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塾長からの一言

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中2英語が難しい

各中学では1学期期末テストが終わりました。金沢市立中学の英語の教科書はNew Horizonで、2年生の試験範囲はUnit 2の接続詞でした。一つの文中に、メインとサブの二つの文があり、それらをwhen, if, thatなどの接続詞が結びつけます。

過去の経験からすると、中2の皆さんにとってはなかなか理解しづらい構文です。thatの使い方が他の接続詞と異なることも分かりづらさを増しているようです。期末テスト対策の授業では、中2の皆さんの顔を見て理解度を確認しながら、昨年までの説明より分かり易い説明をしました。

New Horizonの教科書では接続詞の後は不定詞、助動詞、動名詞という非常に大切な分野が続きます。中間テストの試験範囲は未来形とSVOO, SVOCでした。中2の1学期は英語が得意になるか苦手になるかを決める時期と言えるかもしれません。2021年度の教科書改訂により中学英語が一気に難しくなったと思います。

英語においてbe動詞、一般動詞の理解が最も重要です。それを前提にして未来形、接続詞、不定詞などを次々に学びます。英語が苦手な中2生は、もうすぐやってくる夏休みに、既習分野を復習することが望まれます。

金沢情報6/26号

昨日発行されたタウン誌「金沢情報」の学習塾特集に生徒募集の広告を掲載しました。今回は英語に焦点を当てた広告内容にしました。英語の授業の効果をお伝えするために実績を二つ紹介しました。

一つは、今年3月の公立高校入試の結果です。全体の英語の平均点は48.0点でしたが、ゼミ生4名の平均は86.25点でした。これは今年5/2付け本欄「狙い通り」で述べた通りです。もう一つは、2021年に実施された初めての大学入学共通テストでの英語リーディングでの成績です。全国平均点は58.80点でしたが、ゼミ生5名の平均は89.6点でした。

サミット・ゼミの英語の授業には揺らぎない自信があります。英語の授業の分かり易さは、浪人時代に英語を完全に克服したことに起因します。中高生時代、英語の成績はまあまあでしたが、決して得意科目ではありませんでした。実力不足が露見したのは早稲田大学(法学部)の入試でした。100点満点で50点を割ってしまい、そのために不合格になりました。

不合格を知った時、「勉強の神様はいる」と思いました。英語の甘さを自覚していたので、勉強の神様がしっかり勉強し直しなさいとおっしゃっているように感じました。当時は名古屋に住んでいて、河合塾に一年間通いました。河合塾のカリキュラムを真面目にこなした結果、英語の偏差値は得意科目の数学の偏差値を超えるまでになりました。浪人して英語を克服していなければ、日産自動車での輸出業務を上手くこなすことはできませんでした。学習塾を始めることもなかったでしょう。

26年前にサミット・ゼミを始めてから英語の授業、特に高校クラスの授業の内容をいろいろ工夫しました。開校数年後の2005年頃、英語の大学入試問題集の巻頭に書かれていた「受験生へのアドバイス」を読みました。正にその内容に応えるような授業内容になっていたのでとても安心しました。さらに、丁度その頃、名古屋で浪人した教え子が使った河合塾の英語のテキストを見て、ゼミの英語の授業内容で大丈夫と確信しました。

高校英語クラスの最大の特長は自由英作文をその場で添削することです。自由英作文は多くの大学受験生が苦手としています。また、2次試験・長文過去問練習での英文解説も特長の一つです。難しい英文構造を解説することで生徒の皆さんの英文理解力が上がっています。さらに自由英作文問題、長文問題は毎年の2次試験問題を少しずつ取り入れていますから、ゼミで使っている問題全体が毎年進化しています。

中学クラスの英語の特長は三つあります。先ずは速読練習です。石川県の公立高校入試は会話文、長文問題とも英文量がかなりあります。速読ができなければ50分で解き終えることができません。今年3月の公立高校入試でのゼミ生の好成績は速読強化によると考えています。そしてこの速読は大学入学共通テストにつながります。二つ目の特長は文法をしっかり教えていることです。当に英語の基礎であり、これが速読を支えます。三つ目の特長は、教科書の基本文と本文の重要表現をまとめたオリジナル資料です。これをマスターすれば中学英語はOKという強力な資料です。

中高時代、英語はイマイチよく分からないという感じでした。その英語を浪人時代に完全に克服しました。そして25年間英語を教え続けてきました。これらの経験から英語の授業が非常に分かり易いものに進化してきたのだと考えています。お任せ下さい!

サミット・ゼミ自戒集

先日、本箱の中を整理しているとクリアケースに入ったあるプリントが出てきました。「サミット・ゼミ 自戒集」で授業を行う上での心構えを述べたものでした。作成は平成10年(1998年)10月22日で、平成12年3月17日改訂となっていました。サミット・ゼミ開校は平成10年10月17日ですから、開校直後に中高生の皆さんに接する際の注意事項をまとめたようです。

心構えは12項目あります。その内の幾つかをご紹介致します。
・基礎を徹底的に鍛えること。応用はその上に積み重ねること。(富士山の裾野)
・子供たちをほめること。自信をつけさせること。
・子供たちと一緒になって喜び、悲しむこと。
・出来の良くない子供を馬鹿にしないこと。
・子供たちをじっくり観察すること。子供たちの意見を聞くこと。
・暴言を吐かないこと。生徒個人について言及する時は、生徒の気持ちを考えること。
・高校受験・大学受験の動向に対するアンテナは高くすること。

久しぶりに「自戒集」を読み直しました。なかなか良い戒めであり、今年10月に開校26周年を迎える今作成しても同じような内容になると思います。私は子供であっても人間は皆平等だと考えているので「指導」という言葉が大嫌いです。その言葉が持つ上から目線のニュアンスが自分のポリシーに反します。自戒集の心構えは、生徒の皆さんを一人のlady, gentlemanとして接することを基本にしています。

自戒集の各心構えを読みながら、実際に実行できているかなと最近の自らの言動を振り返ってみました。反省すべき材料もありましたので、このクリアケースはもっと目立つ場所に置くことにしました。

クチナシの蕾

ストレス解消と健康管理のためにほぼ2日に1回ジョギングしています。犀川河川敷を4.5kmほどゆっくり走ります。季節の移ろいを肌で感じることができます。走り終えた後、自宅に戻る途中に大きなクチナシの木があります。今の時期はクチナシの蕾の膨らみ具合がとても気になります。

5月20日頃に小さな蕾がついているのを見つけました。それからはジョギングの後必ず蕾の成長をチェックしています。昨年、クチナシの開花に気づいたのは6月22日でした。(手帳にメモあり。) 来週後半にはあの白い花を楽しめそうです。華やかな甘い香りはこの季節の大きな楽しみです。

小さな蕾が少しずつ大きくなるのを観察していて中高生の成長を思い浮かべました。蕾が一気に膨らんで花が咲くのではなく、本当に少しずつ成長します。太陽の光の加減、温度、湿度など幾つかの要素が複雑に影響しているのでしょう。中高生の皆さんも一気に成長するわけではありません。家の環境、学校での生活、友達関係、部活動など多くの要素の影響を受けながら少しずつ成長します。

クチナシの蕾の成長を期待しながら待ってきたのと同じように、中高生の皆さんが少しずつ着実に成長する姿を焦ることなく見守りたいと思っています。クチナシの一つ一つの花の違いは分かりませんが、生徒の皆さんは一人一人全く違うのでしっかり観察して適度な刺激を与えながら教え育てたいと思っています。

人材を育成する

今週火曜日(6/4)の日本経済新聞の二つの記事が私に刺激と力を与えてくれました。一つは16面(サイエンス・フロンティア面)にあった「半導体人材を大学で育成」という大見出しの記事です。もう一つは愛読欄である最終面の「私の履歴書」です。今月は2018年にノーベル生理学・医学賞を受章した京都大学名誉教授の本庶佑さんの履歴書です。

前者の記事は北海道大学や熊本大学などが半導体の高度人材を育てる取組みを始めたことを紹介していました。昨今はAIブームであり、それを支える半導体開発・製造に関する経済活動が非常に活発になっています。国が大規模に支援する半導体メーカーのラピダスは北海道千歳市に工場を建設中です。また、台湾にある世界最大の半導体受託製造企業であるTSMCは今年2月に熊本県菊陽町に第一工場を開設しました。

「私の履歴書」では、本庶先生が中高生の時に英語の英才教育を受けたことが紹介されていました。「科学という世界は国に関係なく国際社会を舞台に競う。公用語となるのは英語だ。論文を書くのにも講演をするのにも、あらゆる場面で英語の心配をせずに済んだのは、科学者として後々、大変ありがたかった。」と英語の重要性を述べられました。

大学での高度人材育成のベースは中高での勉強です。大学での専門教育のため、ゼミで中高生をしっかり鍛えなさいというメッセージをもらったように感じました。本庶先生の話は私の経験とダブります。私は浪人時代に英語を克服したおかげで自信を持って海外ビジネスを行うことができました。英語の心配はありませんでした。本庶先生の経験談は私に力を与えてくれました。サミット・ゼミのアピールポイントである英語の分かり易さを進化させるつもりです。

二つの新聞記事はゼミの授業で生徒の皆さんに紹介する予定です。今取り組んでいる勉強を着実に自分のものにするよう激励します。サミット・ゼミに通って良かったと将来思ってもらえるように生徒の皆さんを育てるつもりです。

一つ気になる記述がありました。最初の記事の中に「製造プロセス全体を俯瞰する即戦力のリーダーを育てる。」という記述です。物事を進める上で全体像を把握することは非常に大切ですが、中高生の勉強とは直接関係しません。生徒の皆さんと何か話し合う時に、「木を見て森を見ず」ではなく森全体を捉えることの重要性について話せれば良いかなと考えています。私もいろいろ勉強しなければなりません!

私立大学も立派な選択肢

アクタス6月号に高校別の大学合格者数を伝える特集記事が載っています。その特集では、先ず高校別の国公立大学合格者数を伝えています。1位は昨年同様、泉丘高校で、2位は昨年4位だった桜丘高校、3位は昨年と同数ながらも昨年2位の二水高校でした。昨年3位の小松高校は今春4位になりました。昨年よりも41人増えて276人になり、260人の二水高校を超えた桜丘高校の先生方の喜びは大きかったことでしょう。

大学受験に関して、当地の高校の先生方には何が何でも国公立大学という風潮があります。高3生に私立大学受験のことを一切話さない先生もいます。学費を考えると国公立大学優先になることは当然ですが、素晴らしい私立大学はたくさんあります。高校の先生方が何故国公立大学にこだわるのか非常に疑問です。例えば、皇室の佳子内親王が卒業されたICU(国際基督教大学)の素晴らしさを理解できている先生方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。

以前、桜丘高校に通う生徒さんが進路で苦しんだことがありました。高2後半のことです。ご両親と相談してある私立大学を志望校にしたところ、先生に反対され金沢大学を目指すように言われました。その私立大学は簡単に合格できる大学ではありません。学校の先生が学費を出すわけでもないのに何故私立大学を認めないのか理解できませんでした。先生とのバトルが続いた後、結局、彼女は最初に決めた私立大学に進学しました。高3の一年間は辛かったと思います。

昨春、立命館大学に進んだ教え子がいます。彼には将来やりたいことがあり、その勉強をするには優れた指導者のいる立命館大学か大阪公立大学が良いとのことでした。立命館大に合格した時点で大阪公立大の受験を止めるかなと思いましたが、予定通り2/25に受験して見事合格しました。そして、より良い研究環境を求めて立命館大を選びました。尊敬に値する見事な選択でした。

因みに、私が就職した日産自動車(法規部・アジア大洋州営業部・海外広報部)で私の周りにいた人達の出身大学を思い起こすと、早稲田大、慶応大、上智大、立教大、ICUという私立大学がほとんどでした。研究開発部門では状況は異なると思いますが、東京の大企業の営業・事務部門では私立大出身者が多いと思います。

中2、中間テスト英語が難しい!

今週から来週にかけて各中学で一学期中間テストが行われています。中2クラスでも英語、数学のテスト対策に追われています。サミット・ゼミ中学クラスでは、英語の定期テスト対策として教科書の試験範囲をしっかり復習します。各単元の文法を学ぶ基本文だけではなく、教科書本文の重要表現も解説します。それらをまとめたオリジナルプリントもありますから、テスト対策はかなり手厚いです!

2001年度から教科書が変わりました。英語は中学で学ぶ単語数がかなり増え、文法も難しくなりました。金沢市立の中学が使っているNew Horizon 2ではUnit 1で未来形と5文型を学びます。学年が上がったばかりの中2生にとって、willとbe going toの未来形だけではなく、5文型という非常に難しい分野が試験範囲になります。

5文型の基本文は”I will show you the Merlion.”(私はあなたにマーライオンを見せます。)と”People call it the Singapore Flyer.”(人々はそれをシンガポールフライヤーと呼びます。)です。前者は主語・動詞・目的語・目的語(SVOO)、後者は主語・動詞・目的語・補語(SVOC)の構文です。英語には文型が5つあり、これらは第4文型、第5文型と呼ばれる複雑な構文です。中2の最初にこれらの複雑な構文を学ぶのですから、新しい教科書を初めて見た時はビックリしました。しかも、教科書でS, V, O, Cという用語を使っています。

中1の段階でbe動詞と一般動詞の区別が明確になっていない生徒が少なからずいます。”He is kind.”(SVC)や”I play tennis.”(SVO)のような構文です。今までは動詞(V)の後ろに言葉が1つ(補語Cか目的語O)だったのが、Unit 1では動詞の後ろに言葉が2つ(OOかOC)になるのですから大変です。英語が分かるためには5文型の理解は必須です。中2の皆さんにとって踏ん張りどころです。

勉強の基本

今週は各高校で、来週から再来週にかけては各中学で1学期中学テストが予定されています。ゼミの授業もテスト対策の内容になっています。

中高生の勉強の基本は、学校の授業をしっかり聞き、定期テストの勉強をきっちりすることです。本欄で何回も述べている通りです。この世の中に「絶対」ということはあまりありません。しかし、勉強の場合、この基本を守れば「絶対に」成績は上がります。言葉を換えれば、真面目に努力を積み重ねることができるかどうかです。

大学受験を終えた人達に対するアンケート調査には「悔いが残るもの」という項目があります。この質問に対して、定期テストをもっと大切にすれば良かったという回答が多くあります。一つ紹介します。「定期テストの時点で分からないところをつぶさずに放っておいたので、受験期に勉強し直さなければならないことがありました。習ったその日に復習し、最低でも定期テストまでに自分のものにしないと後から本当に後悔します。」

私自身の経験でも、東大に合格できたのは、浪人時代に英語が本当に分かるようになったことも大きいのですが(この勉強法を高校クラスで伝授しています)、中間テスト・期末テストで手抜きなく勉強していたことが最大の原因だと思います。浪人して河合塾の授業を聞きながら、一つ一つの勉強の内容がジグソーパズルのピースのように上手く組み合わされていくのを感じました。

サミット・ゼミ25年半の経験から言うと、高校生が必要な予習・復習をしながら学校の授業についていき、定期テストの勉強をきっちりすれば金沢大学水準以上の大学に合格できると断言できます。中学生の場合は、5教科で400点以上は取れるはずです。頭が良いから成績が良いのではありません。当たり前のことを手抜きしないで当たり前に実行することが非常に重要です。

ある就活の話

中3の皆さんが修学旅行に出かけた先々週、私は東京へ遊びに行きました。当ゼミの年中行事の一つです。以前は2泊でしたが、近年は3泊しています。大学進学や就職で東京に住んでいる教え子が多くなったからです。今回は大学や高校の友人、教え子達と会う充実の旅でした。今回の東京旅行の目的の一つは早稲田大学4年のNさんと話すことでした。Nさんは中2から高3まで通ってくれた女子です。卒業の時に贈ってくれたシャツを着てJR有楽町駅で待ち合せました。

話題は何といっても就活でした。近年は採用する企業側よりも就職する大学生側の立場が強い売り手市場と言われています。しかし、人気企業へは学生が集中するので、有名大学、難関大学の学生でも就職は決して楽ではありません。Nさんはどうかなぁ~と心配していましたが杞憂でした。既に内定を幾つかもらっていて、どれも素晴らしい会社でした。就活の話というより、どの会社がより良いかという話になりました。こうなると私のビジネス感覚が生きます。

非常に残念だったことはNさんの就活対象に石川の企業が含まれていなかったことです。何故石川の会社を就職先候補にしなかったのか尋ねました。大学の友人たちは皆、東京の企業を考えているので、自分もそうなったという答えでした。ごく自然な考えです。大都市、特に東京の大学に進学した人は東京で就職する傾向が強いです。東京の大学で学んで石川で就職した教え子もいますがごく僅かです。

先月11日付け本欄『女性「Uターンない」』で述べた通り、石川県はUIターンを促進する取組みをしています。しかし、東京の大学で学ぶNさん達はその取組みを知りません。彼ら彼女らは石川にも東京株式市場のメインマーケットであるプライム市場に上場している会社が多数存在していることを知らないのです。

最近は東京一極集中がまた進んでいると言われています。Nさんや他の教え子達のことを考えると確かにそうです。これでは地方が中央への人材供給基地であった明治時代と同じです。地方は帰省先で自然や食を求めて旅をする場所という位置づけだけで良いのかと複雑な思いを抱いて金沢に戻ってきました。

狙い通り

今年3月6日・7日に行われた公立高校入試の平均点が分かりました。英語48.0点、数学51.1点、国語67.2点、理科52.0点、社会41.1点、合計259点でした。過去10年間の合計点の平均は249.8点でしたから、全体としてはやや易しめだったと言えます。

英語は4年間50点割れが続いた後、去年は50.2点に上がりましたが、また50点を割り込みました。数学は50点割れが5年間続いていました。50点台になったとはいえ易しい入試ではありません。問題は社会です。40点台が2年続いた後、一昨年は39.9点、去年が41.9点でした。今年の41.1点で、3年連続で40点前後になりました。難しさの原因は記述式問題です。思考力を問う良問ですが、中3生が解く難度ではありません。就職試験に出ても良いくらいの難度です。受験生が可哀そうだと思います。

私は英語の平均点に注目していました。今年受験した4名の平均点が86.25点だったからです。48.0点という平均点を知ってとても嬉しかったです。本欄で何回か述べた通り、昨年度の中3クラスでは速読練習をかなり強化しました。その練習の成果は模試で表れていましたが、入試本番で練習の正しさと効果が証明されました。英語が得意ではなかった生徒さんもいましたから、彼らの頑張りを素直に評価しています。今年度の中3クラスも昨年同様の取組みで生徒の皆さんを鍛えるつもりです。

4名の数学の平均点は76.25点でした。4名とも大問2のパスすべき面倒な問題をパスしました。そのおかげで50分の制限時間を上手く使うことができたようです。これも練習の成果です。数学は、得意な人でも時間配分を間違えて失敗する可能性があります。自分の目標点を獲得する練習を重ねる必要性を改めて感じました。

ところで、入試の平均点は4月23日の教育委員会会議で報告されました。その日に報告されることは今月初めに教育委員会のホームページ上で公表されていました。しかし、実際にホームページ上で確認できたのは1週間後の4月30日でした。のんびりした業務処理であり、民間企業では考えられない仕事の遅さです。

久しぶりの秋入学報道

今月8日に金沢地方気象台は金沢のソメイヨシノの満開を宣言しました。丁度その日に当地の高校、中学校そして小学校で入学式が行われました。子供たちの新たな出発を満開の桜が彩る風景は華やかな春の風物詩です。

翌日の地元紙で各校の入学式の記事を読んでいる時に今年2月10日付け日本経済新聞の記事を思い出しました。大阪公立大学が2027年度から秋入学を導入することを伝える記事です。秋入学については2011年7月に東京大学の浜田純一学長が2015年までの全面移行を目指すと発表して大きな波紋を呼びました。世界標準となっている9月入学に合わせることで、グローバル化に対応できる人材を育成することが狙いでした。

大きな議論が沸き上がりましたが、結局は変わりませんでした。その後2020年春に新型コロナウイルス感染拡大により全国で休校措置が取られたことをきっかけに、学業の遅れを取り戻すことを目的にして9月入学を求める声が上がりました。政府も9月入学移行の検討開始を表明して社会的な論争に発展しました。

この時は全国知事会が、教育システム、社会システムを変えるきっかけにすべきと9月入学の導入を提案しました。9月入学に前向きな議論が多かったので、秋入学に変わるかもしれないと感じたものです。しかし、時間をかけた十分な議論が必要だという反対論が根強く見送りになりました。コロナ禍で社会が混沌としていましたから、当時の安倍晋三首相が強いリーダーシップを発揮すれば実現したのではないかと思います。

4年ぶりに「秋入学」についての新聞報道に接しました。大阪公立大学の今後の動きが気になります。大阪府の吉村洋文知事は政策を力強く推進するリーダーですから、実現する可能性は小さくないと思います。9月入学はグローバル化の進展に馴染む制度であり、地盤沈下傾向が続く日本経済にとっては望ましい方向だと思います。満開の桜の下での入学式という風景はなくなりますが…

NHK 新プロジェクトX

今月6日にNHKの「新プロジェクトX」が始まりました。旧シリーズの「プロジェクトX」は2000年から5年半に渡って、黒四ダム、青函トンネルなどの巨大建設工事、VHS開発などのプロジェクトに関わった人々のドラマを紹介しました。私の大好きな番組でVHS、東海道新幹線、YS11(日本初の国産旅客機)などの番組を覚えています。オープニング曲「地上の星」とエンディング曲「ヘッドライト・テールライト」が印象的でした。

新シリーズの放送前に生徒の皆さんのご父兄に番組を紹介しました。4月6日の初回は東京スカイツリーの建設工事がテーマでした。私は授業があるので録画して、その日の深夜に番組を見ました。大工事に挑む技術者の苦悩、最初は対抗意識のあった職人たちのチームワークが上手く紹介されていました。良い番組だと思いました。何人かの生徒さん達も番組を見て感動したそうです。

番組に登場したゲストが「達成感」という言葉を使っていました。困難な目標に立ち向かい、様々な苦難を乗り越えて目標を成し遂げて得られる達成感は素晴らしいです。私自身のビジネスマン時代を振り返っても、達成感を求めて仕事をしていたように思います。生徒の皆さんにも「達成感」を味わって欲しいと思います。高校入試・大学入試での合格が代表例ですが、定期テストでの好成績も同じです。頑張ってテスト勉強すれば好成績を取れます。「やればできる」という達成感です。この蓄積で学力は向上します。

20年前の旧シリーズに関しては残念なこともありました。「やらせ」です。実際は荒れておらず、前々から吹奏楽部があった高校を、荒れていて音楽など全く縁がなかった高校と紹介しました。(2005年5月10日放送分) 大好きだった番組が終わった原因を知って虚しく思った記憶があります。中高生に「自分も頑張ろう」という気持ちを起こさせる素晴らしい番組なので、視聴率を狙った脚色は絶対に避けて欲しいです。

女性「Uターンない」

4年前の2020年3月12日付け本欄「挑戦そして感動」で、センター試験(今の共通テスト)で失敗してD判定(合格可能性35%)という厳しい判定がついたものの金沢大学に逆転合格を果たしたAさんをご紹介しました。受験前にトラや白くまに追いかけられて食べられてしまう夢を見ていたAさんの頑張りのことを考えると今でも涙が出てきます。そのAさんは先月大学を卒業し、今月から東京のある大企業で働き始めました。

Aさんの東京での就職に関して気になるデータがあります。昨年12月1日に日本経済新聞の北陸経済面に掲載された記事で、北陸経済連合会が行った女性の就業意識に関する調査結果です。首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)で働く北陸出身の女性169人の63%が「北陸に戻ることはない」と考えているそうです。この数値は3年前の調査から14ポイント増えました。その理由として首都圏の魅力が多く挙げられたと同時に、「地元は閉鎖的」や「やりたい仕事が北陸にはなかった」などの北陸に対する消極的な評価があったそうです。

これは女性に関するデータであり、もし男性に対して同じ調査をしたなら「北陸に戻ることはない」と考えている人の割合はさらに大きくなると思います。私の教え子で首都圏の大学に進学した男子はほとんど石川には戻っていません。

この状況に対する考え方はいろいろあると思います。世の中はそんなものだと考える人もいるでしょうが、私は、地方創生の観点から真剣に検討すべき課題だと考えます。今から約150年前の明治維新では、日本が欧米諸国に追い付くために中央集権を進めなければなりませんでした。地方は東京に対する人材の供給基地として機能していました。しかし、今は時代が全く異なります。ICT(情報通信技術)の時代ですから東京に集中する必要はありません。

首都圏、名古屋圏、関西圏の大学に進学して視野を広めた人材が石川に戻って活躍すれば、地元がより元気になると強く思います。インターネットで調べてみると、石川県はUIターンを促進する取り組みを行っていますが、腰を据えて実施しているとは思えません。大都市圏の大学に進学した私の教え子達が就職活動をしている時、ごく一部の例外を除いて、彼らの就職希望先に石川の企業は入っていませんでした。県の取組みが就活生に届いていないのです。これで良いのでしょうか。

因みに、Aさんは石川の会社の内定を辞退して東京の会社に就職しました。とても頑張り屋さんなので地元に残って欲しかったです。東京でキャリアを積んだ上で石川にUターンするというシナリオは、残念ながら期待薄です。

出会い、そして別れ

先週のある日、大学受験を全て終えた生徒さんとちょっと豪華なランチをしました。「金沢情報」2月28日号・学習塾特集の広告で写真のモデルになってくれたMさんです。Mさんは中2から高3まで通ってくれました。5年間という長い間一緒に勉強してきました。様々な出来事、受験勉強そして将来のことなど話題が尽きず、ランチの3時間はあっという間に過ぎました。

私は一人一人の生徒さんとなるべく話をするようにしています。Mさんとも勉強法、進路、気持ちの持ち方などいろいろな話をしてきましたが、彼女はちょっと特別でした。Mさんは斜に構えることなく非常に素直なので、遠慮なく腹の底から話をすることができました。そのような関係でしたから、ランチの楽しさは格別でした。

Mさんとのランチ後、自宅近くのお寺の掲示板の言葉が目に入りました。「人は出会いによって育てられ、人生は別れによって深められる」(京都東本願寺・法語行灯)という言葉です。もう彼女と一緒に勉強することはできないと寂しく思っていましたから、心にしみました。

新年度に入り、新たに一緒に勉強し始めた人が何人かいます。この出会いによって彼ら彼女らが着実に成長できるように頑張らなければならないと気持ちを引き締めています。Mさんは関西の大学に進学しました。今後も何らかの形でサポートできれば良いなと思っています。

東京都立高校の入試問題

今月、公立高校入試が終わった週末に、所用で東京へ行ってきました。空いた時間があったので新宿の紀伊國屋書店に寄りました。1階から8階まで本が並んでいる日本最大級の本屋さんです。学習参考書コーナーも充実しているので、東京へ行く際はよく訪れて高校生向け参考書をチェックします。今回は高校生向け参考書をざっと見た後、高校入試問題が並んでいるコーナーへ行きました。

公立高校入試が終わったというタイミングだったので、いつもは行かないそのコーナーに自然に足が向きました。東京都立高校の入試問題はウォッチしなさいという神のお告げがあったようでした。都立高校入試には共通問題と自校作成問題があり、一部の高校は国語・数学・英語の独自問題を作成します。一部の高校とは日比谷、西のような進学指導重点校と呼ばれる難関校です。今回は英語の入試問題を細かくチェックしました。

都立高校の共通問題は石川県の公立高校入試の問題と比べて難度は同じくらいだと感じました。驚いたのは自校作成問題です。日比谷高校と西高校の問題をチェックしたところ、共通問題に比べて格段と難しかったです。例えば、日比谷高校の去年の入試問題は大問2の会話文、大問3の長文の問題文がかなり長く、石川県の会話文や長文の約1.5倍の長さでした。また大問4は資料から自分の意見を50語以上の英語で述べる問題で、大学入試に出題される形式の自由英作文でした。石川県の公立高校入試に比べると相当難しいです。(大問1のリスニングは共通問題と同じ。)

日比谷高校や西高校の英語入試問題を見た時、当地とのレベルの差に率直に危機感を持ちました。しかし、慌てることはないと思い直しました。中学英語を完璧にして高校に進み、高校で高校の勉強を頑張れば、大学入試で日比谷高校や西高校の生徒に負けることはないだろうと思います。サミット・ゼミの進学実績からも断言することができます。

難関の都立高校を意識すると、当地の公立高校入試の問題がまあまあ出来るというレベルより高いレベルを目指さなければなりません。入試問題を難なく解けるというレベルです。速読をマスターして大量の英文を速く読めるようにした上で、レベルアップのカギはズバリ英作文だと考えています。石川県の公立高校入試の最後の小問は「4文以上のまとまりのある英文」で配点は8点です。日比谷高校の入試でも大問4は50語以上の自由英作文です。

先週ご紹介した通り、公立高校入試合格者の英語の成績は4名の内、情報が分かっている3名は80点以上でした。この一年間の彼らのパフォーマンスを振り返ると、速読ができるようになり得点が安定してきました。しかし、最終的に、上述の配点8点の英作が課題になりました。4文以上のまとまりのある英文は難しかったです。最終的にこの8点はできなくても良いという「おまけ」にしました。得点しなければならないという生徒の皆さんのプレッシャーを取り除く作戦でした。

新中3クラスでは、今春「おまけ」だった英作文で得点できるように導いていくつもりです。そのための具体的な授業内容は頭の中に描けています。なお、速読練習は既に開始しています。新中3の皆さんが一年間でどこまで伸びるかとても楽しみです。サミット・ゼミの中3クラスの英語は新年度に進化します!

高校入試結果を受けて

先週木曜日(3/14)に公立高校入試の合格発表がありました。サミット・ゼミの4名は全員が合格できましたが、今年は今までで一番心配していました。2/4に行われた石川県総合模試・最終回の結果が芳しくなかったからです。模試によって成績が変動していた生徒さんもいて、本当に祈るような気持で3/14正午を待っていました。万が一の場合は東尋坊へ行くことになるかもしれないと半分覚悟していました。

北國新聞会館前で全員の合格を確認した時は心底ホッとしました。4名の皆さんはよく頑張りました。本日(3/21)の時点で3名から入試の得点を教えてもらっています。それを見ると合格に相応しい得点の仕方でした。

先ずは、英語でしっかり得点できていました。3名とも80点以上で、90点の生徒さんもいました。模試でも高得点を取っていましたが、その実力がそのまま発揮されました。英語が得意であれば入試に強いと改めて思いました。あるレベルを越えれば得点の信頼度が非常に高い科目です。

次は数学です。一番怖かった科目です。数学はテストで失敗し易い科目です。先週の本欄で述べた通り、今年の入試問題では第2問の小問2の面倒な問題への対処がポイントだと思っていました。パニックに陥る原因になりうる小問でしたが、話を聞けた二人はその小問をパスしたそうです。これは50分練習の成果です。数学は3名とも80点前後の得点で、無難に乗り切りました。

英語は速読ができるようになり、焦ることなく50分の問題を解けるようになっていました。数学は難問、時間がかかりそうな問題はパスして自分の目標点を確保する練習を繰り返しました。結果的には、この一年間練習してきたことの成果が出たことになります。入試本番の緊張した雰囲気の中で練習の成果を出した生徒の皆さんは立派でした。

何故あれだけ心配したのか、今は笑ってしまいます。元々心配性の上、日産自動車の法規部時代に、常に最悪の事態を想定して仕事をしていましたから、その考え方が今も残っているようです。今回は本当に心配したので、寿命が1週間ほど縮まったかもしれません。

公立高校入試 in 2024

本日合格発表があった石川県の公立高校入試は先週水曜日・木曜日(3/6, 7)に学力テストが実施されました。例年同様、試験翌日に新聞掲載された英語と数学の問題を解いてみました。

英語は昨年と同じ大問構成と問題形式でした。昨年、大問2の問題形式が変わったので、今年は変更がなかったのでしょう。英文資料に基づく会話文の大問3と二つのグラフに基づく長文の大問4は昨年同様かなりの英文量でした。

英語の問題は3/7日の北國新聞14面全面に掲載されました。その面全体を俯瞰して見ると、とても良い問題であると感じました。大問1のリスニング、大問2の英単語並び替え、そして上述の2問の英文読解問題の4問構成です。英文の読み取りだけではなく、リスニングはもちろん文法力そして作文力も問われているので非常にバランスが取れています。

数学も問題構成は昨年同様でした。数学は力のある人でも失敗することがよくあるので、入試において最も重要な科目と言えるかもしれません。試験前半の問題でつまずくと冷静さを失いパニックに陥る可能性があります。解くのに時間がかかりそうだと判断して次の問題に移れれば良いのですが、プレッシャーがかかった入試本番ではその判断は容易ではありません。

今年は第2問が大きなポイントだったと思います。データ分析の問題で、小問2が思考力と判断力を要求する難問でした。この問題への対応が数学の得点に大きく影響したと思われます。問題全体としては、易しい問題、標準的な問題、思考力を要求する難問が上手く組み合わされていると感じました。数学の平均点は過去5年間、50点割れが続いています。今年はどうなるでしょうか。

今年の入試を受けて新中3クラスの授業方針を考えました。英語は従来通りで、文法を固めた上で速度練習を強化します。大量の英文でも速読して、余裕を持って英作文に取り組めるようにするつもりです。数学は入試で出題されるような難問に対する思考力をより磨かなければならないと考えています。また50分の使い方の練習を強化するつもりです。

金沢情報2/28号・学習塾特集 その3

今週は先週の続きです。生徒の皆さんのやる気を引き出すことはなかなか難しいです。しかし、これは学習塾にとって大切な責務の一つです。日本が豊かになり、多くの子供たちはそんなに頑張らなくても生活できるだろうと思っています。うちの子には欲がないとおっしゃるご父兄が少なからずいらっしゃいます。

何とか生きていけるだろうと漫然と思っている子供たちに、将来の給料は少なくても良いのかと聞くと、それは嫌だと言います。そこがポイントです。給料をたくさんもらうためにどうすべきかを話します。彼らが納得できるように話せば勉強の必要性を理解してくれます。私は実例を話します。例えば、スギ薬局とクスリのアオキの闘いです。彼らにとってドラックストアは身近な存在なので、厳しい競争社会でアイデアを出すことの大切さ、即ち勉強の大切さを理解してくれます。

進路や将来に対するコーチングはサミット・ゼミの大きな強みです。私の社会人経験と塾長経験が生きます。高校生が進路を考える時、医師や弁護士志望の場合はそれぞれ医学部、法学部と明確です。しかし、そうではない場合の判断は易しくはありません。その時、生徒さんとしっかり対話します。希望を聞き、適性を考慮した上で、幾つかのオプションを提示することが極めて重要だと思っています。高校は理数科に入り、大学は法学部に進みましたから文系、理系両方のことが分かります。私はビジネス社会と学校での勉強の架け橋的な役割を果たしたいと考えています。

金沢情報2/28号の「生徒の声」にメッセージをくれた早稲田大学・法学部出身のR.Fさんはもうすぐ社会人5年目を迎えます。今年2月1日付け本欄で述べましたTOEIC935点を取った教え子が彼です。彼だけではなく、社会人になった数多くの教え子と連絡を取っています。私自身のビジネス経験は平坦ではなく良いこともそうではない辛いことも多々ありました。教え子たちには私の経験を参考にして欲しいと願っています。

私自身、進路の選択に関しては悔いが残っています。高3の夏のことでした。頭の中は理系でしたが、政治家になりたいと思い法学部を目指しました。しかし、法学部の勉強は全く面白くなく、工学部で都市計画の講義を聞きました。今から思えば軽率な学部選びでした。もし、高校時代にミスター半導体と呼ばれる東北大学の西澤潤一教授(2018年に92歳で死去)のことを聞いていれば、その道に進んだかもしれません。選択肢を知らなかったのです。

高校時代に親や学校の先生と進路についてしっかり話した記憶はありません。情報収集しなかった自分が悪いのですが、非常に悔やまれます。大学卒業後は日産自動車の海外法務・輸出や貿易商社での輸入などの仕事をしました。どの舞台でも頑張って仕事をしました。仲の良い高校、大学の友人たちは医師、大学教授、ビジネス界のリーダーとして活躍しているので、学習塾を始めても世の中に対するアンテナは高くしてきました。それらの経験や交友は学習塾の仕事には直接役立ってはいないものの、生徒の皆さんへ然るべき情報を提供するベースになっています。

オジサンを過ぎる年齢になってしまいましたが、ほぼ二日に一回の約5kmのジョギングはずっと継続しています。気力が続く限りは健康に留意し、社会へのアンテナを高くし続けながら中高生の皆さんを力強くサポートしたいと思っています。(「サポート」です。人間は平等だと考えているので、上から目線の「指導」という言葉は大嫌いです。) どうぞよろしくお願い申し上げます。

金沢情報2/28号・学習塾特集 その2

先週の本欄の最後に、「どこにも負けない分かり易い授業、生徒の皆さんにやる気の炎を灯すこと、対話による進路や将来に対するコーチング」と書きました。今回は具体的に述べてみます。

学習塾にとっての授業は企業にとっての商品ですから、最も重視しているポイントです。先ずは英語です。中学英語では教科書の完全マスターを狙っています。文法を完璧に理解し、教科書に出てくる大切な表現(例えば、look forward to doing)を覚えます。そのために教科書の基本文、重要表現をまとめたオリジナル資料を準備しています。また、中2後期から速読練習を始めて高校入試時点で速読技能を習得します。石川県公立高校入試の英語は難しく、その原因は会話文と長文の問題の長さです。速読ができるようになれば50分の制限時間で余裕を持って解答できるようになります。

高校英語では大学入試を目標にして英文読解力と英作力をつけます。英文読解については、共通テスト・リーディング(マーク式)対策と2次試験の長文問題(記述式)対策に分かれます。共通テスト対策は、単語力、速読力がベースで様々な問題形式に慣れていきます。長文問題対策は、文法をベースとした英語構文を解析する力を養います。長文練習の後には全英文を解説していますが、非常に好評です。英作については基本文を覚えた上での添削練習を行います。高校生が苦手とする自由英作文は練習を重ねて慣れることが重要です。高3一年で20回程度練習しています。これらに加えてリスニング対策も実施します。大学入試時点の英語力で世の中に出ていくという前提で高校生を鍛えています。

次に数学です。中学数学では教科書の内容を理解して上で数多くの問題を解いています。数多くの問題を解くことで模試や高校入試の問題を解くことができるようになります。速くて正確な計算は大前提です。中学数学では、しっかり考えること、を大切にしています。思考力がなければ難問に対処することはできません。高校数学は中学数学と同様で、先ずは教科書の理解が大前提です。そして数多くの問題を解きます。たくさんの問題を解くことで各分野の解法のテクニックを養います。この場合も思考力は欠かせません。共通テストの数学は時間との戦いという側面がありますから、制限時間の使い方にも配慮します。

教室での授業形式は、英語は6名までの一斉授業で、和訳や英作は個別に添削しています。クラス全体の力を引き上げるイメージです。数学は一名一名に個別に対応しています。個別指導と一斉授業の良い部分を組み合わせているつもりです。25年間の経験の中で形作られてきた授業は「どこにも負けない分かり易い授業」になっていると考えています。

他塾との差別化という意味では、英語の速読、長文問題の解説、自由英作文の即時添削、数学の思考力養成を挙げたいと思います。長くなりましたので、やる気の炎と対話による進路や将来に対するコーチングについては来週の本欄で述べさせて頂きます。

金沢情報2/28号・学習塾特集

来週水曜日(2/28)に発行される金沢情報の学習塾特集に生徒募集の広告を掲載します。初めてサミット・ゼミのことをお知りになる方もいらっしゃると思いますので、概要をご説明申し上げます。

1998年10月に羽咋で開校しました。直ぐに羽咋と金沢の2教室体制になりましたが、体力的に厳しかったので2005年からは金沢教室だけになりました。縁あって通って下さる生徒さんをしっかりサポートするために、1クラス6名までの少人数制をずっと守っています。2教室体制の一時期、金沢大学の学生に講師を依頼したことがありましたが、塾長一人で教え続けてきました。

対象学年は中2から高3で、英語と数学を教えています。(中3の夏期講習では5教科全て) サミット・ゼミは英語に強いと言われていますが、中高の時、英語は得意教科ではありませんでした。その英語が原因で大学浪人しました。しかし、浪人時代に英語を克服し、その勉強法が高校英語クラスのベースになっています。この勉強法には絶対的な自信があります。東京外国語大学・英語学科に合格した教え子が「いつの間にか以前には解けなかったような問題も解けるようになっていて、うれしくなることもありました。」と語ってくれました。

塾長の中高時代の得意科目は数学でした。高校は理数科に入学しました。様々な解法のテクニック(問題を解く際の目の付け所)、計算の裏ワザ、計算ミスの防ぎ方を教えています。生徒の皆さんの答案プリントもしっかりチェックしています。

授業を行う上での根本的な考え方は、生徒の皆さんを、将来、どんな場面に際しても自分で判断できる人間に育てるということです。2002年にノーベル物理学を受賞された小柴昌俊先生は、知識と考える力の掛け算で人間の能力が決まると話されました。幅広い知識と深い思考力があれば、難しい局面でも解決するアイデアが湧き出るのです。高校入試そして大学入試を目標にして、幅広い知識と深い思考力を身に付けてもらいたいと思って授業をしています。

もう一つの根本的な方針は、努力の実践です。幅広い知識と深い思考力を身に付けるためには努力が必要です。頭が良いから難関大学、有名進学校に合格するわけではありません。然るべき努力があって初めて栄冠を勝ち取ることができます。将棋の羽生善治永世竜王は、才能とは努力の継続であると話されました。私は早稲田不合格の悔しさをバネにして勉強して東大に合格しましたが、大学の友人たちも努力した人たちでした。努力の積み重ねで相当な成果を上げることができることを入試を通じて経験して欲しいと思っています。

学校の先生と私の一番大きな違いは社会人経験です。大学卒業後に就職した日産自動車(国内・国際法務、輸出)や貿易会社での約20年の勤務経験は、生徒の皆さんに勉強の必要性、大切さを説くときの説得力につながっています。休憩時間には社会での実例の話をすることがあります。スギ薬局の金沢進出のような具体的な話は生徒の皆さんへの良い刺激になります。

おかげさまで昨年10月に25周年を迎えることができました。この経験と社会人経験を基礎として、どこにも負けない分かり易い授業、生徒の皆さんにやる気の炎を灯すこと、対話による進路や将来に対するコーチングをさらに進めて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

向上心

先週の本欄のタイトルは「負けず嫌い」でした。その「一言」を準備している時に「向上心」という言葉が気になりました。負けず嫌いと向上心は同じだろうかと…

インターネットで向上心の言い換え表現を調べてみると、「負けず嫌いである」「現状に満足せずに一つ上をめざす」「ハングリー精神がある」「現状打破のために試行錯誤できる」「目標達成のために粘り強く取り組むことができる」「失敗してもそこから学ぶことができる」という表現がありました。どれも前向きな姿勢を表す表現です。「負けず嫌い」イコール「向上心」と言って良さそうですが、前者には少しマイナスのイメージがあるように感じます。人によって感じ方に違いがあるかもしれません。

昨春、お茶の水女子大学に合格した生徒さんがいます。彼女は中2の時から一緒に勉強しました。穏やかで優しい素晴らしい性格の頑張り屋さんでした。彼女が高3の時の数学の授業中、突然トイレに駆け込んだことがありました。思いがけない行動にビックリしました。問題を思い通りに解けなくて悔しかったそうです。そのような負けず嫌いな面があるからこそ成績が伸びました。

彼女は泉丘高校出身です。ある時、泉丘の生徒は皆、向上心があると語っていました。なるほど、と思いました。頭が良いから良い高校にいけるのではなく、粘り強い努力を積み重ねることができるかどうかで決まります。粘り強い努力を続けることができるかどうかは向上心、負けず嫌いさで決まるのでしょう。

負けず嫌い

今週月曜日(2/5)、卓球のパリ五輪代表候補の男女各3人が決まりました。女子では国内選考ランキング3位だった伊藤美誠選手(23)が落選しました。伊藤選手か15歳の張本美和選手のどちらが3人目に選ばれるのか注目が集まっていました。張本選手が選ばれたことは良かったと思いますが、伊藤選手の気持ちを想像しました。全国に私のような人が大勢いたと思います。2021年の東京オリンピック、女子シングルスで銅メダルを獲得したのに悔し涙を流した伊藤選手です。さぞや悔しい思いをしたことでしょう。

全日本総合バドミントン選手権大会・女子シングルスで5度優勝している奥原希望選手(28)は、昨年末の同大会決勝で右足を痛め、涙の途中棄権をしました。奥原選手の負けず嫌いさについては日本経済新聞のスポーツ面で特集されたことがあります。背が高くない奥原選手は自分の身長を156cmではなく156.3cmと公表しています。この数値に負けず嫌いな面が現れています。

将棋の藤井聡太八冠(21)が小学生の時、大会決勝で負けた後の表彰式で、羽織袴の姿でうなだれているシーンはよく覚えています。(2020年7月23日付け本欄) 将棋でもスポーツでもトップ層で活躍する人たちに共通するのは負けず嫌いな性格だと思います。人間的な優しさとは別に、スポーツや芸術それぞれの分野で絶対に負けたくないという姿勢が人間を高めるようです。

勉強においてはメダルやタイトルはありません。目指す高校や大学への合格が目標です。もちろん難関校に合格することは大変ですが、スポーツや将棋ほど過酷な戦いが必要なわけではありません。スポーツや芸術の世界で活躍している人の頑張りを参考にすればかなりのレベルにまで到達できると思います。勉強において戦いがあるとすれば、自分の甘さとの戦いでしょう。その戦いに勝つ重要な要素が負けず嫌いさです。

伊藤美誠選手はまだ23歳です。まだ記憶に新しい石川佳純選手の引退は昨年5月で30歳の時でした。伊藤選手の今後が気になります。更なる活躍をするであろう彼女の頑張りは、何かを目指す人の応援歌になると思います。

教え子のTOEIC

昨年末、ある教え子A君から嬉しい報告がありました。TOEICが935点だったとのこと。彼は早稲田大学法学部を卒業し、東京の大企業で働いています。今年度が社会人4年目で、既に何回も海外出張をしている優秀なビジネスマンです。私が東京に行くときはよく会っています。

TOEICは990点満点で、860点以上が「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。」と評価されるAレベルです。これまでの最高点は、大阪大学外国語学部を卒業してやはり大企業に勤務する社会人2年目の教え子B君の885点でした。B君はA君の中学、高校の後輩です。たまたまB君と近々会う予定なので、先輩が935点を取ったことを伝えるつもりです。

大学生や社会人になった多くの教え子と連絡を取り合い、金沢や東京でランチをしたり飲んだりしています。様々な話をしますが、英語の勉強を忘れないように言います。ですから教え子たちがTOEICで好成績を取ることは本当に嬉しいです。私の最高点が950点なので、彼らには私を超えたらご褒美があると伝えています。

935点を取ったA君には、社会人としての経歴を考慮して、英語以外にもマーケティングや財務諸表の勉強をするように言いました。自分自身が上司や先輩のおかげでビジネスマンとして成長しましたので、その経験を基にして教え子たちに必要なアドバイスをしています。中高生の皆さんが学力を伸ばして大学に進み、さらに社会人として成長する姿を見守ることに深い喜びを感じています。

速読の次は

中3クラスの皆さんは冬休み末の今月7日に石川県総合模試を受けました。元日に起きた能登半島地震の影響で採点作業が遅れて、昨日結果が分かりました。冬休み明けの統一テスト結果と共に、公立高校の受験校を決めるための重要情報です。

本欄で何回かご紹介している通り、今年度の中3クラスは英文の速読を強化しました。従来は中3の夏期講習から練習を開始していましたが、約半年早く、中2の3学期期末テスト後から始めました。その成果は昨年の秋頃から出始め、12月や今月の模試前の過去問練習でも速く読めるようになっていました。今回の英語の平均は50.1点でした。中3クラス4人は全員が70点以上(科目別偏差値60以上)で、80点を超えた人もいました。速読練習の開始から10ヶ月間の成果が出たと思います。

石川県の公立高校入試の英語は客観的に難しいと思います。大問は四つで、リスニング、並び替え問題、会話文と長文の構成です。会話文と長文は英語を使った資料や図に関する問題で、両問とも相当の英文量です。リスニングの時間が12分程度であれば良いのですが、15分位に長さになると読解問題の時間が苦しくなり、大幅な平均点の低下をもたらします。

中3クラスの皆さんは速読の技術を身につけて、50分の時間内に余裕を持って長い読解問題を解けるようになりました。速読強化の狙いが当たり、英語に関しては満足できる水準に達したと思っています。しかし、ここまできて次の課題が気になってきました。昨年11月模試の過去問練習をしている頃のことでした。それは英作文です。

入試や模試の大問4の最後が「4文以上のまとまりのある英文」を書く問題で、配点は8点です。大きな配点です。長文問題の内容を受けた自由英作文です。速読のおかげで英作文にある程度の時間をかけることができるようになったとはいえ、制限時間ギリギリに設問の指示を確認した上で4文以上のまとまった内容を考えるのは大変です。時間に追われれば文法ミスやスペルミスは避けられません。

入試は学力コンテストではありませんから、高得点を狙う必要はありません。速読ができるようになり、科目別偏差値で65程度に達すれば十分です。英作文でもしっかり得点しなければならないと思えば、焦って速読が甘くなる危険性があります。英作文の配点8点は「おまけ」と考えれば良いと思います。そう考えれば英語で失敗することはなくなります。一応、生徒の皆さんには「おまけ」対策としての秘策を授けました。なお、彼らの速読の技術は3年後の共通テストに確実につながります。

共通テスト in 2024

大学入学共通テストが先週末(1/13, 14)に実施されました。例年通り、初日の土曜日早朝に尾山神社へ行き生徒の皆さんの健闘を祈願しました。

英語(リーディング)と数学ⅠA、ⅡBの問題を解き終えました。英語は昨年同様、第1問から第6問まで全て読解問題でした。「様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする。」という大学入試センターの方針に沿った多様な種類の問題が出題されました。特筆すべきは英文量です。問題文、選択肢を全て含めると約6,300語で昨年よりも200語程度増加しました。80分の試験時間で約6,300語を読みこなすのは本当に大変です。

昨日発表された中間集計による平均点は53.28点でした。昨年の53.81点とほぼ同じです。昨年は最後の論説文が難しかったことをよく覚えています。今年は問題の難しさというより英文量の多さが印象的です。2021年にセンター試験から共通テストに代わって、発音・アクセント、文法・語法問題が出題されなくなりました。共通テストの問題を解く度に、問題のバランスが悪いと思います。

中間集計による数学の平均点は、ⅠAが54.35点、ⅡBが61.03点でした。昨年はそれぞれ55.65点、61.48点でしたから難度は昨年並みでした。ⅠAでは電柱の影の長さと太陽高度に関する問題が出題されていて共通テストらしいと感じました。ⅠAの各問題はそれほど難しいとは感じなかったので平均点54.35点はやや意外です。n進数や動点の問題で慌てた人が多かったのでしょう。

今年の英語と数学の問題を解いてみて、今後の授業方針について考えてみました。基本的には変更ありません。英語のポイントは速読、単語力、問題形式への慣れです。数学のポイントは絶対的計算力、思考力、試験時間の使い方です。今後の高校クラスの授業内容をより進化させるつもりです。また、速読、絶対的計算力、思考力については、従来通り中学クラスの授業でも意識していきます。