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塾長からの一言

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私立大学も立派な選択肢

アクタス6月号に高校別の大学合格者数を伝える特集記事が載っています。その特集では、先ず高校別の国公立大学合格者数を伝えています。1位は昨年同様、泉丘高校で、2位は昨年4位だった桜丘高校、3位は昨年と同数ながらも昨年2位の二水高校でした。昨年3位の小松高校は今春4位になりました。昨年よりも41人増えて276人になり、260人の二水高校を超えた桜丘高校の先生方の喜びは大きかったことでしょう。

大学受験に関して、当地の高校の先生方には何が何でも国公立大学という風潮があります。高3生に私立大学受験のことを一切話さない先生もいます。学費を考えると国公立大学優先になることは当然ですが、素晴らしい私立大学はたくさんあります。高校の先生方が何故国公立大学にこだわるのか非常に疑問です。例えば、皇室の佳子内親王が卒業されたICU(国際基督教大学)の素晴らしさを理解できている先生方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。

以前、桜丘高校に通う生徒さんが進路で苦しんだことがありました。高2後半のことです。ご両親と相談してある私立大学を志望校にしたところ、先生に反対され金沢大学を目指すように言われました。その私立大学は簡単に合格できる大学ではありません。学校の先生が学費を出すわけでもないのに何故私立大学を認めないのか理解できませんでした。先生とのバトルが続いた後、結局、彼女は最初に決めた私立大学に進学しました。高3の一年間は辛かったと思います。

昨春、立命館大学に進んだ教え子がいます。彼には将来やりたいことがあり、その勉強をするには優れた指導者のいる立命館大学か大阪公立大学が良いとのことでした。立命館大に合格した時点で大阪公立大の受験を止めるかなと思いましたが、予定通り2/25に受験して見事合格しました。そして、より良い研究環境を求めて立命館大を選びました。尊敬に値する見事な選択でした。

因みに、私が就職した日産自動車(法規部・アジア大洋州営業部・海外広報部)で私の周りにいた人達の出身大学を思い起こすと、早稲田大、慶応大、上智大、立教大、ICUという私立大学がほとんどでした。研究開発部門では状況は異なると思いますが、東京の大企業の営業・事務部門では私立大出身者が多いと思います。

中2、中間テスト英語が難しい!

今週から来週にかけて各中学で一学期中間テストが行われています。中2クラスでも英語、数学のテスト対策に追われています。サミット・ゼミ中学クラスでは、英語の定期テスト対策として教科書の試験範囲をしっかり復習します。各単元の文法を学ぶ基本文だけではなく、教科書本文の重要表現も解説します。それらをまとめたオリジナルプリントもありますから、テスト対策はかなり手厚いです!

2001年度から教科書が変わりました。英語は中学で学ぶ単語数がかなり増え、文法も難しくなりました。金沢市立の中学が使っているNew Horizon 2ではUnit 1で未来形と5文型を学びます。学年が上がったばかりの中2生にとって、willとbe going toの未来形だけではなく、5文型という非常に難しい分野が試験範囲になります。

5文型の基本文は”I will show you the Merlion.”(私はあなたにマーライオンを見せます。)と”People call it the Singapore Flyer.”(人々はそれをシンガポールフライヤーと呼びます。)です。前者は主語・動詞・目的語・目的語(SVOO)、後者は主語・動詞・目的語・補語(SVOC)の構文です。英語には文型が5つあり、これらは第4文型、第5文型と呼ばれる複雑な構文です。中2の最初にこれらの複雑な構文を学ぶのですから、新しい教科書を初めて見た時はビックリしました。しかも、教科書でS, V, O, Cという用語を使っています。

中1の段階でbe動詞と一般動詞の区別が明確になっていない生徒が少なからずいます。”He is kind.”(SVC)や”I play tennis.”(SVO)のような構文です。今までは動詞(V)の後ろに言葉が1つ(補語Cか目的語O)だったのが、Unit 1では動詞の後ろに言葉が2つ(OOかOC)になるのですから大変です。英語が分かるためには5文型の理解は必須です。中2の皆さんにとって踏ん張りどころです。

勉強の基本

今週は各高校で、来週から再来週にかけては各中学で1学期中学テストが予定されています。ゼミの授業もテスト対策の内容になっています。

中高生の勉強の基本は、学校の授業をしっかり聞き、定期テストの勉強をきっちりすることです。本欄で何回も述べている通りです。この世の中に「絶対」ということはあまりありません。しかし、勉強の場合、この基本を守れば「絶対に」成績は上がります。言葉を換えれば、真面目に努力を積み重ねることができるかどうかです。

大学受験を終えた人達に対するアンケート調査には「悔いが残るもの」という項目があります。この質問に対して、定期テストをもっと大切にすれば良かったという回答が多くあります。一つ紹介します。「定期テストの時点で分からないところをつぶさずに放っておいたので、受験期に勉強し直さなければならないことがありました。習ったその日に復習し、最低でも定期テストまでに自分のものにしないと後から本当に後悔します。」

私自身の経験でも、東大に合格できたのは、浪人時代に英語が本当に分かるようになったことも大きいのですが(この勉強法を高校クラスで伝授しています)、中間テスト・期末テストで手抜きなく勉強していたことが最大の原因だと思います。浪人して河合塾の授業を聞きながら、一つ一つの勉強の内容がジグソーパズルのピースのように上手く組み合わされていくのを感じました。

サミット・ゼミ25年半の経験から言うと、高校生が必要な予習・復習をしながら学校の授業についていき、定期テストの勉強をきっちりすれば金沢大学水準以上の大学に合格できると断言できます。中学生の場合は、5教科で400点以上は取れるはずです。頭が良いから成績が良いのではありません。当たり前のことを手抜きしないで当たり前に実行することが非常に重要です。

ある就活の話

中3の皆さんが修学旅行に出かけた先々週、私は東京へ遊びに行きました。当ゼミの年中行事の一つです。以前は2泊でしたが、近年は3泊しています。大学進学や就職で東京に住んでいる教え子が多くなったからです。今回は大学や高校の友人、教え子達と会う充実の旅でした。今回の東京旅行の目的の一つは早稲田大学4年のNさんと話すことでした。Nさんは中2から高3まで通ってくれた女子です。卒業の時に贈ってくれたシャツを着てJR有楽町駅で待ち合せました。

話題は何といっても就活でした。近年は採用する企業側よりも就職する大学生側の立場が強い売り手市場と言われています。しかし、人気企業へは学生が集中するので、有名大学、難関大学の学生でも就職は決して楽ではありません。Nさんはどうかなぁ~と心配していましたが杞憂でした。既に内定を幾つかもらっていて、どれも素晴らしい会社でした。就活の話というより、どの会社がより良いかという話になりました。こうなると私のビジネス感覚が生きます。

非常に残念だったことはNさんの就活対象に石川の企業が含まれていなかったことです。何故石川の会社を就職先候補にしなかったのか尋ねました。大学の友人たちは皆、東京の企業を考えているので、自分もそうなったという答えでした。ごく自然な考えです。大都市、特に東京の大学に進学した人は東京で就職する傾向が強いです。東京の大学で学んで石川で就職した教え子もいますがごく僅かです。

先月11日付け本欄『女性「Uターンない」』で述べた通り、石川県はUIターンを促進する取組みをしています。しかし、東京の大学で学ぶNさん達はその取組みを知りません。彼ら彼女らは石川にも東京株式市場のメインマーケットであるプライム市場に上場している会社が多数存在していることを知らないのです。

最近は東京一極集中がまた進んでいると言われています。Nさんや他の教え子達のことを考えると確かにそうです。これでは地方が中央への人材供給基地であった明治時代と同じです。地方は帰省先で自然や食を求めて旅をする場所という位置づけだけで良いのかと複雑な思いを抱いて金沢に戻ってきました。

狙い通り

今年3月6日・7日に行われた公立高校入試の平均点が分かりました。英語48.0点、数学51.1点、国語67.2点、理科52.0点、社会41.1点、合計259点でした。過去10年間の合計点の平均は249.8点でしたから、全体としてはやや易しめだったと言えます。

英語は4年間50点割れが続いた後、去年は50.2点に上がりましたが、また50点を割り込みました。数学は50点割れが5年間続いていました。50点台になったとはいえ易しい入試ではありません。問題は社会です。40点台が2年続いた後、一昨年は39.9点、去年が41.9点でした。今年の41.1点で、3年連続で40点前後になりました。難しさの原因は記述式問題です。思考力を問う良問ですが、中3生が解く難度ではありません。就職試験に出ても良いくらいの難度です。受験生が可哀そうだと思います。

私は英語の平均点に注目していました。今年受験した4名の平均点が86.25点だったからです。48.0点という平均点を知ってとても嬉しかったです。本欄で何回か述べた通り、昨年度の中3クラスでは速読練習をかなり強化しました。その練習の成果は模試で表れていましたが、入試本番で練習の正しさと効果が証明されました。英語が得意ではなかった生徒さんもいましたから、彼らの頑張りを素直に評価しています。今年度の中3クラスも昨年同様の取組みで生徒の皆さんを鍛えるつもりです。

4名の数学の平均点は76.25点でした。4名とも大問2のパスすべき面倒な問題をパスしました。そのおかげで50分の制限時間を上手く使うことができたようです。これも練習の成果です。数学は、得意な人でも時間配分を間違えて失敗する可能性があります。自分の目標点を獲得する練習を重ねる必要性を改めて感じました。

ところで、入試の平均点は4月23日の教育委員会会議で報告されました。その日に報告されることは今月初めに教育委員会のホームページ上で公表されていました。しかし、実際にホームページ上で確認できたのは1週間後の4月30日でした。のんびりした業務処理であり、民間企業では考えられない仕事の遅さです。