塾長からの一言 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾

サミット・ゼミ
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塾長からの一言

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新ホームページ

本日(10/17)、サミット・ゼミは開校26周年を迎えることができました。縁あって通って頂いた生徒の皆さん、ご支持頂きましたご父兄の皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。

改訂作業を進めてきたホームページは、開校記念日の本日、公開致しました。初めてのホームページは2001年7月8日に公開して、2013年10月にリニューアルしました。リニューアルから11年が過ぎて、昨今のホームページと比べて見劣りするようになってきました。あるご父兄からは、昭和感が漂う、という言葉で、改訂への助言を頂いたこともあります。ありがたいアドバイスでした。

自分の年齢のことを考慮すると、個人事業主として、費用面でホームページ改訂は大きな決断でした。この決断に至るには二つの理由がありました。一つは体力面、健康面の不安が全くないことです。まだまだ問題なく学習塾を継続できます。金沢市には金沢大学中退後ずっと学習塾を継続している91歳の名物先生がいらっしゃいます。その先生から見たら私なんかまだヒヨッコで、甘いものでしょう。

二つ目の理由は、本年8月15日・22日付け本欄でご紹介致しました新設ページです。大学・大学院を卒業して社会人になった17人の教え子の皆さん(文系9名・理系8名)が、進路選択についての経験とアドバイス、および中高生に対して勉強への向き合い方についてのアドバイスを述べてくれています。高校生は誰でも進路選択で迷うものですから、この「先輩からのアドバイス」は参考になると思います。このアドバイスを公開したかったことがホームページ改訂の大きな理由です。

ホームページ改訂に際して私自身の写真も撮影しました。若くはない年齢を感じさせるような写真は嫌だなと思っていましたが、結構良い感じで写りました。(無修正です!) パナソニック創業者松下幸之助さんはアメリカの詩人サミュエル・ウルマンの「青春」を好みました。その一節に「青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言う。理想を失う時に老いがくる。情熱を失う時に精神はしぼむ。」とあります。とても参考になる言葉です。

私の武器は19年間のビジネスマン経験です。直接的には高校入試、大学入試を目指して中高生に勉強を教えていますが、その教えの背景には社会での活躍があります。例えば、高校英語は国際ビジネス、大学での論文の読み書き、TOEICスコアを想定しています。数学で考えることを要求するのは社会に出てから必要な思考力を意識しています。現代版松下村塾を目指して、中高生の皆さんが揺るぎない本物の実力をつけ社会で自己を実現して活躍できるよう導いていきます。

先生からの一言

先月5日付け本欄「恩師への質問」で述べた通り、8月末に高校入学後2年間通った理数科のクラス会で札幌へ行きました。9名が参加しました。釧路の高校でしたから多くの元クラスメートは北海道に住んでいます。北海道以外からは東京在住の東京理科大の数学の教授と私の2名だけが参加しました。因みに、私は高3になる前に転校しましたが、クラス会の共同幹事です。

クラス会で私の隣に座ったのは札幌で医師をしているF君でした。私の大学時代に東京の自宅に遊びに来てくれたこともある友人です。北海道大学医学部を卒業後、長年個人医院を営んでいます。とても謙虚なドクターです。

彼と話していて長年の疑問が解けました。F君は中学時代優秀なバスケットボール選手で、彼の中学は北海道全域の強豪校が参加する全道大会に出ていました。高校入学後は当然ながらバスケットボール部に入りましたが直ぐに辞めてしまったのです。高校時代はその理由を彼に尋ねることはできませんでした。

高校に入って最初の定期テストで彼の成績は悪かったそうです。そのため担任の先生に呼ばれたとのこと。先生にどのように言われたかまでは聞けませんでしたが、先生の言葉をきっかけにしてバスケットボール部を辞めたそうです。驚いたのは、先生に呼ばれたことが原因で、人生を前向きに捉えることを止めたということです。大きな組織で偉くなる必要はないと考えるようになったそうです。

そのクラス会には札幌の大病院の院長先生も参加していましたから、彼の生き方が興味深かったです。彼が部活を辞める原因になった先生の言葉は、彼の生き方にも大きく影響しました。先生が話す言葉の影響力について深く考えさせられました。

ホームページ改訂 その3

本欄を読んで頂いている皆さんに謝らなければならないことが一つあります。本年8月15日付け本欄で新しいホームページの公開は9月を予定していると書きましたが、少し遅くなりました。申し訳ございません。9月中にほぼ完成したので、今年度下期の始まりである今月1日に公開しようかとも思いましたが、サミット・ゼミの開校記念日である10月17日に公開することに決定しました。やはり開校記念日は私にとって特別な日です。

先日、ホームページ・トップページの写真モデルになってくれた高1のK君にテストページを見てもらいました。直ぐにOKが出てホッとしました。トップページ全体について好印象を持ってくれました。今までとは全然違うとのことでした。

旧ホームページと新しいホームページの内容で大きく異なるのは「先輩からのアドバイス」ページの新設です。社会人になった教え子の皆さん17名からの進路選択、勉強に向かう姿勢に関するアドバイスです。これ以外の内容は基本的に同じです。文章は全て見直したので、表現が微妙に変わったものもあります。内容はほぼ同じでも、ホームページ全体の印象は旧ホームページとは全く異なります。最近流行りのタイプになっています。新しくして良かったと思っています。公開までもう少しお待ち下さい。

異文化へのリスペクト


異文化へのリスペクト
アメリカでのテレビ界最高の栄誉であるエミー賞の各賞を、真田広之さんが主演する「SHOGUN 将軍」が受賞しました。アメリカでは東洋的なものはステレオタイプ化された描かれ方がされる傾向が強いそうですが、真田さんは日本人が母語で演じる重要性を訴えて受け入れられました。台詞の約7割が日本語とのこと。日本経済新聞のコラム「春秋」(9/17)は、アメリカドラマが日本語を受け入れた点について「異文化へのリスペクト」と表しました。

「異文化へのリスペクト」という言葉でピンときたことがあります。大学入試でセンター試験から共通テストに替わった時に発音・アクセント問題がなくなったことです。センター試験の第1問は発音・アクセントでしたが(200点満点中の14点)、共通テストは全て読解問題になりました。当時、大学入試で英語の4技能を問う流れになっていました。4技能の内のスピーキングがあるから発音・アクセントが出題されなくなると説明されました。しかし、4技能を問う入試は実現しませんでした。発音・アクセント問題を無くす根拠が崩れたものの、共通テストで復活しませんでした。

全く筋が通らない入試改革だったと思います。4技能入試を断念するなら、共通テストに発音・アクセント問題を復活させるべきでした。因みに、4技能にライティングがあるからという理由で出題されなくなった文法・語法も共通テストで復活しませんでした。大学入試の1次試験である共通テストで発音・アクセント問題が出題されなければ、高校生は英単語の発音・アクセントを学ぼうとするでしょうか。高校で発音・アクセントを教える先生はいらっしゃるでしょうか。

サミット・ゼミ高校英語クラスの授業は宿題形式の単語チェックから始まります。私は発音・アクセントにも気をつけています。(発音記号の発音の仕方も教えています。) 大学入試において単語を覚えることの重要性は言うまでもありません。どうせ単語を覚えるのですから、発音記号にも注意をすれば良いだけのことです。因みに、ある程度の語数の英単語を発音記号を意識して覚えれば、初めての単語でもほぼ正確に発音できるようになります。

私自身は高校時代、NHKのラジオ講座で発音・アクセントを学びました。そのおかげで、私が話す英語はネイティブではありませんが、発音・アクセントそしてイントネーションはほぼ正確です。ビジネスマン時代に海外の取引先から必ず褒められました。日本人は一般的に発音・アクセントが下手ですから評価されたのです。それが仕事に好影響を与えたことはもちろんです。英単語の発音・アクセントに注意することは、英語圏という異文化に対するリスペクトだと思います。

予想気温チェック

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。冬の寒さは春分頃まで、夏の暑さは秋分頃までには和らぐという意味ですが、今年はまさにその言葉通りです。次の日曜日(9/22)が秋分の日で、丁度その日から気温が下がりそうです。週間天気では、日曜日から最高気温30度、最低気温25度を下回る予報になっています。

今は高校生だけではなく中学生も普通に携帯電話を持っていますから、普段から高3の大学受験生、中3の高校受験生の皆さんには翌日の最高気温、最低気温をチェックするように話しています。携帯電話があれば簡単に調べることができます。

週間天気予報で今週末に気温が下がることを確認して、各クラスで翌日の予想気温を必ずチェックするように指示しました。特に、予想最低気温に気をつけるように言いました。明け方に寒ければ風邪をひく可能性が大きくなります。寒くなることが分かっていれば毛布をかけたり、厚手の布団にしたりして風邪を予防することができます。

次の日曜日や月曜日の明け方は20度程度まで気温が下がりそうです。風邪をひいてしまう人がいるかもしれません。風邪をひかないように注意することは実力の一つだと思います。

女性活躍、はて?

日本経済新聞には土曜日に別冊「NIKKEI プラス1」があり、その1面は「何でもランキング」です。先週土曜日(9/7)のランキングのタイトルは『「はて? 女性活躍進めた出来事』でした。1945年の婦人参政権、1985年の男女雇用機会均等法制定などがランキングに入っていました。帝国大学に始めて女性が入ったのは1913年だったそうです。因みに、「はて?」は、日本で初めて法曹界に飛び込んだ女性を描いたNHK朝ドラ「虎に翼」の主人公の口癖です。

私は常々「女性活躍」という言葉に違和感を持っています。何故そんな当たり前のことをわざわざ言わなければならないのでしょうか。しかし、以前は男女雇用機会均等法を制定しなければならないくらいに女性が男性に対して差別されていたということです。私が大学を卒業して日産自動車に入社したのは、その法律が制定される6年前です。お茶入れ、コピーは女性の当然の仕事と思われていました。

私の肌感覚としては、今はもう死語になっている「男尊女卑」的な感覚を持っているのは60代以上の年齢層の人たちで、50代以下の人たちは「女性活躍」は当たり前と感じているのではないでしょうか。男女雇用機会均等法が制定された年に社会人になった人たちは今60代前半です。

今の中高生を見ていると、明らかに女性の方が元気です。女子が生徒会長や応援団の団長になることがよくあります。私が中高生の頃は考えられなかったことです。積極的な女子が少なくない一方、男子は消極的で自分の意見をはっきり言えない傾向があります。「草食系男子」という言葉があります。恋愛や出世にガツガツしない、おっとりした男性のことで20代~30代前半に多いそうです。

今から10年後くらいには、草食系男子が組織のリーダーとなる年代に入ります。しかし、消極的で内向的な男性が組織を率いることをできるでしょうか。積極的、社交的で元気な女性が組織をまとめる役割を担うことになると思います。中高生を見ている限り、男子より女子が積極的である傾向は続いています。むしろその傾向は強まっています。20年後、30年後には、現在とは逆に「男性活躍」という用語が使われることになると予想しています。

恩師への質問

高校1、2年時に通った理数科(北海道釧路湖陵高校)のミニクラス会に参加するため札幌へ行ってきました。良い機会だったので中3時の担任だった今田先生にお会いしました。今田先生は2012年6月28日付け本欄でご紹介したことがあります。私が生徒の皆さんと接する際の模範とさせて頂いている先生です。先生は釧路の中学校で教えた後、釧路、札幌の各高校の先生をされて、今は札幌にお住まいです。84歳とご高齢ですが、お元気そうな姿で待ち合わせのホテルロビーに来られました。以前のクラス会で札幌へ行った時にお会いした以来で、10年振りにお話しすることができました。

私には先生にお聞きしたいことがありました。誰でも努力すれば学力を伸ばすことができるか否かということです。先生の答えは非常に現実的なものでした。そのように思いたいが、誰でも学力が伸びるとは限らないと話されました。男子ゴルフにおける松山英樹のような才能が勉強においても必要であるとのことでした。そして、かなりの努力をしたものの成績が伸びなかったある中学生のケースを紹介して下さいました。

私は、真摯に努力すれば誰でも学力が伸びると信じているので、食い下がりました。上述の中学生の場合は努力の方法が誤っていると指摘しましたが、先生の見解は変わりませんでした。約40年間も中高生に教えてこられた経験をお持ちですから、先生の言葉には重みがありました。

金沢に戻って先生との会話を振り返った時、学校の先生と私との立ち位置の違いがポイントになるのではないかと考えました。学校の先生は一クラスの生徒数が多いので、特別な場合を除いては、生徒とのつながりはそれほど強くはないでしょう。努力するように主体的、積極的に働きかけても、生徒の人数が多いため、先生の影響力には限りがあると想像します。

サミット・ゼミは一クラス6名までの少人数制で、生徒さん一人一人とのつながりは強いです。それを嫌う人もいるでしょうが、私は、せっかくのご縁で一緒に勉強することになるので、勉強の必要性や勉強の具体的方法を説いた上でしっかり導きたいと考えています。過去26年間ほとんどの生徒さんの成績が伸びました。私の経験からすれば、勉強における才能があるとすれば、それは努力することです。本欄をお読み頂いている皆さんはどのようにお考えでしょうか。

19浪で合格

今週日曜日(8/25)、Yahooニュースで「えっ?」と思う記事が目に入りました。記事のタイトルは「19浪で九州大学に合格。共通一次とセンター試験受け続けて20年、心病まずに挑戦し続けられた理由。」でした。私自身は一年の浪人経験がありますが、19浪は想像を超えた世界です。10年を超える浪人の場合、途中でどこかの大学に入ったり会社で働いたりしながら受験勉強をすることが多いそうですが、山田さんは、進学も就職もせず、アルバイトで生計を立てながら共通一次とセンター試験を20年間受け続けて、純粋に19浪して九州大学に入りました。

鹿児島市出身の山田さんは中2の時に塾に通い始めてから成績が伸び始め、地元の進学校に進み、鹿児島大学を受験しますが不合格になります。お兄さんが住む東京で浪人生活を始めるものの、都会の華やかさに流されて浪人生活が長引くことになります。浪人が長くなれば上の大学を目指そうと2浪目からは東大を受験し続けました。2浪目からの生活費は自分で工面しました。

長い浪人生活を続けられたのはマイペースでのんびり屋の性格のためだそうです。その山田さんの浪人は19浪目で終わりました。2004年に受けたセンター試験では自己最高の770/900点でした。前期日程の東大は不合格でしたが、病気になった母親のことを考えて後期で九州大学を受験して合格しました。「ようやく区切りがついたか」という感じだったそうです。

山田さんは大学に落ち続けた理由を「勉強が足りなかった」と振り返っています。大学卒業後はずっと学習塾で講師をやり、今も教育関係の仕事に就いています。山田さんは子供たちに「どんなに失敗しても、自分次第で再び立ち上がることができる」と教えているそうです。この教えにはかなり深いものがあります。孔子、ノーベル平和賞のネルソン・マンデラを始めとする多くの方々が同じ言葉を説いています。

ホームページ改訂 その2

先週の本欄で、ホームページ改訂に際して、社会人になった教え子の皆さんからのアドバイスのページを新設することをご案内しました。このアイデアには背景があります。

最初のきっかけは日本経済新聞社が東京都内で開催している高校生対象のイベントです。「日経エデュケーションチャレンジ」というイベントで、各企業の社員が講師となって、働く現場の第一線の様子や講師自身の社会経験を語り、講義終了後は参加者と講師が交流できる場です。就職・進学などの大きな選択を迫られる高校生を対象にした素晴らしい企画です。この企画は2001年に始まり、今も続いています。

サミット・ゼミは1998年10月17日開校ですから、3年後に始まりました。そのイベントは毎年夏休みに開催され、夏が近づいてくると日本経済新聞で告知されました。私は羨ましくて仕方ありませんでした。金沢でも同様のイベントを開催できないかと考え、日経新聞の販売店経由で金沢支局に問い合わせました。結果はNo.でした。そこで、北國新聞社に照会しました。模試(当時の北國模試)の担当に話したところ賛同を得られました。しかし、結局はNGでした。理由は利益が出ないということでした。

そこで考えたのが、高校生に情報を提供する本の出版です。社会人に自らの進路選択や高校生へのアドバイスを聞いて、それらをまとめて本にすれば、高校生の皆さんに役立つだろうと思いました。手元に2004年4月20日付けの企画書が残っています。しかし簡単に進む話ではなく、本の出版はあきらめました。

本の出版を再検討したのは2016年です。たまたま入院することになり、病室で解くつもりで大学入試の問題集をブリーフケースに入れて持ち込みました。病室でブリーフケースの奥を覗き込んだところ、上述の2004年4月20日付けの企画書が目に入りました。忘れていた感覚が戻って、企画書を書き直して、東京に住む大学時代の友人に相談しました。税法の専門家で何冊も本を執筆している友人です。趣旨に賛同してくれて、知り合いの出版社を紹介してくれました。神田にある出版社を訪ねるためだけに新幹線で東京往復しました。出版社は採算面のことを心配してくれました。厳しい現実を直視せざるを得ず、本の出版を再度あきらめました。

ここ2, 3年間、ホームページ改訂について迷っていました。改訂の必要性はあるものの、費用の大きさが決断を鈍らせました。しかし、ゼミを続けるのであれば改訂すべきと考えました。そしてこの機会に、先輩からのアドバイス情報を盛り込むことにしました。高校生の皆さんに役立つ情報を提供したいという20年を超える念願が叶うことになります。

ホームページ改訂

サミット・ゼミのホームページは2001年7月8日に公開しました。その10年後位にマイナーチェンジをして今に至っていますが、さすがに古くなってきました。ご父兄の皆さんにサミット・ゼミへのご意見をお聞きした際、申し訳なさそうにホームページの古さのことをご指摘下さることがありました。毎週、本欄を読んで下さる方々もいらっしゃいますので、思い切って改訂することにしました。現在、業者の方と相談中です。

今回の改訂に際して、新たな内容を盛り込むことにしました。それは先輩からのアドバイス情報です。おかげさまでサミット・ゼミは今年10月17日に開校26周年を迎えます。この間に様々なことを経験してきましたが、大きなポイントの一つが高校生の進路選択です。医師や弁護士のような明確な場合を除いて、文系であっても理系であっても、将来の職業を考慮した上での大学・学部選びは難しい課題です。

私は、高校は理数科に入学して、転校を機に法学部を受験しました。大学卒業後は19年間の転職を含めた社会人経験があります。文系、理系、様々な職業のことが分かりますからできるだけのアドバイスをしています。これに加えて、社会人になった教え子の皆さんの経験、アドバイスは、進路を検討している高校生にとって貴重な情報になると考えました。

大学・大学院を卒業して社会人になった17人の教え子の皆さん(文系9名・理系8名)にアンケートを行い、次の質問に答えてもらいました。
・ どのように考えて大学・学部を選びましたか。その選択について、今どのように思っていますか。
・ 自分の経験を踏まえての高校生に対する大学・学部選びのアドバイス
せっかくのアンケートなので、進路に関する質問だけではなく、高校生・中学生に対する勉強への向き合い方に関するアドバイス、中高生に対するオススメの本(学習参考書以外)なども尋ねました。

彼ら彼女らとはLINEでつながっています。それぞれしっかり考えて回答してくれました。中には、ワード文書にしてメール添付で丁寧に回答してくれた人もいました。中高生の皆さんにとって大変参考になる素晴らしい内容が数多く含まれていますから、どうぞご期待下さい。新ホームページの公開は9月を予定しています。新ホームページのために25年10ヶ月の経験を整理しています。少しお待ち下さい。

10年前の2014年に勉強のポイントをまとめた「勉強のコツ」ページを公開しました。企業秘密にしておきたい情報も含めて公開しましたが、生徒増につながったかは定かではありません。今回追加する「先輩からのアドバイス」も直接サミット・ゼミの生徒増につながるものではないでしょう。しかし、悩める高校生、中学生の皆さんにとって、年齢の近いお兄さん・お姉さん達からの体験を踏まえた情報は有用だと考えました。生涯のテーマが謙虚さである私は広告・宣伝下手ですが、お節介な一面があります。頑張る中高生を応援したいという気持ちから新情報を追加します。

アスリートの涙

7/26に開幕したパリオリンピックは終盤戦に入っています。この2週間、様々なシーンがありました。やはり選手が涙するシーンが強く印象に残っています。

卓球女子の早田ひな選手の銅メダル獲得後の涙は感動的でした。同じ24歳の平野美宇選手、伊藤美誠選手は前回の東京大会の代表に選ばれましたが、早田選手は補欠でした。練習パートナーを務め、球拾いをし、懸命に代表選手を応援する姿を覚えています。悔しかったと思います。その悔しさをバネにして「絶対に自分が断トツでパリに出る」と頑張ってきたそうです。準決勝で利き腕の左腕を負傷して、世界ランキング1位の中国選手に負けてしまいました。出場が危ぶまれた3位決定戦は痛み止めの注射を打って臨み、悲願のメダルを獲得しました。

柔道女子、阿部詩選手の敗戦後の大号泣も強く印象に残っています。お兄さん一二三選手とのダブルのオリンピック2連覇という偉業は大きなプレッシャーだったと思います。2回戦で畳に倒された時の呆然とした表情も頭に残っています。人間はここまで泣くのかと思わせる慟哭でした。

早田選手の嬉し涙、阿部選手の悔し涙の裏にどれだけの練習、努力、思いがあったのでしょうか。オリンピックに向けた圧倒的な努力が想像できるので、彼女達の涙がとても尊いものに思えます。因みに、早田選手のモットーは「練習は不可能を可能にする」だそうです。

中高生の皆さんには、うれし涙、悔し涙の背景にある、目標を目指して努力することの大切さを感じて欲しいです。スポーツではどれだけ努力しても、阿部詩選手のように、ちょっとした隙によって目標を達成できないことがあります。しかし、勉強では、努力は確実に学力向上につながります。勉強においては、練習(努力)は不可能を100%可能にする、と言えます。

なお、早田選手と3位決定戦を戦った韓国のエース、シン・ユビン選手の姿も忘れられません。早田選手に歩み寄ってハグして勝利を讃えた後、ベンチに戻り下を向いて泣いていました。見事なスポーツマンシップだったと思います。

数学目標点

先週の本欄で、7/7に実施された石川県総合模試の数学が難しかったことについて述べました。その平均点は34.5点でした。やはりこの平均点は異常です。数学の大問1は簡単な計算問題で、配点は30点です。ここで30点を取ることはそれほど難しいことではありません。仮にミスが1つあったとしても26点か27点になります。また、各大問の最初の小問は易しい問題ですから、それらで得点できれば10点程度を上積みできます。そうなると合計で40点程度にはなるはずです。

本欄で何回も述べていますが、数学では自分の目標点を確保することが非常に重要です。例えば、泉丘高校を志望する場合、平均点を50点と想定すると、80点取れば上出来、75点でまあまあ、70点が確保ラインです。二水高校志望であれば確保ラインは60点です。70点あるいは60点取ることは、それぞれ30点、40点分出来なくても(捨てても)良いことになります。こう考えると気持ちはかなり楽になるはずです。問題を解いていて今回は全体的に難しいと感じれば、想定平均点を下げて、自分の確保目標点も下げればOKです。

7/7模試で確保ラインを65点にした場合はどうでしょうか。上述のように40点プラスαは基礎点になり、20点程度の上積みが必要になります。平均点が非常に低い模試でしたが、全ての問題が難問だったわけではありませんから、プラス20点は決して厳しくはありません。規則性、関数、方程式応用、作図、証明、空間図形と、大問1以外には大問が6個もありますから、上積みは十分可能です。正に実力が試されます。

サミット・ゼミ夏期講習の数学で方程式応用問題、1次関数、三角形の合同の証明の3分野に集中して問題練習することは、易しい問題を解いた上での得点の安定的な上積みを狙っています。方程式応用問題の次に問題練習に入った1次関数ではかなりの問題数をこなしました。今週は、1次関数の問題を解く際の解法のテクニック、目のつけどころを解説しています。生徒の皆さんの強力な武器になるはずです。

衝撃的な平均点

サミット・ゼミは石川県総合模試(中3生対象)を団体受験しています。今年度初めての模試は7/7(日)に実施され、その結果が先週戻ってきました。5教科合計の平均点は230.5点と低く、特に数学の平均点は34.5点と衝撃的な低さでした。過去5年間の7月模試・数学の平均点は、46.7点、58.2点、46.3点、45.9点と推移し、昨年は44.7点でした。50点を割る難しい模試が続いていましたが、34.5点には驚きました。

日曜日に実施される模試の問題は翌月曜日に宅配され、私は英語と数学の問題をすぐに解きます。今回も直ぐに解きました。数学は易しくはないという印象でしたが、34.5点は私の予想をはるかに下回る低さでした。中3クラスの皆さんは、得点は高くはなかったものの、平均点が低かったので科目別偏差値はまあまあでした。

平均点が異常とも言える低さだった原因を考えてみました。中3生にとって初めての模試で緊張感があったかもしれません。難しかった大問2がパニックを招いた可能性があります。しかし、一番の原因として、出題者が幾つかの問題で加えた工夫に受験生が対応できなかったことが考えられます。そうであれば、対応策は、多少ひねりが加えられた問題にもしっかり対応できるよう標準難度プラスαの問題を数多く解くことになります。

中3クラスでは先週末から夏期講習が始まりました。数学は3つの分野を集中的に学習します。方程式応用問題・1次関数・三角形の合同の証明です。これらの分野は模試・入試で必ず出題され、3分野の内2分野の問題を解ければ、数学の得点が大崩れすることはありません。方程式応用問題の練習は、夏期講習開始より早く、1学期期末テスト後から始めてかなりの数の問題を解きました。今週からは1次関数の問題練習に入りました。次回8/25模試での成果を目指しています。

教え子との交流

今週の日曜日(7/14)に教え子のT君と飲みました。彼は東京の大学の理系大学院を卒業して、ある大企業に就職しました。今年社会人4年目になり、来月から海外に赴任します。海外赴任前に有給休暇消化のための長めの休暇を取り帰省しました。この3年間どのような仕事をやってきたのか、海外でどのような仕事をするのか、彼が趣味で続けている研究など話題は豊富でした。給料や、海外赴任手当、持株会についても話しました。生産管理に携わってきたT君は、現場の人たちと話し合う過程で、彼が入社する前に発生した問題に対する解決策を思いついたという話を聞いた時は感動しました。

先月末、中高の期末テストが終わって時間の余裕が出来たので上京しました。以前の上京は2泊でしたが、最近は教え子と会うことが多くなり3泊です。その上京では5人の教え子と会いました。その中には以前から気になっている教え子M君がいました。

建築を学ぶために東京の大学へ進んだM君がまだ学部生の頃、「民意」について尋ねるメールがあってビックリしたことを覚えています。大学でいろいろ学ぶうちに歴史や政治に興味を持ったようです。彼は人気企業に就職しましたが、2年ほどで辞めました。辞めた後どうしているのかずっと気になっていました。M君とは渋谷から東横線で一駅の代官山駅で待ち合せて、彼のオフィスを案内してもらいました。先輩が経営する会社に転職後、昨年から新規のビジネスに取り組んでいました。スタートアップ(革新的なビジネスモデルで社会にイノベーションを生み出す企業や個人)を支援する活動でした。その後お酒を飲みながらいろいろ話しました。若者がチャレンジする話は興味深かったです。

先月末の上京で最後に会ったのは、26年前に中1で入塾してくれた最初の生徒の一人であるR君です。彼は大手電機メーカー系の会社で働くSEです。約20人のチームを率いているそうです。翌日に仕事に関する発表をしなければならないとのことで、飲みながらそのシナリオを相談しました。何故か私がバッグからA4用紙を取り出し、彼との話を書き留めました。「こういうこと?」と時々確認しながら話を進めたところ、A4用紙両面に渡るプレゼンテーションの骨子が出来上がりました。後日確認すると、なかなか良いプレゼンができたようで、今度ご馳走してくれるとのことでした。

その上京で会った大学時代の友人には、若い人と様々な交流ができるのは羨ましいと言われました。確かに6名までの少人数制で卒業生とのつながりが濃いことがサミット・ゼミの特長の一つです。社会人になった教え子との交流では、自分のビジネス経験が活きますから密度の濃い話をすることができます。いつまでも「先生と話したい、先生に相談したい」と思ってもらえるよう、自分磨きを続けなければならないと考えています。

トットちゃんの学校

先週土曜日(7/6)のNHK、新プロジェクトXは、タレントの黒柳徹子さんが通ったトモエ学園小学校に関するストーリーでした。トモエ学園は、他校で受け入れを断られた子、差別を受けた子、事情のある子を受け入れました。黒柳徹子さんは、落ち着きがないという理由で、別の小学校を退学させられてトモエ学園に入ったそうです。

トモエ学園は、音楽教師であった小林宗作校長が、太平洋戦争が近づく昭和12年、東京・自由が丘に開校しました。小林先生は、「どんな子どもも、素晴らしい才能を持っている」、「教育は20年先を見て行うものだ」と語っていたそうです。番組では小林先生の教えを受けて、その後活躍した人たちが紹介されました。教育の重要性、素晴らしさを改めて感じました。

私がゼミの授業で繰り返して説いていることは次の三つです。勉強は自分のためにするものであること。将来アイデアを提案できるように幅広い知識を蓄えて考える力を鍛えること。授業をしっかり聞いて試験前の準備をきちっとすること、即ち努力をすること。そのために社会で起きている様々なことを具体的に紹介します。昨年、将棋の藤井聡太元8冠に最後のタイトル王座を許した永瀬拓矢九段の努力の話、クスリのアオキとスギ薬局の戦いのようなビジネス社会においてアイデアが必要な話など、生徒の皆さんが興味を持ってくれそうな話をします。

トモエ学園の小林先生は、教育は20年先を見て行うものだという信念を持たれていました。当時においては先進的な考え方だったと思います。今はAI(人工知能)が世の中に革命を引き起こしています。20年先どころか来年どうなっているかも予想は難しいです。私は通ってくれている生徒さんには、どんな時でも自分で判断できる人間に育って欲しいと願っています。状況を客観的に分析して問題点を洗い出し、解決策を考え出すことができるような人材です。英語、数学の勉強や個別の話し合いを通して、そのような人材を育てたいと考えています。その為に社会に対するアンテナを高くし、自らも勉強を継続するつもりです。

中2英語が難しい

各中学では1学期期末テストが終わりました。金沢市立中学の英語の教科書はNew Horizonで、2年生の試験範囲はUnit 2の接続詞でした。一つの文中に、メインとサブの二つの文があり、それらをwhen, if, thatなどの接続詞が結びつけます。

過去の経験からすると、中2の皆さんにとってはなかなか理解しづらい構文です。thatの使い方が他の接続詞と異なることも分かりづらさを増しているようです。期末テスト対策の授業では、中2の皆さんの顔を見て理解度を確認しながら、昨年までの説明より分かり易い説明をしました。

New Horizonの教科書では接続詞の後は不定詞、助動詞、動名詞という非常に大切な分野が続きます。中間テストの試験範囲は未来形とSVOO, SVOCでした。中2の1学期は英語が得意になるか苦手になるかを決める時期と言えるかもしれません。2021年度の教科書改訂により中学英語が一気に難しくなったと思います。

英語においてbe動詞、一般動詞の理解が最も重要です。それを前提にして未来形、接続詞、不定詞などを次々に学びます。英語が苦手な中2生は、もうすぐやってくる夏休みに、既習分野を復習することが望まれます。

金沢情報6/26号

昨日発行されたタウン誌「金沢情報」の学習塾特集に生徒募集の広告を掲載しました。今回は英語に焦点を当てた広告内容にしました。英語の授業の効果をお伝えするために実績を二つ紹介しました。

一つは、今年3月の公立高校入試の結果です。全体の英語の平均点は48.0点でしたが、ゼミ生4名の平均は86.25点でした。これは今年5/2付け本欄「狙い通り」で述べた通りです。もう一つは、2021年に実施された初めての大学入学共通テストでの英語リーディングでの成績です。全国平均点は58.80点でしたが、ゼミ生5名の平均は89.6点でした。

サミット・ゼミの英語の授業には揺らぎない自信があります。英語の授業の分かり易さは、浪人時代に英語を完全に克服したことに起因します。中高生時代、英語の成績はまあまあでしたが、決して得意科目ではありませんでした。実力不足が露見したのは早稲田大学(法学部)の入試でした。100点満点で50点を割ってしまい、そのために不合格になりました。

不合格を知った時、「勉強の神様はいる」と思いました。英語の甘さを自覚していたので、勉強の神様がしっかり勉強し直しなさいとおっしゃっているように感じました。当時は名古屋に住んでいて、河合塾に一年間通いました。河合塾のカリキュラムを真面目にこなした結果、英語の偏差値は得意科目の数学の偏差値を超えるまでになりました。浪人して英語を克服していなければ、日産自動車での輸出業務を上手くこなすことはできませんでした。学習塾を始めることもなかったでしょう。

26年前にサミット・ゼミを始めてから英語の授業、特に高校クラスの授業の内容をいろいろ工夫しました。開校数年後の2005年頃、英語の大学入試問題集の巻頭に書かれていた「受験生へのアドバイス」を読みました。正にその内容に応えるような授業内容になっていたのでとても安心しました。さらに、丁度その頃、名古屋で浪人した教え子が使った河合塾の英語のテキストを見て、ゼミの英語の授業内容で大丈夫と確信しました。

高校英語クラスの最大の特長は自由英作文をその場で添削することです。自由英作文は多くの大学受験生が苦手としています。また、2次試験・長文過去問練習での英文解説も特長の一つです。難しい英文構造を解説することで生徒の皆さんの英文理解力が上がっています。さらに自由英作文問題、長文問題は毎年の2次試験問題を少しずつ取り入れていますから、ゼミで使っている問題全体が毎年進化しています。

中学クラスの英語の特長は三つあります。先ずは速読練習です。石川県の公立高校入試は会話文、長文問題とも英文量がかなりあります。速読ができなければ50分で解き終えることができません。今年3月の公立高校入試でのゼミ生の好成績は速読強化によると考えています。そしてこの速読は大学入学共通テストにつながります。二つ目の特長は文法をしっかり教えていることです。当に英語の基礎であり、これが速読を支えます。三つ目の特長は、教科書の基本文と本文の重要表現をまとめたオリジナル資料です。これをマスターすれば中学英語はOKという強力な資料です。

中高時代、英語はイマイチよく分からないという感じでした。その英語を浪人時代に完全に克服しました。そして25年間英語を教え続けてきました。これらの経験から英語の授業が非常に分かり易いものに進化してきたのだと考えています。お任せ下さい!

サミット・ゼミ自戒集

先日、本箱の中を整理しているとクリアケースに入ったあるプリントが出てきました。「サミット・ゼミ 自戒集」で授業を行う上での心構えを述べたものでした。作成は平成10年(1998年)10月22日で、平成12年3月17日改訂となっていました。サミット・ゼミ開校は平成10年10月17日ですから、開校直後に中高生の皆さんに接する際の注意事項をまとめたようです。

心構えは12項目あります。その内の幾つかをご紹介致します。
・基礎を徹底的に鍛えること。応用はその上に積み重ねること。(富士山の裾野)
・子供たちをほめること。自信をつけさせること。
・子供たちと一緒になって喜び、悲しむこと。
・出来の良くない子供を馬鹿にしないこと。
・子供たちをじっくり観察すること。子供たちの意見を聞くこと。
・暴言を吐かないこと。生徒個人について言及する時は、生徒の気持ちを考えること。
・高校受験・大学受験の動向に対するアンテナは高くすること。

久しぶりに「自戒集」を読み直しました。なかなか良い戒めであり、今年10月に開校26周年を迎える今作成しても同じような内容になると思います。私は子供であっても人間は皆平等だと考えているので「指導」という言葉が大嫌いです。その言葉が持つ上から目線のニュアンスが自分のポリシーに反します。自戒集の心構えは、生徒の皆さんを一人のlady, gentlemanとして接することを基本にしています。

自戒集の各心構えを読みながら、実際に実行できているかなと最近の自らの言動を振り返ってみました。反省すべき材料もありましたので、このクリアケースはもっと目立つ場所に置くことにしました。

クチナシの蕾

ストレス解消と健康管理のためにほぼ2日に1回ジョギングしています。犀川河川敷を4.5kmほどゆっくり走ります。季節の移ろいを肌で感じることができます。走り終えた後、自宅に戻る途中に大きなクチナシの木があります。今の時期はクチナシの蕾の膨らみ具合がとても気になります。

5月20日頃に小さな蕾がついているのを見つけました。それからはジョギングの後必ず蕾の成長をチェックしています。昨年、クチナシの開花に気づいたのは6月22日でした。(手帳にメモあり。) 来週後半にはあの白い花を楽しめそうです。華やかな甘い香りはこの季節の大きな楽しみです。

小さな蕾が少しずつ大きくなるのを観察していて中高生の成長を思い浮かべました。蕾が一気に膨らんで花が咲くのではなく、本当に少しずつ成長します。太陽の光の加減、温度、湿度など幾つかの要素が複雑に影響しているのでしょう。中高生の皆さんも一気に成長するわけではありません。家の環境、学校での生活、友達関係、部活動など多くの要素の影響を受けながら少しずつ成長します。

クチナシの蕾の成長を期待しながら待ってきたのと同じように、中高生の皆さんが少しずつ着実に成長する姿を焦ることなく見守りたいと思っています。クチナシの一つ一つの花の違いは分かりませんが、生徒の皆さんは一人一人全く違うのでしっかり観察して適度な刺激を与えながら教え育てたいと思っています。

人材を育成する

今週火曜日(6/4)の日本経済新聞の二つの記事が私に刺激と力を与えてくれました。一つは16面(サイエンス・フロンティア面)にあった「半導体人材を大学で育成」という大見出しの記事です。もう一つは愛読欄である最終面の「私の履歴書」です。今月は2018年にノーベル生理学・医学賞を受章した京都大学名誉教授の本庶佑さんの履歴書です。

前者の記事は北海道大学や熊本大学などが半導体の高度人材を育てる取組みを始めたことを紹介していました。昨今はAIブームであり、それを支える半導体開発・製造に関する経済活動が非常に活発になっています。国が大規模に支援する半導体メーカーのラピダスは北海道千歳市に工場を建設中です。また、台湾にある世界最大の半導体受託製造企業であるTSMCは今年2月に熊本県菊陽町に第一工場を開設しました。

「私の履歴書」では、本庶先生が中高生の時に英語の英才教育を受けたことが紹介されていました。「科学という世界は国に関係なく国際社会を舞台に競う。公用語となるのは英語だ。論文を書くのにも講演をするのにも、あらゆる場面で英語の心配をせずに済んだのは、科学者として後々、大変ありがたかった。」と英語の重要性を述べられました。

大学での高度人材育成のベースは中高での勉強です。大学での専門教育のため、ゼミで中高生をしっかり鍛えなさいというメッセージをもらったように感じました。本庶先生の話は私の経験とダブります。私は浪人時代に英語を克服したおかげで自信を持って海外ビジネスを行うことができました。英語の心配はありませんでした。本庶先生の経験談は私に力を与えてくれました。サミット・ゼミのアピールポイントである英語の分かり易さを進化させるつもりです。

二つの新聞記事はゼミの授業で生徒の皆さんに紹介する予定です。今取り組んでいる勉強を着実に自分のものにするよう激励します。サミット・ゼミに通って良かったと将来思ってもらえるように生徒の皆さんを育てるつもりです。

一つ気になる記述がありました。最初の記事の中に「製造プロセス全体を俯瞰する即戦力のリーダーを育てる。」という記述です。物事を進める上で全体像を把握することは非常に大切ですが、中高生の勉強とは直接関係しません。生徒の皆さんと何か話し合う時に、「木を見て森を見ず」ではなく森全体を捉えることの重要性について話せれば良いかなと考えています。私もいろいろ勉強しなければなりません!

私立大学も立派な選択肢

アクタス6月号に高校別の大学合格者数を伝える特集記事が載っています。その特集では、先ず高校別の国公立大学合格者数を伝えています。1位は昨年同様、泉丘高校で、2位は昨年4位だった桜丘高校、3位は昨年と同数ながらも昨年2位の二水高校でした。昨年3位の小松高校は今春4位になりました。昨年よりも41人増えて276人になり、260人の二水高校を超えた桜丘高校の先生方の喜びは大きかったことでしょう。

大学受験に関して、当地の高校の先生方には何が何でも国公立大学という風潮があります。高3生に私立大学受験のことを一切話さない先生もいます。学費を考えると国公立大学優先になることは当然ですが、素晴らしい私立大学はたくさんあります。高校の先生方が何故国公立大学にこだわるのか非常に疑問です。例えば、皇室の佳子内親王が卒業されたICU(国際基督教大学)の素晴らしさを理解できている先生方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。

以前、桜丘高校に通う生徒さんが進路で苦しんだことがありました。高2後半のことです。ご両親と相談してある私立大学を志望校にしたところ、先生に反対され金沢大学を目指すように言われました。その私立大学は簡単に合格できる大学ではありません。学校の先生が学費を出すわけでもないのに何故私立大学を認めないのか理解できませんでした。先生とのバトルが続いた後、結局、彼女は最初に決めた私立大学に進学しました。高3の一年間は辛かったと思います。

昨春、立命館大学に進んだ教え子がいます。彼には将来やりたいことがあり、その勉強をするには優れた指導者のいる立命館大学か大阪公立大学が良いとのことでした。立命館大に合格した時点で大阪公立大の受験を止めるかなと思いましたが、予定通り2/25に受験して見事合格しました。そして、より良い研究環境を求めて立命館大を選びました。尊敬に値する見事な選択でした。

因みに、私が就職した日産自動車(法規部・アジア大洋州営業部・海外広報部)で私の周りにいた人達の出身大学を思い起こすと、早稲田大、慶応大、上智大、立教大、ICUという私立大学がほとんどでした。研究開発部門では状況は異なると思いますが、東京の大企業の営業・事務部門では私立大出身者が多いと思います。

中2、中間テスト英語が難しい!

今週から来週にかけて各中学で一学期中間テストが行われています。中2クラスでも英語、数学のテスト対策に追われています。サミット・ゼミ中学クラスでは、英語の定期テスト対策として教科書の試験範囲をしっかり復習します。各単元の文法を学ぶ基本文だけではなく、教科書本文の重要表現も解説します。それらをまとめたオリジナルプリントもありますから、テスト対策はかなり手厚いです!

2001年度から教科書が変わりました。英語は中学で学ぶ単語数がかなり増え、文法も難しくなりました。金沢市立の中学が使っているNew Horizon 2ではUnit 1で未来形と5文型を学びます。学年が上がったばかりの中2生にとって、willとbe going toの未来形だけではなく、5文型という非常に難しい分野が試験範囲になります。

5文型の基本文は”I will show you the Merlion.”(私はあなたにマーライオンを見せます。)と”People call it the Singapore Flyer.”(人々はそれをシンガポールフライヤーと呼びます。)です。前者は主語・動詞・目的語・目的語(SVOO)、後者は主語・動詞・目的語・補語(SVOC)の構文です。英語には文型が5つあり、これらは第4文型、第5文型と呼ばれる複雑な構文です。中2の最初にこれらの複雑な構文を学ぶのですから、新しい教科書を初めて見た時はビックリしました。しかも、教科書でS, V, O, Cという用語を使っています。

中1の段階でbe動詞と一般動詞の区別が明確になっていない生徒が少なからずいます。”He is kind.”(SVC)や”I play tennis.”(SVO)のような構文です。今までは動詞(V)の後ろに言葉が1つ(補語Cか目的語O)だったのが、Unit 1では動詞の後ろに言葉が2つ(OOかOC)になるのですから大変です。英語が分かるためには5文型の理解は必須です。中2の皆さんにとって踏ん張りどころです。

勉強の基本

今週は各高校で、来週から再来週にかけては各中学で1学期中学テストが予定されています。ゼミの授業もテスト対策の内容になっています。

中高生の勉強の基本は、学校の授業をしっかり聞き、定期テストの勉強をきっちりすることです。本欄で何回も述べている通りです。この世の中に「絶対」ということはあまりありません。しかし、勉強の場合、この基本を守れば「絶対に」成績は上がります。言葉を換えれば、真面目に努力を積み重ねることができるかどうかです。

大学受験を終えた人達に対するアンケート調査には「悔いが残るもの」という項目があります。この質問に対して、定期テストをもっと大切にすれば良かったという回答が多くあります。一つ紹介します。「定期テストの時点で分からないところをつぶさずに放っておいたので、受験期に勉強し直さなければならないことがありました。習ったその日に復習し、最低でも定期テストまでに自分のものにしないと後から本当に後悔します。」

私自身の経験でも、東大に合格できたのは、浪人時代に英語が本当に分かるようになったことも大きいのですが(この勉強法を高校クラスで伝授しています)、中間テスト・期末テストで手抜きなく勉強していたことが最大の原因だと思います。浪人して河合塾の授業を聞きながら、一つ一つの勉強の内容がジグソーパズルのピースのように上手く組み合わされていくのを感じました。

サミット・ゼミ25年半の経験から言うと、高校生が必要な予習・復習をしながら学校の授業についていき、定期テストの勉強をきっちりすれば金沢大学水準以上の大学に合格できると断言できます。中学生の場合は、5教科で400点以上は取れるはずです。頭が良いから成績が良いのではありません。当たり前のことを手抜きしないで当たり前に実行することが非常に重要です。

ある就活の話

中3の皆さんが修学旅行に出かけた先々週、私は東京へ遊びに行きました。当ゼミの年中行事の一つです。以前は2泊でしたが、近年は3泊しています。大学進学や就職で東京に住んでいる教え子が多くなったからです。今回は大学や高校の友人、教え子達と会う充実の旅でした。今回の東京旅行の目的の一つは早稲田大学4年のNさんと話すことでした。Nさんは中2から高3まで通ってくれた女子です。卒業の時に贈ってくれたシャツを着てJR有楽町駅で待ち合せました。

話題は何といっても就活でした。近年は採用する企業側よりも就職する大学生側の立場が強い売り手市場と言われています。しかし、人気企業へは学生が集中するので、有名大学、難関大学の学生でも就職は決して楽ではありません。Nさんはどうかなぁ~と心配していましたが杞憂でした。既に内定を幾つかもらっていて、どれも素晴らしい会社でした。就活の話というより、どの会社がより良いかという話になりました。こうなると私のビジネス感覚が生きます。

非常に残念だったことはNさんの就活対象に石川の企業が含まれていなかったことです。何故石川の会社を就職先候補にしなかったのか尋ねました。大学の友人たちは皆、東京の企業を考えているので、自分もそうなったという答えでした。ごく自然な考えです。大都市、特に東京の大学に進学した人は東京で就職する傾向が強いです。東京の大学で学んで石川で就職した教え子もいますがごく僅かです。

先月11日付け本欄『女性「Uターンない」』で述べた通り、石川県はUIターンを促進する取組みをしています。しかし、東京の大学で学ぶNさん達はその取組みを知りません。彼ら彼女らは石川にも東京株式市場のメインマーケットであるプライム市場に上場している会社が多数存在していることを知らないのです。

最近は東京一極集中がまた進んでいると言われています。Nさんや他の教え子達のことを考えると確かにそうです。これでは地方が中央への人材供給基地であった明治時代と同じです。地方は帰省先で自然や食を求めて旅をする場所という位置づけだけで良いのかと複雑な思いを抱いて金沢に戻ってきました。

狙い通り

今年3月6日・7日に行われた公立高校入試の平均点が分かりました。英語48.0点、数学51.1点、国語67.2点、理科52.0点、社会41.1点、合計259点でした。過去10年間の合計点の平均は249.8点でしたから、全体としてはやや易しめだったと言えます。

英語は4年間50点割れが続いた後、去年は50.2点に上がりましたが、また50点を割り込みました。数学は50点割れが5年間続いていました。50点台になったとはいえ易しい入試ではありません。問題は社会です。40点台が2年続いた後、一昨年は39.9点、去年が41.9点でした。今年の41.1点で、3年連続で40点前後になりました。難しさの原因は記述式問題です。思考力を問う良問ですが、中3生が解く難度ではありません。就職試験に出ても良いくらいの難度です。受験生が可哀そうだと思います。

私は英語の平均点に注目していました。今年受験した4名の平均点が86.25点だったからです。48.0点という平均点を知ってとても嬉しかったです。本欄で何回か述べた通り、昨年度の中3クラスでは速読練習をかなり強化しました。その練習の成果は模試で表れていましたが、入試本番で練習の正しさと効果が証明されました。英語が得意ではなかった生徒さんもいましたから、彼らの頑張りを素直に評価しています。今年度の中3クラスも昨年同様の取組みで生徒の皆さんを鍛えるつもりです。

4名の数学の平均点は76.25点でした。4名とも大問2のパスすべき面倒な問題をパスしました。そのおかげで50分の制限時間を上手く使うことができたようです。これも練習の成果です。数学は、得意な人でも時間配分を間違えて失敗する可能性があります。自分の目標点を獲得する練習を重ねる必要性を改めて感じました。

ところで、入試の平均点は4月23日の教育委員会会議で報告されました。その日に報告されることは今月初めに教育委員会のホームページ上で公表されていました。しかし、実際にホームページ上で確認できたのは1週間後の4月30日でした。のんびりした業務処理であり、民間企業では考えられない仕事の遅さです。