塾長からの一言 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

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塾長からの一言

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19浪で合格

今週日曜日(8/25)、Yahooニュースで「えっ?」と思う記事が目に入りました。記事のタイトルは「19浪で九州大学に合格。共通一次とセンター試験受け続けて20年、心病まずに挑戦し続けられた理由。」でした。私自身は一年の浪人経験がありますが、19浪は想像を超えた世界です。10年を超える浪人の場合、途中でどこかの大学に入ったり会社で働いたりしながら受験勉強をすることが多いそうですが、山田さんは、進学も就職もせず、アルバイトで生計を立てながら共通一次とセンター試験を20年間受け続けて、純粋に19浪して九州大学に入りました。

鹿児島市出身の山田さんは中2の時に塾に通い始めてから成績が伸び始め、地元の進学校に進み、鹿児島大学を受験しますが不合格になります。お兄さんが住む東京で浪人生活を始めるものの、都会の華やかさに流されて浪人生活が長引くことになります。浪人が長くなれば上の大学を目指そうと2浪目からは東大を受験し続けました。2浪目からの生活費は自分で工面しました。

長い浪人生活を続けられたのはマイペースでのんびり屋の性格のためだそうです。その山田さんの浪人は19浪目で終わりました。2004年に受けたセンター試験では自己最高の770/900点でした。前期日程の東大は不合格でしたが、病気になった母親のことを考えて後期で九州大学を受験して合格しました。「ようやく区切りがついたか」という感じだったそうです。

山田さんは大学に落ち続けた理由を「勉強が足りなかった」と振り返っています。大学卒業後はずっと学習塾で講師をやり、今も教育関係の仕事に就いています。山田さんは子供たちに「どんなに失敗しても、自分次第で再び立ち上がることができる」と教えているそうです。この教えにはかなり深いものがあります。孔子、ノーベル平和賞のネルソン・マンデラを始めとする多くの方々が同じ言葉を説いています。

ホームページ改訂 その2

先週の本欄で、ホームページ改訂に際して、社会人になった教え子の皆さんからのアドバイスのページを新設することをご案内しました。このアイデアには背景があります。

最初のきっかけは日本経済新聞社が東京都内で開催している高校生対象のイベントです。「日経エデュケーションチャレンジ」というイベントで、各企業の社員が講師となって、働く現場の第一線の様子や講師自身の社会経験を語り、講義終了後は参加者と講師が交流できる場です。就職・進学などの大きな選択を迫られる高校生を対象にした素晴らしい企画です。この企画は2001年に始まり、今も続いています。

サミット・ゼミは1998年10月17日開校ですから、3年後に始まりました。そのイベントは毎年夏休みに開催され、夏が近づいてくると日本経済新聞で告知されました。私は羨ましくて仕方ありませんでした。金沢でも同様のイベントを開催できないかと考え、日経新聞の販売店経由で金沢支局に問い合わせました。結果はNo.でした。そこで、北國新聞社に照会しました。模試(当時の北國模試)の担当に話したところ賛同を得られました。しかし、結局はNGでした。理由は利益が出ないということでした。

そこで考えたのが、高校生に情報を提供する本の出版です。社会人に自らの進路選択や高校生へのアドバイスを聞いて、それらをまとめて本にすれば、高校生の皆さんに役立つだろうと思いました。手元に2004年4月20日付けの企画書が残っています。しかし簡単に進む話ではなく、本の出版はあきらめました。

本の出版を再検討したのは2016年です。たまたま入院することになり、病室で解くつもりで大学入試の問題集をブリーフケースに入れて持ち込みました。病室でブリーフケースの奥を覗き込んだところ、上述の2004年4月20日付けの企画書が目に入りました。忘れていた感覚が戻って、企画書を書き直して、東京に住む大学時代の友人に相談しました。税法の専門家で何冊も本を執筆している友人です。趣旨に賛同してくれて、知り合いの出版社を紹介してくれました。神田にある出版社を訪ねるためだけに新幹線で東京往復しました。出版社は採算面のことを心配してくれました。厳しい現実を直視せざるを得ず、本の出版を再度あきらめました。

ここ2, 3年間、ホームページ改訂について迷っていました。改訂の必要性はあるものの、費用の大きさが決断を鈍らせました。しかし、ゼミを続けるのであれば改訂すべきと考えました。そしてこの機会に、先輩からのアドバイス情報を盛り込むことにしました。高校生の皆さんに役立つ情報を提供したいという20年を超える念願が叶うことになります。

ホームページ改訂

サミット・ゼミのホームページは2001年7月8日に公開しました。その10年後位にマイナーチェンジをして今に至っていますが、さすがに古くなってきました。ご父兄の皆さんにサミット・ゼミへのご意見をお聞きした際、申し訳なさそうにホームページの古さのことをご指摘下さることがありました。毎週、本欄を読んで下さる方々もいらっしゃいますので、思い切って改訂することにしました。現在、業者の方と相談中です。

今回の改訂に際して、新たな内容を盛り込むことにしました。それは先輩からのアドバイス情報です。おかげさまでサミット・ゼミは今年10月17日に開校26周年を迎えます。この間に様々なことを経験してきましたが、大きなポイントの一つが高校生の進路選択です。医師や弁護士のような明確な場合を除いて、文系であっても理系であっても、将来の職業を考慮した上での大学・学部選びは難しい課題です。

私は、高校は理数科に入学して、転校を機に法学部を受験しました。大学卒業後は19年間の転職を含めた社会人経験があります。文系、理系、様々な職業のことが分かりますからできるだけのアドバイスをしています。これに加えて、社会人になった教え子の皆さんの経験、アドバイスは、進路を検討している高校生にとって貴重な情報になると考えました。

大学・大学院を卒業して社会人になった17人の教え子の皆さん(文系9名・理系8名)にアンケートを行い、次の質問に答えてもらいました。
・ どのように考えて大学・学部を選びましたか。その選択について、今どのように思っていますか。
・ 自分の経験を踏まえての高校生に対する大学・学部選びのアドバイス
せっかくのアンケートなので、進路に関する質問だけではなく、高校生・中学生に対する勉強への向き合い方に関するアドバイス、中高生に対するオススメの本(学習参考書以外)なども尋ねました。

彼ら彼女らとはLINEでつながっています。それぞれしっかり考えて回答してくれました。中には、ワード文書にしてメール添付で丁寧に回答してくれた人もいました。中高生の皆さんにとって大変参考になる素晴らしい内容が数多く含まれていますから、どうぞご期待下さい。新ホームページの公開は9月を予定しています。新ホームページのために25年10ヶ月の経験を整理しています。少しお待ち下さい。

10年前の2014年に勉強のポイントをまとめた「勉強のコツ」ページを公開しました。企業秘密にしておきたい情報も含めて公開しましたが、生徒増につながったかは定かではありません。今回追加する「先輩からのアドバイス」も直接サミット・ゼミの生徒増につながるものではないでしょう。しかし、悩める高校生、中学生の皆さんにとって、年齢の近いお兄さん・お姉さん達からの体験を踏まえた情報は有用だと考えました。生涯のテーマが謙虚さである私は広告・宣伝下手ですが、お節介な一面があります。頑張る中高生を応援したいという気持ちから新情報を追加します。

アスリートの涙

7/26に開幕したパリオリンピックは終盤戦に入っています。この2週間、様々なシーンがありました。やはり選手が涙するシーンが強く印象に残っています。

卓球女子の早田ひな選手の銅メダル獲得後の涙は感動的でした。同じ24歳の平野美宇選手、伊藤美誠選手は前回の東京大会の代表に選ばれましたが、早田選手は補欠でした。練習パートナーを務め、球拾いをし、懸命に代表選手を応援する姿を覚えています。悔しかったと思います。その悔しさをバネにして「絶対に自分が断トツでパリに出る」と頑張ってきたそうです。準決勝で利き腕の左腕を負傷して、世界ランキング1位の中国選手に負けてしまいました。出場が危ぶまれた3位決定戦は痛み止めの注射を打って臨み、悲願のメダルを獲得しました。

柔道女子、阿部詩選手の敗戦後の大号泣も強く印象に残っています。お兄さん一二三選手とのダブルのオリンピック2連覇という偉業は大きなプレッシャーだったと思います。2回戦で畳に倒された時の呆然とした表情も頭に残っています。人間はここまで泣くのかと思わせる慟哭でした。

早田選手の嬉し涙、阿部選手の悔し涙の裏にどれだけの練習、努力、思いがあったのでしょうか。オリンピックに向けた圧倒的な努力が想像できるので、彼女達の涙がとても尊いものに思えます。因みに、早田選手のモットーは「練習は不可能を可能にする」だそうです。

中高生の皆さんには、うれし涙、悔し涙の背景にある、目標を目指して努力することの大切さを感じて欲しいです。スポーツではどれだけ努力しても、阿部詩選手のように、ちょっとした隙によって目標を達成できないことがあります。しかし、勉強では、努力は確実に学力向上につながります。勉強においては、練習(努力)は不可能を100%可能にする、と言えます。

なお、早田選手と3位決定戦を戦った韓国のエース、シン・ユビン選手の姿も忘れられません。早田選手に歩み寄ってハグして勝利を讃えた後、ベンチに戻り下を向いて泣いていました。見事なスポーツマンシップだったと思います。

数学目標点

先週の本欄で、7/7に実施された石川県総合模試の数学が難しかったことについて述べました。その平均点は34.5点でした。やはりこの平均点は異常です。数学の大問1は簡単な計算問題で、配点は30点です。ここで30点を取ることはそれほど難しいことではありません。仮にミスが1つあったとしても26点か27点になります。また、各大問の最初の小問は易しい問題ですから、それらで得点できれば10点程度を上積みできます。そうなると合計で40点程度にはなるはずです。

本欄で何回も述べていますが、数学では自分の目標点を確保することが非常に重要です。例えば、泉丘高校を志望する場合、平均点を50点と想定すると、80点取れば上出来、75点でまあまあ、70点が確保ラインです。二水高校志望であれば確保ラインは60点です。70点あるいは60点取ることは、それぞれ30点、40点分出来なくても(捨てても)良いことになります。こう考えると気持ちはかなり楽になるはずです。問題を解いていて今回は全体的に難しいと感じれば、想定平均点を下げて、自分の確保目標点も下げればOKです。

7/7模試で確保ラインを65点にした場合はどうでしょうか。上述のように40点プラスαは基礎点になり、20点程度の上積みが必要になります。平均点が非常に低い模試でしたが、全ての問題が難問だったわけではありませんから、プラス20点は決して厳しくはありません。規則性、関数、方程式応用、作図、証明、空間図形と、大問1以外には大問が6個もありますから、上積みは十分可能です。正に実力が試されます。

サミット・ゼミ夏期講習の数学で方程式応用問題、1次関数、三角形の合同の証明の3分野に集中して問題練習することは、易しい問題を解いた上での得点の安定的な上積みを狙っています。方程式応用問題の次に問題練習に入った1次関数ではかなりの問題数をこなしました。今週は、1次関数の問題を解く際の解法のテクニック、目のつけどころを解説しています。生徒の皆さんの強力な武器になるはずです。