塾長からの一言 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

サミット・ゼミ
Summit Seminar

塾長からの一言

Principal's blog
News

東京都立高校の入試問題

今月、公立高校入試が終わった週末に、所用で東京へ行ってきました。空いた時間があったので新宿の紀伊國屋書店に寄りました。1階から8階まで本が並んでいる日本最大級の本屋さんです。学習参考書コーナーも充実しているので、東京へ行く際はよく訪れて高校生向け参考書をチェックします。今回は高校生向け参考書をざっと見た後、高校入試問題が並んでいるコーナーへ行きました。

公立高校入試が終わったというタイミングだったので、いつもは行かないそのコーナーに自然に足が向きました。東京都立高校の入試問題はウォッチしなさいという神のお告げがあったようでした。都立高校入試には共通問題と自校作成問題があり、一部の高校は国語・数学・英語の独自問題を作成します。一部の高校とは日比谷、西のような進学指導重点校と呼ばれる難関校です。今回は英語の入試問題を細かくチェックしました。

都立高校の共通問題は石川県の公立高校入試の問題と比べて難度は同じくらいだと感じました。驚いたのは自校作成問題です。日比谷高校と西高校の問題をチェックしたところ、共通問題に比べて格段と難しかったです。例えば、日比谷高校の去年の入試問題は大問2の会話文、大問3の長文の問題文がかなり長く、石川県の会話文や長文の約1.5倍の長さでした。また大問4は資料から自分の意見を50語以上の英語で述べる問題で、大学入試に出題される形式の自由英作文でした。石川県の公立高校入試に比べると相当難しいです。(大問1のリスニングは共通問題と同じ。)

日比谷高校や西高校の英語入試問題を見た時、当地とのレベルの差に率直に危機感を持ちました。しかし、慌てることはないと思い直しました。中学英語を完璧にして高校に進み、高校で高校の勉強を頑張れば、大学入試で日比谷高校や西高校の生徒に負けることはないだろうと思います。サミット・ゼミの進学実績からも断言することができます。

難関の都立高校を意識すると、当地の公立高校入試の問題がまあまあ出来るというレベルより高いレベルを目指さなければなりません。入試問題を難なく解けるというレベルです。速読をマスターして大量の英文を速く読めるようにした上で、レベルアップのカギはズバリ英作文だと考えています。石川県の公立高校入試の最後の小問は「4文以上のまとまりのある英文」で配点は8点です。日比谷高校の入試でも大問4は50語以上の自由英作文です。

先週ご紹介した通り、公立高校入試合格者の英語の成績は4名の内、情報が分かっている3名は80点以上でした。この一年間の彼らのパフォーマンスを振り返ると、速読ができるようになり得点が安定してきました。しかし、最終的に、上述の配点8点の英作が課題になりました。4文以上のまとまりのある英文は難しかったです。最終的にこの8点はできなくても良いという「おまけ」にしました。得点しなければならないという生徒の皆さんのプレッシャーを取り除く作戦でした。

新中3クラスでは、今春「おまけ」だった英作文で得点できるように導いていくつもりです。そのための具体的な授業内容は頭の中に描けています。なお、速読練習は既に開始しています。新中3の皆さんが一年間でどこまで伸びるかとても楽しみです。サミット・ゼミの中3クラスの英語は新年度に進化します!

高校入試結果を受けて

先週木曜日(3/14)に公立高校入試の合格発表がありました。サミット・ゼミの4名は全員が合格できましたが、今年は今までで一番心配していました。2/4に行われた石川県総合模試・最終回の結果が芳しくなかったからです。模試によって成績が変動していた生徒さんもいて、本当に祈るような気持で3/14正午を待っていました。万が一の場合は東尋坊へ行くことになるかもしれないと半分覚悟していました。

北國新聞会館前で全員の合格を確認した時は心底ホッとしました。4名の皆さんはよく頑張りました。本日(3/21)の時点で3名から入試の得点を教えてもらっています。それを見ると合格に相応しい得点の仕方でした。

先ずは、英語でしっかり得点できていました。3名とも80点以上で、90点の生徒さんもいました。模試でも高得点を取っていましたが、その実力がそのまま発揮されました。英語が得意であれば入試に強いと改めて思いました。あるレベルを越えれば得点の信頼度が非常に高い科目です。

次は数学です。一番怖かった科目です。数学はテストで失敗し易い科目です。先週の本欄で述べた通り、今年の入試問題では第2問の小問2の面倒な問題への対処がポイントだと思っていました。パニックに陥る原因になりうる小問でしたが、話を聞けた二人はその小問をパスしたそうです。これは50分練習の成果です。数学は3名とも80点前後の得点で、無難に乗り切りました。

英語は速読ができるようになり、焦ることなく50分の問題を解けるようになっていました。数学は難問、時間がかかりそうな問題はパスして自分の目標点を確保する練習を繰り返しました。結果的には、この一年間練習してきたことの成果が出たことになります。入試本番の緊張した雰囲気の中で練習の成果を出した生徒の皆さんは立派でした。

何故あれだけ心配したのか、今は笑ってしまいます。元々心配性の上、日産自動車の法規部時代に、常に最悪の事態を想定して仕事をしていましたから、その考え方が今も残っているようです。今回は本当に心配したので、寿命が1週間ほど縮まったかもしれません。

公立高校入試 in 2024

本日合格発表があった石川県の公立高校入試は先週水曜日・木曜日(3/6, 7)に学力テストが実施されました。例年同様、試験翌日に新聞掲載された英語と数学の問題を解いてみました。

英語は昨年と同じ大問構成と問題形式でした。昨年、大問2の問題形式が変わったので、今年は変更がなかったのでしょう。英文資料に基づく会話文の大問3と二つのグラフに基づく長文の大問4は昨年同様かなりの英文量でした。

英語の問題は3/7日の北國新聞14面全面に掲載されました。その面全体を俯瞰して見ると、とても良い問題であると感じました。大問1のリスニング、大問2の英単語並び替え、そして上述の2問の英文読解問題の4問構成です。英文の読み取りだけではなく、リスニングはもちろん文法力そして作文力も問われているので非常にバランスが取れています。

数学も問題構成は昨年同様でした。数学は力のある人でも失敗することがよくあるので、入試において最も重要な科目と言えるかもしれません。試験前半の問題でつまずくと冷静さを失いパニックに陥る可能性があります。解くのに時間がかかりそうだと判断して次の問題に移れれば良いのですが、プレッシャーがかかった入試本番ではその判断は容易ではありません。

今年は第2問が大きなポイントだったと思います。データ分析の問題で、小問2が思考力と判断力を要求する難問でした。この問題への対応が数学の得点に大きく影響したと思われます。問題全体としては、易しい問題、標準的な問題、思考力を要求する難問が上手く組み合わされていると感じました。数学の平均点は過去5年間、50点割れが続いています。今年はどうなるでしょうか。

今年の入試を受けて新中3クラスの授業方針を考えました。英語は従来通りで、文法を固めた上で速度練習を強化します。大量の英文でも速読して、余裕を持って英作文に取り組めるようにするつもりです。数学は入試で出題されるような難問に対する思考力をより磨かなければならないと考えています。また50分の使い方の練習を強化するつもりです。

金沢情報2/28号・学習塾特集 その3

今週は先週の続きです。生徒の皆さんのやる気を引き出すことはなかなか難しいです。しかし、これは学習塾にとって大切な責務の一つです。日本が豊かになり、多くの子供たちはそんなに頑張らなくても生活できるだろうと思っています。うちの子には欲がないとおっしゃるご父兄が少なからずいらっしゃいます。

何とか生きていけるだろうと漫然と思っている子供たちに、将来の給料は少なくても良いのかと聞くと、それは嫌だと言います。そこがポイントです。給料をたくさんもらうためにどうすべきかを話します。彼らが納得できるように話せば勉強の必要性を理解してくれます。私は実例を話します。例えば、スギ薬局とクスリのアオキの闘いです。彼らにとってドラックストアは身近な存在なので、厳しい競争社会でアイデアを出すことの大切さ、即ち勉強の大切さを理解してくれます。

進路や将来に対するコーチングはサミット・ゼミの大きな強みです。私の社会人経験と塾長経験が生きます。高校生が進路を考える時、医師や弁護士志望の場合はそれぞれ医学部、法学部と明確です。しかし、そうではない場合の判断は易しくはありません。その時、生徒さんとしっかり対話します。希望を聞き、適性を考慮した上で、幾つかのオプションを提示することが極めて重要だと思っています。高校は理数科に入り、大学は法学部に進みましたから文系、理系両方のことが分かります。私はビジネス社会と学校での勉強の架け橋的な役割を果たしたいと考えています。

金沢情報2/28号の「生徒の声」にメッセージをくれた早稲田大学・法学部出身のR.Fさんはもうすぐ社会人5年目を迎えます。今年2月1日付け本欄で述べましたTOEIC935点を取った教え子が彼です。彼だけではなく、社会人になった数多くの教え子と連絡を取っています。私自身のビジネス経験は平坦ではなく良いこともそうではない辛いことも多々ありました。教え子たちには私の経験を参考にして欲しいと願っています。

私自身、進路の選択に関しては悔いが残っています。高3の夏のことでした。頭の中は理系でしたが、政治家になりたいと思い法学部を目指しました。しかし、法学部の勉強は全く面白くなく、工学部で都市計画の講義を聞きました。今から思えば軽率な学部選びでした。もし、高校時代にミスター半導体と呼ばれる東北大学の西澤潤一教授(2018年に92歳で死去)のことを聞いていれば、その道に進んだかもしれません。選択肢を知らなかったのです。

高校時代に親や学校の先生と進路についてしっかり話した記憶はありません。情報収集しなかった自分が悪いのですが、非常に悔やまれます。大学卒業後は日産自動車の海外法務・輸出や貿易商社での輸入などの仕事をしました。どの舞台でも頑張って仕事をしました。仲の良い高校、大学の友人たちは医師、大学教授、ビジネス界のリーダーとして活躍しているので、学習塾を始めても世の中に対するアンテナは高くしてきました。それらの経験や交友は学習塾の仕事には直接役立ってはいないものの、生徒の皆さんへ然るべき情報を提供するベースになっています。

オジサンを過ぎる年齢になってしまいましたが、ほぼ二日に一回の約5kmのジョギングはずっと継続しています。気力が続く限りは健康に留意し、社会へのアンテナを高くし続けながら中高生の皆さんを力強くサポートしたいと思っています。(「サポート」です。人間は平等だと考えているので、上から目線の「指導」という言葉は大嫌いです。) どうぞよろしくお願い申し上げます。