工夫されていました。

数学は思考力を問う星稜らしい問題でした。数学でも大問3と大問5は共通テストの問題形式に沿ったものでした。数学の難度が気になりましたが、英語も数学も共通テストを意識した良問でした。

NHK英語ラジオ講座 in 2023

中学クラスの皆さんにはNHKの英語ラジオ講座を聴いてもらっています。石川県の公立高校入試の英語大問1はリスニングで配点は30点です。ラジオ講座を聴き続ければ、入試や模試のリスニングでのミスはほぼなくなります。

新年度の英語番組は今年度と同じです。中学生向けは「中学生の基礎英語 レベル1」と「中学生の基礎英語 レベル2」です。前者は中学1-2年レベルで、後者は中学2-3年レベルです。新中3クラスの皆さんには「レベル2」、新中2クラスの皆さんには「レベル1」を聴くように言いました。二つの番組の違いは文法です。「レベル1」は中学2年前半までに習う文法を扱い、「レベル2」はそれ以降に習う文法が対象です。英語が得意な新中2生にとっては「レベル1」より「レベル2」の方が良さそうですが、内容が難しいかもしれません。

以前の中学生向けラジオ番組の構成は「基礎英語1」「基礎英語2」「基礎英語3」でした。この構成は中学3学年にピッタリ合っていました。NHKが何故3番組構成を現行の2番組構成に変えたのか理解に苦しむところです。今年度の2番組構成が3番組構成に戻ることを期待していましたが叶いませんでした。

上述のようにラジオ講座で学ぶ文法が学年とミスマッチになる場合があることは残念ですが、継続的に英語を聴くことは非常に大切です。「英語は習うより慣れろ」と言われますから、月曜から金曜までの週5回ラジオを聴くことの効果はかなり大きいと思います。生徒の皆さんには、入試や定期テストのリスニング対策のためだけではなく、将来の英語でのコミュニケーションのために聞き続けるよう話しています。

公立高校入試 in 2023

昨日(3/15)合格発表があった公立高校入試は先週火曜日・水曜日(3/7, 8)に実施されました。例年通り、直ぐに英語と数学の問題を解いてみました。

英語は、大問4問構成は変わりませんでしたが、大問2の問題形式が大きく変わりました。昨年までの穴埋め問題から英単語の並び替えと短い英作文に替わりました。並び替え問題は穴埋め問題の前に出題されていた形式です。大学入試センター試験から共通テストへの変更で並び替え問題がなくなったという流れに逆行する形式変更で意外な感じがしました。

大問3、大問4はそれぞれ英文資料に基づく会話文、二つのグラフに基づく長文で形式変更はありませんでした。従来通りかなりの英文量で速読ができなければ50分で解き終えることは難しいと思います。昨年の英語の平均点は39.9点で、その前は50点割れが3年続きました。大量の英文量からすると平均点は従来の流れが続きそうです。並び替えでは文法力が問われるので、文法力が得点に少なからず影響したと思われます。

数学は石川県の公立高校入試らしい難しい問題でした。関数、空間図形、平面図形の問題の小問(3)は手強い問題でした。連立方程式の応用問題もヒネリが加えられていました。高得点を狙った受験生は苦しんだことでしょう。得点できる問題で確実に得点を積み重ねることが要求されました。数学の平均点は50点割れが4年続いています。今年もおそらくこの流れが続くでしょう。

今年の入試を受けて中3クラスの授業を進めます。本年2/16付け本欄で述べた通り、英語は既に速読練習を開始しました。50分の制限時間でしっかり問題を解き終えることができるよう着実に練習を重ねる予定です。並び替え問題については、同様の問題が出題されていた模試過去問が使えるので全く心配していません。

数学は各分野の基本を固めた上で難問にも挑戦するつもりです。難問にじっくりと向き合うことは高校数学にもつながります。数学は失敗し易い科目なので、自分が目標とする点数を確実に取る総合問題練習を重ねる予定です。難しさに萎縮しないようなメンタルケアも必要だと考えています。

分かったつもり

「分かったつもりにさせない 本質を伝える指導」 これは駿台予備学校のインターネット広告のキャッチコピーです。見た瞬間、良いコピーだと思いました。「分かったつもり」は要注意です。該当のことの理解や記憶が微妙で、次に同じような問題が出されたときに解くことはできません。ましてや応用性もありません。教える立場の者として気をつけなければならない大切なポイントです。

授業をしていて生徒の皆さんが本当に分かっているのか、分かったつもりになっているだけなのかを見抜くのは非常に難しいです。彼らの表情だけでは判別できません。本当に分かっているのかどうかをチェックするにはテストで調べるしかないでしょう。これでは手間取ってしまいます。

分かったつもりのレベルに留めない授業をすることが大切です。その意味で、駿台予備学校は「本質を伝える指導」というコピーを付け加えたのでしょう。しかし、それでも足りていないと思います。さらに、本質の伝え方が重要です。生徒の皆さんが該当の事項を完璧に消化してくれるような工夫や配慮が必要になると思います。教師の力量が問われます。

駿台予備学校の広告コピーは良い刺激になりました。少人数制のメリットを生かして、生徒の皆さんの表情を観察しながら、授業の分かり易さを追求していくつもりです。

自由英作文強化

既に授業が終了している今年度の高3英語クラスでは自由英作文練習を強化しました。テーマにもよりますが、大学入試問題としてはかなりの難問です。そう簡単には書けるようにはならないので、今年度は例年よりも早く、高2後半から練習を始めました。通常の和文英訳と交互に練習して、全部で23回練習しました。

自由英作文が難しいのは幾つかの要因があります。先ずは、設問のテーマです。低い食料自給率の問題点二つ(金沢大2022年)、5Gによる生活の変化(名古屋工業大2021年)、文系と理系を分けることについて(九州大2020年)などは日本語の小論文としても難しい問題です。次に、テーマに答えるためのシナリオです。採点者にアピールできるように論理を構成するのは相当難しいです。そして、そのシナリオを英語にしなければなりません。やはり難しいです!

練習開始を早めたので、生徒の皆さんはだんだん慣れてきました。しかし、昨年の初冬の頃、出来具合が悪くなりました。テーマを難しくしていったからです。制限字数(80語から120語程度)で英文は出来上がるものの、設問のテーマに答えていない答案が増えてきました。英語が出来る人たちが陥りやすいポイントです。英文としてはまとまっていても設問のテーマに答えていなければ得点できません。共通テストの後は、自由英作文の練習の比重を大きくしました。設問のテーマをしっかり見据えることを徹底しました。

大学入試の問題として自由英作文はとても優れていると思います。受験生の思考力と表現力を測ることができます。受験生にとっては大変ですが、テーマに対して深く考えて、それを自分の言葉で表現することは社会人としての活躍につながります。