どこまで言うか - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

サミット・ゼミ
Summit Seminar

どこまで言うか

高校クラスの皆さんとは全国模試の結果が戻ってきた時に、授業とは別に時間を取って、個別に30分ほど面談します。勉強法や進路についてじっくり話し合います。彼らの勉強に対するモチベーションに直結する大切な時間です。生徒の皆さんの自発性を高めて可能性を引き出そうとします。高1生、高2生との面談では特に問題はありませんが、高3生の場合、どこまで強く言うべきなのか、悩むことがあります。

過去の例ですが、11月にある高3生と面談しました。難関大学を目指すA君です。A君はその大学を高2になる頃から目指していました。それなりに勉強していましたが、合格水準には達しない状況がずっと続いていました。志望校を確認すると、その大学を答えました。センター試験(共通テスト)まで2ヶ月のタイミングでしたから、強く言わなければならないと思いました。言葉を選びながら、その大学に合格するための努力ができていないことを指摘しました。

A君の目に涙が浮かびました。頑張っていると思っているのに、私から厳しい言葉を聞いたからです。状況を分析してどうするべきか考えるように言って面談が終わり、彼は教室を出ました。私の心は重く苦しくなりました。彼が志望校に合格するためには強く言わなければならなかったにしても、涙を見ると、言い過ぎだったかもしれないと複雑な気持ちになります。

その日深夜に彼からLINEが入りました。自分では頑張っているつもりだったものの、甘さがあったという反省の内容でした。目標をしっかり持ち、それに見合う努力をしたいとのことでした。LINEの最後には、面談ありがとうございました、と書いてありました。そのような連絡が入るとは思っていませんでしたから、驚くと同時にとても嬉しかったです。

結果的にA君は、当初目指していた大学ではないものの十分満足できる大学に合格しました。合格発表直後に、震える声で合格を報告する電話をくれました。どこまで強く言うかは難しい判断ですが、厳しい言葉を言えるような人間関係を日ごろから築いておくことが非常に重要だと考えています。