こどもの日の社説 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

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こどもの日の社説

先週金曜日(5/5)はこどもの日でした。北國新聞の社説は「AI時代に備える教育を」というタイトルで、こどもの日に向けた内容でした。今年になりチャットGPTを始めとする生成AIが話題に上り、様々に議論されています。AIが社会に大きな影響を及ぼすようになっていますので、社説のタイトルは直ぐに目に留まりました。

この社説では、「生成AIが出したものをうのみにしないように。自分で考えることなしに答えのみを教えてもらう用途には利用すべきではない。」という人工知能学会の指摘が紹介されていました。そして、「生成AIの安易な利用が児童や学生の思考力と文章力の低下を招く懸念は拭えない。」と主張しました。

私自身もチャットGPTを実際に試してみました。AIが瞬時に様々な質問に答えてくれたり、相談に対するアドバイスをくれたりするのは本当に便利だと思いました。しかし、上述の北國新聞社説の懸念は当たっています。生成AIに依存してしまうと思考力や文章力が弱められるのは必然です。そして、これは児童、学生だけに限られず、私たち全員が注意しなければなりません。

チャットGPTに「人間に叶わないところ」を質問しました。直感的な理解力や洞察力は持たず、倫理的な判断や価値判断をすることはできないという回答でした。また、創造的な表現力は人間に及ばないとのことでした。そして、チャットGPTはあくまで自然言語処理に特化したツールであり、人間の能力を補完するものであると述べました。ところで、今の大学入試では思考力、表現力、判断力が問われています。これらの能力を自分のものとすれば、AIの時代を生きる若者は、生成AIを正にツールとして使いこなせるでしょう。

北國新聞の社説は、末尾で「誰もが人とつながる中で自分の役割を見いだし、個性と創造性を発揮できる社会をつくる」ことが「デジタル変革が進む時代の教育にも必要な視点である」と述べました。とても重要な指摘だと思います。