塾長からの一言 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

サミット・ゼミ
Summit Seminar

塾長からの一言

Principal's blog
News

異文化へのリスペクト


異文化へのリスペクト
アメリカでのテレビ界最高の栄誉であるエミー賞の各賞を、真田広之さんが主演する「SHOGUN 将軍」が受賞しました。アメリカでは東洋的なものはステレオタイプ化された描かれ方がされる傾向が強いそうですが、真田さんは日本人が母語で演じる重要性を訴えて受け入れられました。台詞の約7割が日本語とのこと。日本経済新聞のコラム「春秋」(9/17)は、アメリカドラマが日本語を受け入れた点について「異文化へのリスペクト」と表しました。

「異文化へのリスペクト」という言葉でピンときたことがあります。大学入試でセンター試験から共通テストに替わった時に発音・アクセント問題がなくなったことです。センター試験の第1問は発音・アクセントでしたが(200点満点中の14点)、共通テストは全て読解問題になりました。当時、大学入試で英語の4技能を問う流れになっていました。4技能の内のスピーキングがあるから発音・アクセントが出題されなくなると説明されました。しかし、4技能を問う入試は実現しませんでした。発音・アクセント問題を無くす根拠が崩れたものの、共通テストで復活しませんでした。

全く筋が通らない入試改革だったと思います。4技能入試を断念するなら、共通テストに発音・アクセント問題を復活させるべきでした。因みに、4技能にライティングがあるからという理由で出題されなくなった文法・語法も共通テストで復活しませんでした。大学入試の1次試験である共通テストで発音・アクセント問題が出題されなければ、高校生は英単語の発音・アクセントを学ぼうとするでしょうか。高校で発音・アクセントを教える先生はいらっしゃるでしょうか。

サミット・ゼミ高校英語クラスの授業は宿題形式の単語チェックから始まります。私は発音・アクセントにも気をつけています。(発音記号の発音の仕方も教えています。) 大学入試において単語を覚えることの重要性は言うまでもありません。どうせ単語を覚えるのですから、発音記号にも注意をすれば良いだけのことです。因みに、ある程度の語数の英単語を発音記号を意識して覚えれば、初めての単語でもほぼ正確に発音できるようになります。

私自身は高校時代、NHKのラジオ講座で発音・アクセントを学びました。そのおかげで、私が話す英語はネイティブではありませんが、発音・アクセントそしてイントネーションはほぼ正確です。ビジネスマン時代に海外の取引先から必ず褒められました。日本人は一般的に発音・アクセントが下手ですから評価されたのです。それが仕事に好影響を与えたことはもちろんです。英単語の発音・アクセントに注意することは、英語圏という異文化に対するリスペクトだと思います。

予想気温チェック

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。冬の寒さは春分頃まで、夏の暑さは秋分頃までには和らぐという意味ですが、今年はまさにその言葉通りです。次の日曜日(9/22)が秋分の日で、丁度その日から気温が下がりそうです。週間天気では、日曜日から最高気温30度、最低気温25度を下回る予報になっています。

今は高校生だけではなく中学生も普通に携帯電話を持っていますから、普段から高3の大学受験生、中3の高校受験生の皆さんには翌日の最高気温、最低気温をチェックするように話しています。携帯電話があれば簡単に調べることができます。

週間天気予報で今週末に気温が下がることを確認して、各クラスで翌日の予想気温を必ずチェックするように指示しました。特に、予想最低気温に気をつけるように言いました。明け方に寒ければ風邪をひく可能性が大きくなります。寒くなることが分かっていれば毛布をかけたり、厚手の布団にしたりして風邪を予防することができます。

次の日曜日や月曜日の明け方は20度程度まで気温が下がりそうです。風邪をひいてしまう人がいるかもしれません。風邪をひかないように注意することは実力の一つだと思います。

女性活躍、はて?

日本経済新聞には土曜日に別冊「NIKKEI プラス1」があり、その1面は「何でもランキング」です。先週土曜日(9/7)のランキングのタイトルは『「はて? 女性活躍進めた出来事』でした。1945年の婦人参政権、1985年の男女雇用機会均等法制定などがランキングに入っていました。帝国大学に始めて女性が入ったのは1913年だったそうです。因みに、「はて?」は、日本で初めて法曹界に飛び込んだ女性を描いたNHK朝ドラ「虎に翼」の主人公の口癖です。

私は常々「女性活躍」という言葉に違和感を持っています。何故そんな当たり前のことをわざわざ言わなければならないのでしょうか。しかし、以前は男女雇用機会均等法を制定しなければならないくらいに女性が男性に対して差別されていたということです。私が大学を卒業して日産自動車に入社したのは、その法律が制定される6年前です。お茶入れ、コピーは女性の当然の仕事と思われていました。

私の肌感覚としては、今はもう死語になっている「男尊女卑」的な感覚を持っているのは60代以上の年齢層の人たちで、50代以下の人たちは「女性活躍」は当たり前と感じているのではないでしょうか。男女雇用機会均等法が制定された年に社会人になった人たちは今60代前半です。

今の中高生を見ていると、明らかに女性の方が元気です。女子が生徒会長や応援団の団長になることがよくあります。私が中高生の頃は考えられなかったことです。積極的な女子が少なくない一方、男子は消極的で自分の意見をはっきり言えない傾向があります。「草食系男子」という言葉があります。恋愛や出世にガツガツしない、おっとりした男性のことで20代~30代前半に多いそうです。

今から10年後くらいには、草食系男子が組織のリーダーとなる年代に入ります。しかし、消極的で内向的な男性が組織を率いることをできるでしょうか。積極的、社交的で元気な女性が組織をまとめる役割を担うことになると思います。中高生を見ている限り、男子より女子が積極的である傾向は続いています。むしろその傾向は強まっています。20年後、30年後には、現在とは逆に「男性活躍」という用語が使われることになると予想しています。

恩師への質問

高校1、2年時に通った理数科(北海道釧路湖陵高校)のミニクラス会に参加するため札幌へ行ってきました。良い機会だったので中3時の担任だった今田先生にお会いしました。今田先生は2012年6月28日付け本欄でご紹介したことがあります。私が生徒の皆さんと接する際の模範とさせて頂いている先生です。先生は釧路の中学校で教えた後、釧路、札幌の各高校の先生をされて、今は札幌にお住まいです。84歳とご高齢ですが、お元気そうな姿で待ち合わせのホテルロビーに来られました。以前のクラス会で札幌へ行った時にお会いした以来で、10年振りにお話しすることができました。

私には先生にお聞きしたいことがありました。誰でも努力すれば学力を伸ばすことができるか否かということです。先生の答えは非常に現実的なものでした。そのように思いたいが、誰でも学力が伸びるとは限らないと話されました。男子ゴルフにおける松山英樹のような才能が勉強においても必要であるとのことでした。そして、かなりの努力をしたものの成績が伸びなかったある中学生のケースを紹介して下さいました。

私は、真摯に努力すれば誰でも学力が伸びると信じているので、食い下がりました。上述の中学生の場合は努力の方法が誤っていると指摘しましたが、先生の見解は変わりませんでした。約40年間も中高生に教えてこられた経験をお持ちですから、先生の言葉には重みがありました。

金沢に戻って先生との会話を振り返った時、学校の先生と私との立ち位置の違いがポイントになるのではないかと考えました。学校の先生は一クラスの生徒数が多いので、特別な場合を除いては、生徒とのつながりはそれほど強くはないでしょう。努力するように主体的、積極的に働きかけても、生徒の人数が多いため、先生の影響力には限りがあると想像します。

サミット・ゼミは一クラス6名までの少人数制で、生徒さん一人一人とのつながりは強いです。それを嫌う人もいるでしょうが、私は、せっかくのご縁で一緒に勉強することになるので、勉強の必要性や勉強の具体的方法を説いた上でしっかり導きたいと考えています。過去26年間ほとんどの生徒さんの成績が伸びました。私の経験からすれば、勉強における才能があるとすれば、それは努力することです。本欄をお読み頂いている皆さんはどのようにお考えでしょうか。