塾長からの一言 - サミット・ゼミ | 少人数制の学習塾 - Page 2

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塾長からの一言

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久しぶりの秋入学報道

今月8日に金沢地方気象台は金沢のソメイヨシノの満開を宣言しました。丁度その日に当地の高校、中学校そして小学校で入学式が行われました。子供たちの新たな出発を満開の桜が彩る風景は華やかな春の風物詩です。

翌日の地元紙で各校の入学式の記事を読んでいる時に今年2月10日付け日本経済新聞の記事を思い出しました。大阪公立大学が2027年度から秋入学を導入することを伝える記事です。秋入学については2011年7月に東京大学の浜田純一学長が2015年までの全面移行を目指すと発表して大きな波紋を呼びました。世界標準となっている9月入学に合わせることで、グローバル化に対応できる人材を育成することが狙いでした。

大きな議論が沸き上がりましたが、結局は変わりませんでした。その後2020年春に新型コロナウイルス感染拡大により全国で休校措置が取られたことをきっかけに、学業の遅れを取り戻すことを目的にして9月入学を求める声が上がりました。政府も9月入学移行の検討開始を表明して社会的な論争に発展しました。

この時は全国知事会が、教育システム、社会システムを変えるきっかけにすべきと9月入学の導入を提案しました。9月入学に前向きな議論が多かったので、秋入学に変わるかもしれないと感じたものです。しかし、時間をかけた十分な議論が必要だという反対論が根強く見送りになりました。コロナ禍で社会が混沌としていましたから、当時の安倍晋三首相が強いリーダーシップを発揮すれば実現したのではないかと思います。

4年ぶりに「秋入学」についての新聞報道に接しました。大阪公立大学の今後の動きが気になります。大阪府の吉村洋文知事は政策を力強く推進するリーダーですから、実現する可能性は小さくないと思います。9月入学はグローバル化の進展に馴染む制度であり、地盤沈下傾向が続く日本経済にとっては望ましい方向だと思います。満開の桜の下での入学式という風景はなくなりますが…

NHK 新プロジェクトX

今月6日にNHKの「新プロジェクトX」が始まりました。旧シリーズの「プロジェクトX」は2000年から5年半に渡って、黒四ダム、青函トンネルなどの巨大建設工事、VHS開発などのプロジェクトに関わった人々のドラマを紹介しました。私の大好きな番組でVHS、東海道新幹線、YS11(日本初の国産旅客機)などの番組を覚えています。オープニング曲「地上の星」とエンディング曲「ヘッドライト・テールライト」が印象的でした。

新シリーズの放送前に生徒の皆さんのご父兄に番組を紹介しました。4月6日の初回は東京スカイツリーの建設工事がテーマでした。私は授業があるので録画して、その日の深夜に番組を見ました。大工事に挑む技術者の苦悩、最初は対抗意識のあった職人たちのチームワークが上手く紹介されていました。良い番組だと思いました。何人かの生徒さん達も番組を見て感動したそうです。

番組に登場したゲストが「達成感」という言葉を使っていました。困難な目標に立ち向かい、様々な苦難を乗り越えて目標を成し遂げて得られる達成感は素晴らしいです。私自身のビジネスマン時代を振り返っても、達成感を求めて仕事をしていたように思います。生徒の皆さんにも「達成感」を味わって欲しいと思います。高校入試・大学入試での合格が代表例ですが、定期テストでの好成績も同じです。頑張ってテスト勉強すれば好成績を取れます。「やればできる」という達成感です。この蓄積で学力は向上します。

20年前の旧シリーズに関しては残念なこともありました。「やらせ」です。実際は荒れておらず、前々から吹奏楽部があった高校を、荒れていて音楽など全く縁がなかった高校と紹介しました。(2005年5月10日放送分) 大好きだった番組が終わった原因を知って虚しく思った記憶があります。中高生に「自分も頑張ろう」という気持ちを起こさせる素晴らしい番組なので、視聴率を狙った脚色は絶対に避けて欲しいです。

女性「Uターンない」

4年前の2020年3月12日付け本欄「挑戦そして感動」で、センター試験(今の共通テスト)で失敗してD判定(合格可能性35%)という厳しい判定がついたものの金沢大学に逆転合格を果たしたAさんをご紹介しました。受験前にトラや白くまに追いかけられて食べられてしまう夢を見ていたAさんの頑張りのことを考えると今でも涙が出てきます。そのAさんは先月大学を卒業し、今月から東京のある大企業で働き始めました。

Aさんの東京での就職に関して気になるデータがあります。昨年12月1日に日本経済新聞の北陸経済面に掲載された記事で、北陸経済連合会が行った女性の就業意識に関する調査結果です。首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)で働く北陸出身の女性169人の63%が「北陸に戻ることはない」と考えているそうです。この数値は3年前の調査から14ポイント増えました。その理由として首都圏の魅力が多く挙げられたと同時に、「地元は閉鎖的」や「やりたい仕事が北陸にはなかった」などの北陸に対する消極的な評価があったそうです。

これは女性に関するデータであり、もし男性に対して同じ調査をしたなら「北陸に戻ることはない」と考えている人の割合はさらに大きくなると思います。私の教え子で首都圏の大学に進学した男子はほとんど石川には戻っていません。

この状況に対する考え方はいろいろあると思います。世の中はそんなものだと考える人もいるでしょうが、私は、地方創生の観点から真剣に検討すべき課題だと考えます。今から約150年前の明治維新では、日本が欧米諸国に追い付くために中央集権を進めなければなりませんでした。地方は東京に対する人材の供給基地として機能していました。しかし、今は時代が全く異なります。ICT(情報通信技術)の時代ですから東京に集中する必要はありません。

首都圏、名古屋圏、関西圏の大学に進学して視野を広めた人材が石川に戻って活躍すれば、地元がより元気になると強く思います。インターネットで調べてみると、石川県はUIターンを促進する取り組みを行っていますが、腰を据えて実施しているとは思えません。大都市圏の大学に進学した私の教え子達が就職活動をしている時、ごく一部の例外を除いて、彼らの就職希望先に石川の企業は入っていませんでした。県の取組みが就活生に届いていないのです。これで良いのでしょうか。

因みに、Aさんは石川の会社の内定を辞退して東京の会社に就職しました。とても頑張り屋さんなので地元に残って欲しかったです。東京でキャリアを積んだ上で石川にUターンするというシナリオは、残念ながら期待薄です。

出会い、そして別れ

先週のある日、大学受験を全て終えた生徒さんとちょっと豪華なランチをしました。「金沢情報」2月28日号・学習塾特集の広告で写真のモデルになってくれたMさんです。Mさんは中2から高3まで通ってくれました。5年間という長い間一緒に勉強してきました。様々な出来事、受験勉強そして将来のことなど話題が尽きず、ランチの3時間はあっという間に過ぎました。

私は一人一人の生徒さんとなるべく話をするようにしています。Mさんとも勉強法、進路、気持ちの持ち方などいろいろな話をしてきましたが、彼女はちょっと特別でした。Mさんは斜に構えることなく非常に素直なので、遠慮なく腹の底から話をすることができました。そのような関係でしたから、ランチの楽しさは格別でした。

Mさんとのランチ後、自宅近くのお寺の掲示板の言葉が目に入りました。「人は出会いによって育てられ、人生は別れによって深められる」(京都東本願寺・法語行灯)という言葉です。もう彼女と一緒に勉強することはできないと寂しく思っていましたから、心にしみました。

新年度に入り、新たに一緒に勉強し始めた人が何人かいます。この出会いによって彼ら彼女らが着実に成長できるように頑張らなければならないと気持ちを引き締めています。Mさんは関西の大学に進学しました。今後も何らかの形でサポートできれば良いなと思っています。

東京都立高校の入試問題

今月、公立高校入試が終わった週末に、所用で東京へ行ってきました。空いた時間があったので新宿の紀伊國屋書店に寄りました。1階から8階まで本が並んでいる日本最大級の本屋さんです。学習参考書コーナーも充実しているので、東京へ行く際はよく訪れて高校生向け参考書をチェックします。今回は高校生向け参考書をざっと見た後、高校入試問題が並んでいるコーナーへ行きました。

公立高校入試が終わったというタイミングだったので、いつもは行かないそのコーナーに自然に足が向きました。東京都立高校の入試問題はウォッチしなさいという神のお告げがあったようでした。都立高校入試には共通問題と自校作成問題があり、一部の高校は国語・数学・英語の独自問題を作成します。一部の高校とは日比谷、西のような進学指導重点校と呼ばれる難関校です。今回は英語の入試問題を細かくチェックしました。

都立高校の共通問題は石川県の公立高校入試の問題と比べて難度は同じくらいだと感じました。驚いたのは自校作成問題です。日比谷高校と西高校の問題をチェックしたところ、共通問題に比べて格段と難しかったです。例えば、日比谷高校の去年の入試問題は大問2の会話文、大問3の長文の問題文がかなり長く、石川県の会話文や長文の約1.5倍の長さでした。また大問4は資料から自分の意見を50語以上の英語で述べる問題で、大学入試に出題される形式の自由英作文でした。石川県の公立高校入試に比べると相当難しいです。(大問1のリスニングは共通問題と同じ。)

日比谷高校や西高校の英語入試問題を見た時、当地とのレベルの差に率直に危機感を持ちました。しかし、慌てることはないと思い直しました。中学英語を完璧にして高校に進み、高校で高校の勉強を頑張れば、大学入試で日比谷高校や西高校の生徒に負けることはないだろうと思います。サミット・ゼミの進学実績からも断言することができます。

難関の都立高校を意識すると、当地の公立高校入試の問題がまあまあ出来るというレベルより高いレベルを目指さなければなりません。入試問題を難なく解けるというレベルです。速読をマスターして大量の英文を速く読めるようにした上で、レベルアップのカギはズバリ英作文だと考えています。石川県の公立高校入試の最後の小問は「4文以上のまとまりのある英文」で配点は8点です。日比谷高校の入試でも大問4は50語以上の自由英作文です。

先週ご紹介した通り、公立高校入試合格者の英語の成績は4名の内、情報が分かっている3名は80点以上でした。この一年間の彼らのパフォーマンスを振り返ると、速読ができるようになり得点が安定してきました。しかし、最終的に、上述の配点8点の英作が課題になりました。4文以上のまとまりのある英文は難しかったです。最終的にこの8点はできなくても良いという「おまけ」にしました。得点しなければならないという生徒の皆さんのプレッシャーを取り除く作戦でした。

新中3クラスでは、今春「おまけ」だった英作文で得点できるように導いていくつもりです。そのための具体的な授業内容は頭の中に描けています。なお、速読練習は既に開始しています。新中3の皆さんが一年間でどこまで伸びるかとても楽しみです。サミット・ゼミの中3クラスの英語は新年度に進化します!

高校入試結果を受けて

先週木曜日(3/14)に公立高校入試の合格発表がありました。サミット・ゼミの4名は全員が合格できましたが、今年は今までで一番心配していました。2/4に行われた石川県総合模試・最終回の結果が芳しくなかったからです。模試によって成績が変動していた生徒さんもいて、本当に祈るような気持で3/14正午を待っていました。万が一の場合は東尋坊へ行くことになるかもしれないと半分覚悟していました。

北國新聞会館前で全員の合格を確認した時は心底ホッとしました。4名の皆さんはよく頑張りました。本日(3/21)の時点で3名から入試の得点を教えてもらっています。それを見ると合格に相応しい得点の仕方でした。

先ずは、英語でしっかり得点できていました。3名とも80点以上で、90点の生徒さんもいました。模試でも高得点を取っていましたが、その実力がそのまま発揮されました。英語が得意であれば入試に強いと改めて思いました。あるレベルを越えれば得点の信頼度が非常に高い科目です。

次は数学です。一番怖かった科目です。数学はテストで失敗し易い科目です。先週の本欄で述べた通り、今年の入試問題では第2問の小問2の面倒な問題への対処がポイントだと思っていました。パニックに陥る原因になりうる小問でしたが、話を聞けた二人はその小問をパスしたそうです。これは50分練習の成果です。数学は3名とも80点前後の得点で、無難に乗り切りました。

英語は速読ができるようになり、焦ることなく50分の問題を解けるようになっていました。数学は難問、時間がかかりそうな問題はパスして自分の目標点を確保する練習を繰り返しました。結果的には、この一年間練習してきたことの成果が出たことになります。入試本番の緊張した雰囲気の中で練習の成果を出した生徒の皆さんは立派でした。

何故あれだけ心配したのか、今は笑ってしまいます。元々心配性の上、日産自動車の法規部時代に、常に最悪の事態を想定して仕事をしていましたから、その考え方が今も残っているようです。今回は本当に心配したので、寿命が1週間ほど縮まったかもしれません。

公立高校入試 in 2024

本日合格発表があった石川県の公立高校入試は先週水曜日・木曜日(3/6, 7)に学力テストが実施されました。例年同様、試験翌日に新聞掲載された英語と数学の問題を解いてみました。

英語は昨年と同じ大問構成と問題形式でした。昨年、大問2の問題形式が変わったので、今年は変更がなかったのでしょう。英文資料に基づく会話文の大問3と二つのグラフに基づく長文の大問4は昨年同様かなりの英文量でした。

英語の問題は3/7日の北國新聞14面全面に掲載されました。その面全体を俯瞰して見ると、とても良い問題であると感じました。大問1のリスニング、大問2の英単語並び替え、そして上述の2問の英文読解問題の4問構成です。英文の読み取りだけではなく、リスニングはもちろん文法力そして作文力も問われているので非常にバランスが取れています。

数学も問題構成は昨年同様でした。数学は力のある人でも失敗することがよくあるので、入試において最も重要な科目と言えるかもしれません。試験前半の問題でつまずくと冷静さを失いパニックに陥る可能性があります。解くのに時間がかかりそうだと判断して次の問題に移れれば良いのですが、プレッシャーがかかった入試本番ではその判断は容易ではありません。

今年は第2問が大きなポイントだったと思います。データ分析の問題で、小問2が思考力と判断力を要求する難問でした。この問題への対応が数学の得点に大きく影響したと思われます。問題全体としては、易しい問題、標準的な問題、思考力を要求する難問が上手く組み合わされていると感じました。数学の平均点は過去5年間、50点割れが続いています。今年はどうなるでしょうか。

今年の入試を受けて新中3クラスの授業方針を考えました。英語は従来通りで、文法を固めた上で速度練習を強化します。大量の英文でも速読して、余裕を持って英作文に取り組めるようにするつもりです。数学は入試で出題されるような難問に対する思考力をより磨かなければならないと考えています。また50分の使い方の練習を強化するつもりです。

金沢情報2/28号・学習塾特集 その3

今週は先週の続きです。生徒の皆さんのやる気を引き出すことはなかなか難しいです。しかし、これは学習塾にとって大切な責務の一つです。日本が豊かになり、多くの子供たちはそんなに頑張らなくても生活できるだろうと思っています。うちの子には欲がないとおっしゃるご父兄が少なからずいらっしゃいます。

何とか生きていけるだろうと漫然と思っている子供たちに、将来の給料は少なくても良いのかと聞くと、それは嫌だと言います。そこがポイントです。給料をたくさんもらうためにどうすべきかを話します。彼らが納得できるように話せば勉強の必要性を理解してくれます。私は実例を話します。例えば、スギ薬局とクスリのアオキの闘いです。彼らにとってドラックストアは身近な存在なので、厳しい競争社会でアイデアを出すことの大切さ、即ち勉強の大切さを理解してくれます。

進路や将来に対するコーチングはサミット・ゼミの大きな強みです。私の社会人経験と塾長経験が生きます。高校生が進路を考える時、医師や弁護士志望の場合はそれぞれ医学部、法学部と明確です。しかし、そうではない場合の判断は易しくはありません。その時、生徒さんとしっかり対話します。希望を聞き、適性を考慮した上で、幾つかのオプションを提示することが極めて重要だと思っています。高校は理数科に入り、大学は法学部に進みましたから文系、理系両方のことが分かります。私はビジネス社会と学校での勉強の架け橋的な役割を果たしたいと考えています。

金沢情報2/28号の「生徒の声」にメッセージをくれた早稲田大学・法学部出身のR.Fさんはもうすぐ社会人5年目を迎えます。今年2月1日付け本欄で述べましたTOEIC935点を取った教え子が彼です。彼だけではなく、社会人になった数多くの教え子と連絡を取っています。私自身のビジネス経験は平坦ではなく良いこともそうではない辛いことも多々ありました。教え子たちには私の経験を参考にして欲しいと願っています。

私自身、進路の選択に関しては悔いが残っています。高3の夏のことでした。頭の中は理系でしたが、政治家になりたいと思い法学部を目指しました。しかし、法学部の勉強は全く面白くなく、工学部で都市計画の講義を聞きました。今から思えば軽率な学部選びでした。もし、高校時代にミスター半導体と呼ばれる東北大学の西澤潤一教授(2018年に92歳で死去)のことを聞いていれば、その道に進んだかもしれません。選択肢を知らなかったのです。

高校時代に親や学校の先生と進路についてしっかり話した記憶はありません。情報収集しなかった自分が悪いのですが、非常に悔やまれます。大学卒業後は日産自動車の海外法務・輸出や貿易商社での輸入などの仕事をしました。どの舞台でも頑張って仕事をしました。仲の良い高校、大学の友人たちは医師、大学教授、ビジネス界のリーダーとして活躍しているので、学習塾を始めても世の中に対するアンテナは高くしてきました。それらの経験や交友は学習塾の仕事には直接役立ってはいないものの、生徒の皆さんへ然るべき情報を提供するベースになっています。

オジサンを過ぎる年齢になってしまいましたが、ほぼ二日に一回の約5kmのジョギングはずっと継続しています。気力が続く限りは健康に留意し、社会へのアンテナを高くし続けながら中高生の皆さんを力強くサポートしたいと思っています。(「サポート」です。人間は平等だと考えているので、上から目線の「指導」という言葉は大嫌いです。) どうぞよろしくお願い申し上げます。

金沢情報2/28号・学習塾特集 その2

先週の本欄の最後に、「どこにも負けない分かり易い授業、生徒の皆さんにやる気の炎を灯すこと、対話による進路や将来に対するコーチング」と書きました。今回は具体的に述べてみます。

学習塾にとっての授業は企業にとっての商品ですから、最も重視しているポイントです。先ずは英語です。中学英語では教科書の完全マスターを狙っています。文法を完璧に理解し、教科書に出てくる大切な表現(例えば、look forward to doing)を覚えます。そのために教科書の基本文、重要表現をまとめたオリジナル資料を準備しています。また、中2後期から速読練習を始めて高校入試時点で速読技能を習得します。石川県公立高校入試の英語は難しく、その原因は会話文と長文の問題の長さです。速読ができるようになれば50分の制限時間で余裕を持って解答できるようになります。

高校英語では大学入試を目標にして英文読解力と英作力をつけます。英文読解については、共通テスト・リーディング(マーク式)対策と2次試験の長文問題(記述式)対策に分かれます。共通テスト対策は、単語力、速読力がベースで様々な問題形式に慣れていきます。長文問題対策は、文法をベースとした英語構文を解析する力を養います。長文練習の後には全英文を解説していますが、非常に好評です。英作については基本文を覚えた上での添削練習を行います。高校生が苦手とする自由英作文は練習を重ねて慣れることが重要です。高3一年で20回程度練習しています。これらに加えてリスニング対策も実施します。大学入試時点の英語力で世の中に出ていくという前提で高校生を鍛えています。

次に数学です。中学数学では教科書の内容を理解して上で数多くの問題を解いています。数多くの問題を解くことで模試や高校入試の問題を解くことができるようになります。速くて正確な計算は大前提です。中学数学では、しっかり考えること、を大切にしています。思考力がなければ難問に対処することはできません。高校数学は中学数学と同様で、先ずは教科書の理解が大前提です。そして数多くの問題を解きます。たくさんの問題を解くことで各分野の解法のテクニックを養います。この場合も思考力は欠かせません。共通テストの数学は時間との戦いという側面がありますから、制限時間の使い方にも配慮します。

教室での授業形式は、英語は6名までの一斉授業で、和訳や英作は個別に添削しています。クラス全体の力を引き上げるイメージです。数学は一名一名に個別に対応しています。個別指導と一斉授業の良い部分を組み合わせているつもりです。25年間の経験の中で形作られてきた授業は「どこにも負けない分かり易い授業」になっていると考えています。

他塾との差別化という意味では、英語の速読、長文問題の解説、自由英作文の即時添削、数学の思考力養成を挙げたいと思います。長くなりましたので、やる気の炎と対話による進路や将来に対するコーチングについては来週の本欄で述べさせて頂きます。

金沢情報2/28号・学習塾特集

来週水曜日(2/28)に発行される金沢情報の学習塾特集に生徒募集の広告を掲載します。初めてサミット・ゼミのことをお知りになる方もいらっしゃると思いますので、概要をご説明申し上げます。

1998年10月に羽咋で開校しました。直ぐに羽咋と金沢の2教室体制になりましたが、体力的に厳しかったので2005年からは金沢教室だけになりました。縁あって通って下さる生徒さんをしっかりサポートするために、1クラス6名までの少人数制をずっと守っています。2教室体制の一時期、金沢大学の学生に講師を依頼したことがありましたが、塾長一人で教え続けてきました。

対象学年は中2から高3で、英語と数学を教えています。(中3の夏期講習では5教科全て) サミット・ゼミは英語に強いと言われていますが、中高の時、英語は得意教科ではありませんでした。その英語が原因で大学浪人しました。しかし、浪人時代に英語を克服し、その勉強法が高校英語クラスのベースになっています。この勉強法には絶対的な自信があります。東京外国語大学・英語学科に合格した教え子が「いつの間にか以前には解けなかったような問題も解けるようになっていて、うれしくなることもありました。」と語ってくれました。

塾長の中高時代の得意科目は数学でした。高校は理数科に入学しました。様々な解法のテクニック(問題を解く際の目の付け所)、計算の裏ワザ、計算ミスの防ぎ方を教えています。生徒の皆さんの答案プリントもしっかりチェックしています。

授業を行う上での根本的な考え方は、生徒の皆さんを、将来、どんな場面に際しても自分で判断できる人間に育てるということです。2002年にノーベル物理学を受賞された小柴昌俊先生は、知識と考える力の掛け算で人間の能力が決まると話されました。幅広い知識と深い思考力があれば、難しい局面でも解決するアイデアが湧き出るのです。高校入試そして大学入試を目標にして、幅広い知識と深い思考力を身に付けてもらいたいと思って授業をしています。

もう一つの根本的な方針は、努力の実践です。幅広い知識と深い思考力を身に付けるためには努力が必要です。頭が良いから難関大学、有名進学校に合格するわけではありません。然るべき努力があって初めて栄冠を勝ち取ることができます。将棋の羽生善治永世竜王は、才能とは努力の継続であると話されました。私は早稲田不合格の悔しさをバネにして勉強して東大に合格しましたが、大学の友人たちも努力した人たちでした。努力の積み重ねで相当な成果を上げることができることを入試を通じて経験して欲しいと思っています。

学校の先生と私の一番大きな違いは社会人経験です。大学卒業後に就職した日産自動車(国内・国際法務、輸出)や貿易会社での約20年の勤務経験は、生徒の皆さんに勉強の必要性、大切さを説くときの説得力につながっています。休憩時間には社会での実例の話をすることがあります。スギ薬局の金沢進出のような具体的な話は生徒の皆さんへの良い刺激になります。

おかげさまで昨年10月に25周年を迎えることができました。この経験と社会人経験を基礎として、どこにも負けない分かり易い授業、生徒の皆さんにやる気の炎を灯すこと、対話による進路や将来に対するコーチングをさらに進めて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

向上心

先週の本欄のタイトルは「負けず嫌い」でした。その「一言」を準備している時に「向上心」という言葉が気になりました。負けず嫌いと向上心は同じだろうかと…

インターネットで向上心の言い換え表現を調べてみると、「負けず嫌いである」「現状に満足せずに一つ上をめざす」「ハングリー精神がある」「現状打破のために試行錯誤できる」「目標達成のために粘り強く取り組むことができる」「失敗してもそこから学ぶことができる」という表現がありました。どれも前向きな姿勢を表す表現です。「負けず嫌い」イコール「向上心」と言って良さそうですが、前者には少しマイナスのイメージがあるように感じます。人によって感じ方に違いがあるかもしれません。

昨春、お茶の水女子大学に合格した生徒さんがいます。彼女は中2の時から一緒に勉強しました。穏やかで優しい素晴らしい性格の頑張り屋さんでした。彼女が高3の時の数学の授業中、突然トイレに駆け込んだことがありました。思いがけない行動にビックリしました。問題を思い通りに解けなくて悔しかったそうです。そのような負けず嫌いな面があるからこそ成績が伸びました。

彼女は泉丘高校出身です。ある時、泉丘の生徒は皆、向上心があると語っていました。なるほど、と思いました。頭が良いから良い高校にいけるのではなく、粘り強い努力を積み重ねることができるかどうかで決まります。粘り強い努力を続けることができるかどうかは向上心、負けず嫌いさで決まるのでしょう。

負けず嫌い

今週月曜日(2/5)、卓球のパリ五輪代表候補の男女各3人が決まりました。女子では国内選考ランキング3位だった伊藤美誠選手(23)が落選しました。伊藤選手か15歳の張本美和選手のどちらが3人目に選ばれるのか注目が集まっていました。張本選手が選ばれたことは良かったと思いますが、伊藤選手の気持ちを想像しました。全国に私のような人が大勢いたと思います。2021年の東京オリンピック、女子シングルスで銅メダルを獲得したのに悔し涙を流した伊藤選手です。さぞや悔しい思いをしたことでしょう。

全日本総合バドミントン選手権大会・女子シングルスで5度優勝している奥原希望選手(28)は、昨年末の同大会決勝で右足を痛め、涙の途中棄権をしました。奥原選手の負けず嫌いさについては日本経済新聞のスポーツ面で特集されたことがあります。背が高くない奥原選手は自分の身長を156cmではなく156.3cmと公表しています。この数値に負けず嫌いな面が現れています。

将棋の藤井聡太八冠(21)が小学生の時、大会決勝で負けた後の表彰式で、羽織袴の姿でうなだれているシーンはよく覚えています。(2020年7月23日付け本欄) 将棋でもスポーツでもトップ層で活躍する人たちに共通するのは負けず嫌いな性格だと思います。人間的な優しさとは別に、スポーツや芸術それぞれの分野で絶対に負けたくないという姿勢が人間を高めるようです。

勉強においてはメダルやタイトルはありません。目指す高校や大学への合格が目標です。もちろん難関校に合格することは大変ですが、スポーツや将棋ほど過酷な戦いが必要なわけではありません。スポーツや芸術の世界で活躍している人の頑張りを参考にすればかなりのレベルにまで到達できると思います。勉強において戦いがあるとすれば、自分の甘さとの戦いでしょう。その戦いに勝つ重要な要素が負けず嫌いさです。

伊藤美誠選手はまだ23歳です。まだ記憶に新しい石川佳純選手の引退は昨年5月で30歳の時でした。伊藤選手の今後が気になります。更なる活躍をするであろう彼女の頑張りは、何かを目指す人の応援歌になると思います。

教え子のTOEIC

昨年末、ある教え子A君から嬉しい報告がありました。TOEICが935点だったとのこと。彼は早稲田大学法学部を卒業し、東京の大企業で働いています。今年度が社会人4年目で、既に何回も海外出張をしている優秀なビジネスマンです。私が東京に行くときはよく会っています。

TOEICは990点満点で、860点以上が「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。」と評価されるAレベルです。これまでの最高点は、大阪大学外国語学部を卒業してやはり大企業に勤務する社会人2年目の教え子B君の885点でした。B君はA君の中学、高校の後輩です。たまたまB君と近々会う予定なので、先輩が935点を取ったことを伝えるつもりです。

大学生や社会人になった多くの教え子と連絡を取り合い、金沢や東京でランチをしたり飲んだりしています。様々な話をしますが、英語の勉強を忘れないように言います。ですから教え子たちがTOEICで好成績を取ることは本当に嬉しいです。私の最高点が950点なので、彼らには私を超えたらご褒美があると伝えています。

935点を取ったA君には、社会人としての経歴を考慮して、英語以外にもマーケティングや財務諸表の勉強をするように言いました。自分自身が上司や先輩のおかげでビジネスマンとして成長しましたので、その経験を基にして教え子たちに必要なアドバイスをしています。中高生の皆さんが学力を伸ばして大学に進み、さらに社会人として成長する姿を見守ることに深い喜びを感じています。

速読の次は

中3クラスの皆さんは冬休み末の今月7日に石川県総合模試を受けました。元日に起きた能登半島地震の影響で採点作業が遅れて、昨日結果が分かりました。冬休み明けの統一テスト結果と共に、公立高校の受験校を決めるための重要情報です。

本欄で何回かご紹介している通り、今年度の中3クラスは英文の速読を強化しました。従来は中3の夏期講習から練習を開始していましたが、約半年早く、中2の3学期期末テスト後から始めました。その成果は昨年の秋頃から出始め、12月や今月の模試前の過去問練習でも速く読めるようになっていました。今回の英語の平均は50.1点でした。中3クラス4人は全員が70点以上(科目別偏差値60以上)で、80点を超えた人もいました。速読練習の開始から10ヶ月間の成果が出たと思います。

石川県の公立高校入試の英語は客観的に難しいと思います。大問は四つで、リスニング、並び替え問題、会話文と長文の構成です。会話文と長文は英語を使った資料や図に関する問題で、両問とも相当の英文量です。リスニングの時間が12分程度であれば良いのですが、15分位に長さになると読解問題の時間が苦しくなり、大幅な平均点の低下をもたらします。

中3クラスの皆さんは速読の技術を身につけて、50分の時間内に余裕を持って長い読解問題を解けるようになりました。速読強化の狙いが当たり、英語に関しては満足できる水準に達したと思っています。しかし、ここまできて次の課題が気になってきました。昨年11月模試の過去問練習をしている頃のことでした。それは英作文です。

入試や模試の大問4の最後が「4文以上のまとまりのある英文」を書く問題で、配点は8点です。大きな配点です。長文問題の内容を受けた自由英作文です。速読のおかげで英作文にある程度の時間をかけることができるようになったとはいえ、制限時間ギリギリに設問の指示を確認した上で4文以上のまとまった内容を考えるのは大変です。時間に追われれば文法ミスやスペルミスは避けられません。

入試は学力コンテストではありませんから、高得点を狙う必要はありません。速読ができるようになり、科目別偏差値で65程度に達すれば十分です。英作文でもしっかり得点しなければならないと思えば、焦って速読が甘くなる危険性があります。英作文の配点8点は「おまけ」と考えれば良いと思います。そう考えれば英語で失敗することはなくなります。一応、生徒の皆さんには「おまけ」対策としての秘策を授けました。なお、彼らの速読の技術は3年後の共通テストに確実につながります。

共通テスト in 2024

大学入学共通テストが先週末(1/13, 14)に実施されました。例年通り、初日の土曜日早朝に尾山神社へ行き生徒の皆さんの健闘を祈願しました。

英語(リーディング)と数学ⅠA、ⅡBの問題を解き終えました。英語は昨年同様、第1問から第6問まで全て読解問題でした。「様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする。」という大学入試センターの方針に沿った多様な種類の問題が出題されました。特筆すべきは英文量です。問題文、選択肢を全て含めると約6,300語で昨年よりも200語程度増加しました。80分の試験時間で約6,300語を読みこなすのは本当に大変です。

昨日発表された中間集計による平均点は53.28点でした。昨年の53.81点とほぼ同じです。昨年は最後の論説文が難しかったことをよく覚えています。今年は問題の難しさというより英文量の多さが印象的です。2021年にセンター試験から共通テストに代わって、発音・アクセント、文法・語法問題が出題されなくなりました。共通テストの問題を解く度に、問題のバランスが悪いと思います。

中間集計による数学の平均点は、ⅠAが54.35点、ⅡBが61.03点でした。昨年はそれぞれ55.65点、61.48点でしたから難度は昨年並みでした。ⅠAでは電柱の影の長さと太陽高度に関する問題が出題されていて共通テストらしいと感じました。ⅠAの各問題はそれほど難しいとは感じなかったので平均点54.35点はやや意外です。n進数や動点の問題で慌てた人が多かったのでしょう。

今年の英語と数学の問題を解いてみて、今後の授業方針について考えてみました。基本的には変更ありません。英語のポイントは速読、単語力、問題形式への慣れです。数学のポイントは絶対的計算力、思考力、試験時間の使い方です。今後の高校クラスの授業内容をより進化させるつもりです。また、速読、絶対的計算力、思考力については、従来通り中学クラスの授業でも意識していきます。

人生の意味

「人間の人生は、ほかの人の人生に少しでも意味を与えたときに、初めて意味をもつ。」昨年12月16日付け日本経済新聞のコラム「春秋」で出会った文です。ゴルフのタイガー・ウッズ選手が、黒人初の大リーガーとしてドジャースと契約したジャッキー・ロビンソン選手のことを思って、いつもそのように口にしていたそうです。昨年12月14日(現地時間)、大谷翔平選手がロサンゼルス・ドジャースの入団会見に臨みましたが、その冒頭でジャッキー・ロビンソン選手の名前が挙がったことが「春秋」につながりました。

中高生の皆さんには大きな可能性を秘めた未来があります。彼らが身近に接する大人は多くはいませんから、私が彼らに少なからぬ影響を及ぼすでしょう。いつもそのことを自覚しています。「春秋」の一言はそんな私を激励してくれました。6名までの少人数制のサミット・ゼミで、縁があって通ってくれる生徒の皆さんをしっかり導きたいと思っています。

元プロ野球の野村克也さんの座右の銘は「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする」でした。これは医師、政治家で関東大震災の復興を担った後藤新平の言葉です。初めてこの言葉を知った時、心の中から湧き上がる情熱を感じました。自分なりに人材を育てたいと思いました。冒頭の言葉に接した時も似たような感慨を持ちました。

私は「指導」という言葉が大嫌いです。上から目線の響きがあるからです。人間は皆平等だと考えています。中高生の皆さんも一人の人間として接しています。勉強を指導するのではなくコーチ、ガイドしているつもりです。英語や数学の勉強、そして様々な私のお話しから生徒の皆さんが成長してくれることを願いながら、これからも授業を進めます。

激動の年?

新年あけましておめでとうございます。

今年2024年は選挙イヤーと呼ばれています。世界では1/13に台湾の総統選、3月にロシア大統領選そして11月にアメリカ大統領選が行われます。お隣の韓国では4月に総選挙があります。国内では9月に自民党の総裁選が行われ、それとの関係で衆議院総選挙の可能性もあります。激動の一年になるかもしれないと思って迎えた新年は凄まじい幕開けでした。

新年早々の元日16:10にマグニチュード7.6の能登半島地震が発生しました。最大震度7を志賀町が記録しました。私はその志賀町にある実家(囲炉裏のある和風ペンション)でお正月を過ごしていました。家全体がグラグラと揺れて、この世の終わりではないかというような恐怖を覚えました。揺れが収まった後は家族で協力して必要な応急処置を施しました。金沢も震度5強の揺れに襲われたので、教室と自宅の状況が心配で予定より早く金沢に戻りました。その1/2の夕刻、羽田空港で日航機が着陸後に炎上しました。さらに、昨日(1/3)午後、北九州市小倉北区で大規模火災が発生しました。

物凄い事件が続いていますが、世間の様々な予定は基本的に通常通りです。来週末には大学入学共通テストが実施されます。中3の皆さんは次の日曜日(1/7)に模試、1/10には公立出願校を決める統一テストを受けます。

近年の大学入試では知識に加えて、思考力、判断力と表現力が求められています。これらの力は入試に合格するために必要なだけではありません。ビジネス社会で活躍するための必須条件でもあります。また、本欄では何回も小柴昌俊・東大特別栄誉教授の教えを紹介してきました。アイデアを創出するためには知識と考える力の掛け算が必要です。

すなわち高校入試や大学入試を目指して勉強することが、社会に出た時の様々な場面において知恵、アイデアを提供することにつながります。どんな状況におかれても何をどうすれば良いかを判断できる人材になることができます。それは地震のような災害時での的確な判断・行動につながると思います。今年も上手く生徒の皆さんを導いていくつもりです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

カレンダー

教室内の見やすい場所に2種類のカレンダーがあります。一つは2ヶ月毎のカレンダーです。毎年、花をデザインした物を選んでいます。もう一つは壁に貼る1年分のカレンダーです。北陸銀行のイラスト付きのほのぼのしたタイプです。壁に貼る一年分カレンダーは、以前はみずほ銀行の物を使っていました。さすが、みずほ銀行、と思わせるセンスの良い物でしたが、数年前に壁貼りカレンダーのサービスはなくなりました。それ以降は北陸銀行のイラスト付きタイプを貼っています。

来年の壁貼りタイプもイラスト付きにするつもりで北陸銀行のある支店を訪れました。ロビーに置かれた大きな箱の中に筒状になったカレンダーがたくさん入っていました。風景タイプの物を手にした後、イラストタイプの物を探しました。すぐに、行員さんが、今年から一種類になりましたと教えてくれました。北國銀行も以前は2種類の壁貼りカレンダーがあったと思いますが、今は1種類だけです。

中学クラスでこの話をしました。楽しみに待っているお客様がいるのに、何故2種類あったものを1種類にするのだろうかと生徒の皆さんに問いかけました。突然の質問ですからヘンテコな回答もありましたが、中には、銀行が儲からなかったからと筋の通った答えをする人もいました。私は経済の話をしました。世の中では競争が厳しく、企業は経費を見直して必要のない経費を削減していることを説明しました。

その延長で、厳しい競争社会では他の会社にはないアイデアが求められ、そのアイデアを提供できる人間になるために、学校の勉強をする過程で様々な知識を蓄え、思考力を鍛える必要があることを話しました。競争社会の厳しさについてはドラッグストア業界が分かり易い例です。生徒の皆さんも近年のスギ薬局の多さを知っています。地元の愛知県に出店したクスリのアオキに対する反撃であることを説明すれば彼らも理解してくれます。

経費削減と言えば、サミット・ゼミも秋にインターネット環境を見直しました。また、世間一般で諸物価が高くなっている状況において、25年間据え置いてきた月謝のことが気になっています。父兄の皆さんにできるだけ負担をおかけしたくないという配慮からの価格設定でしたが、どこにも負けないと自負している授業内容、面倒見の良さという要素をもっと重視しても良いかなと考えています。

2023年も暮れようとしています。今年は開校25周年を迎えることができました。(10/17) 約400人の生徒さんと出会えたことに深い喜びを感じております。生徒の皆さんを上手く導くことが自分に与えられた責務と捉えて、今後も頑張るつもりです。2024年もどうぞよろしくお願い申し上げます。皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

発音記号の勉強

今月初め、中2クラスで英単語の発音記号を解説しました。先月末の期末テスト後は冬休み明けの実力テストに向けて既習分野を総復習していますが、使っている英語の問題集に発音・アクセントの問題が載っているからです。従来は高校クラスで発音記号を教えていましたが、最近は中2クラスで教えるようになりました。

日本人として知っておいた方が良いと思われるポイントを教えました。4種類の「ア」の違い、”th”と”s”の違い、”s”と”sh”の違いや、”f”、”th”、”l”や”r”の発音の仕方を意識することは、将来彼らの英語でのコミュニケーションに役立つと思います。テキストのコピーを配布して、CDを使った授業でしたから、音の違いは長く耳に残ると期待しています。

中学生が使っている英語の教科書には、初めて習う英単語は本文の横にまとめて載っています。そして発音記号も書かれています。今までの25年の経験では、それらの発音記号を教えている学校の先生はいらっしゃらないようでした。発音、アクセントを正しくすることは英語という文化に敬意を払うことにつながると思います。

本欄で何回か述べましたが、私自身は高校時代にNHKのラジオ講座で発音記号をマスターしました。英語を使ってビジネスをする時にそれが非常に役立ちました。私の英語はネイティブの発音ではなく日本人としての発音ですが、発音・アクセントはほぼ正確で、いつも褒められました。発音・アクセントを正しくすれば、ビジネスパートナーに「この人は他の日本人とは違う!」と思わせることができます。

絶対的計算力

今日は12月14日です。一か月後の1月14日は共通テスト2日目で数学と理科のテストが行われます。高3数学クラスでは共通テスト形式の数ⅠAと数ⅡBの問題を毎週交互に解いています。残り1か月の仕上げの段階に入ってきて、残りの期間でどの難度の問題をどの順番で解くかを工夫しています。授業をさらに充実させるため、先月から今月にかけては新たに手に入れた問題を実際に解いてみました。

改めて、数学は時間との戦いであると強く感じました。共通テストの英語、国語も時間との戦いという側面がありますが、数学は特にそれを感じます。解き方が分からず考え込んでしまうと制限時間(数ⅠA 70分、数ⅡB 60分)で解くことは厳しくなります。数分、いや2, 3分の違いで10点ほどの得点差になることもあります。絶対的な計算力が要求されます。数学では、速く正確に計算する絶対的な計算力をベースにして各分野の解法パターンを習得することが基本です。

今週の中3、中2クラスで、この話をしました。大学入試が近づいている12月中旬に、実際の共通テスト形式の問題を解いた上での感想を伝えたので、生徒の皆さんも真剣な表情で聴いてくれました。期末テストが終わり、両クラスでは冬休み明けの統一テスト、実力テストを目標にして英語、数学とも総復習の問題練習をしています。数学の最初は計算問題が中心で、ちょっとした計算ミスが少なからずありましたから、丁度良いタイミングでした。

スピードと正確性の両方が必要ですが、当然のことながら、先ずは正確性です。そのためには途中式をしっかり書くことが重要です。数字を乱雑に書かないことも必要です。途中式をしっかり書いて正確性が高まれば、あとはスピードです。これは集中力につきるでしょう。近い将来に共通テストを受けることを念頭に置いて、中3、中2の皆さんの計算力を鍛えています。

グローバル社会で必要なもの その2

先週の本欄では語学力について述べました。グローバル社会で必要な語学力や問題解決能力、リーダーシップの中で、学習塾が貢献できるものとして取り上げました。学習塾はリーダーシップを育む場としては馴染みませんが、問題解決能力に繋がる要素はあります。

それは数学です。ある条件が与えられて、どのように答えを導き出すかを考えます。問題を解くポイントを見抜く必要があります。それは、社会に出て何か問題が発生した時に、どこに問題の本質があるのかを考える時に似ています。問題の所在が分かれば解決する方法を導き出すことはそれほど困難ではありません。

センター試験から共通テストになり、数学の問題形式が変わりました。社会生活に関連する問題が出題されるようになりました。社会で必要な問題解決能力を求める度合いが高まりました。因みに、今年1月の共通テスト・数IAでは、バスケットボール選手のシュートを打つ高さに関する2次関数の問題が出題されました。

なお、グローバル社会では語学力、問題解決能力、リーダーシップが必要だという記事を読んだ時、日産自動車の新入社員研修で、社会人には課題解決能力と集団維持能力が必要だと学んだことを思い出しました。グローバル社会が進展して語学力という要素が追加されましたが、他の二つの要素は変わりありません。どのような世の中になっても、社会で活躍する基本的な要素には変化ありません。

グローバル社会で必要なもの

先々週の本欄で、日本経済新聞の「ヒートアップ中学受験」という先月の連載記事について触れました。連載最終日の記事は、過熱する中学受験に背を向けて世界をめざす親子が出てきたことを紹介していました。そういう親子は、グローバル社会で必要な語学力や問題解決能力、リーダーシップを身につけるためには、海外進学が早道と考えます。

社会に出てグローバルに活躍するための条件が端的に表現されています。他にも対話力や交渉力などの要素がありますが、語学力、問題解決能力、リーダーシップは非常に大切な要素です。その記事を読みながら、学習塾として何ができるだろうかと考えました。

自分にできることは、やはり英語です。英語はサミット・ゼミのアピールポイントです。現役時代、英語は得意ではなく、早稲田大学の入試で完敗しました。英語を浪人時代に克服した経験は大きな武器になっています。このように勉強すれば絶対に英語が分かるようになるという授業をしているつもりです。東京外国語大学・英語学科の合格実績は私の自信を支えてくれています。

大学入学共通テストが要求する様々な種類の大量の英文を読む力、2次試験が要求する高度な英文読解力や小論文的な自由英作文を書く英作力は、そのまま社会で通用します。大学入試を目標にしてそれらの力を鍛えるだけでは足りないと考えています。センター試験から共通テストへの移行に伴って出題されなくなった発音・アクセントや文法・語法にも注意するつもりです。

発音・アクセントの学習は生徒の皆さんが将来、海外の人たちとコミュニケーションを取る時に必ず役立つはずです。一般的な日本人は発音・アクセントにはあまり注意していませんから、正確な発音・アクセントは評価されるでしょう。私自身の経験から断言できます。また、文法・語法の学習は将来のTOEICのような資格試験につながります。大学入試を突破するだけではなく、社会で通用する英語力を鍛えます。

先取り教育について

今年9月、星稜高校が学習塾対象に開いた入試説明会に出席しました。その時に印象に残ったのが、星稜中学の中高一貫理数コースを説明する先生の言葉でした。大学入試を見据えた6年間を送るために先取り教育を行っていると自信を持って話されました。錦丘中学でも一部先取り教育をしているようですが、石川県で大都市圏の中高一貫校と同じ先取り教育を実施しているのは星稜の中高一貫理数コースだけです。

先取り教育をして高2終了時までに高校の全課程を習得すれば高3の一年間を大学入試対策に費やせます。大学受験において有利になるでしょう。しかし、絶対に先取り教育が必要というわけでもありません。サミット・ゼミには現役で京都大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学などの難関大学に合格した人が数多く在籍しました。

先取り教育ではない普通の進み方の授業を受ける人たちも十分な合格実績を残すことができます。ただし、先取り教育を受けている人たちに負けないための条件があります。それは各学年の勉強をきちっとこなすことです。然るべき基礎力を築いて高校に入学し、各学年の勉強を着実に積み重ねることができれば大学入試において先取り教育を受けた受験生と十分に戦うことができます。

サミット・ゼミの中学クラスでは、先取り学習に当たる学校の授業の予習はしません。生徒の皆さんが学校の授業を聞かなくなることが危惧されるからです。それは中学の先生方に対して失礼に当たると考えています。私は公教育を尊重しています。しかし、学校の授業の進行が非常に遅くて生徒の皆さんが不安になる場合はその限りではありません。

先取り学習をしない代わりに、中学の中間・期末テスト毎に試験範囲の復習には万全を期します。定期テストの学習を着実に積み重ねればハイレベルの高校にも合格できます。これが中学クラスの基本的な授業の進め方ですが、大切なポイントがあります。それは中学英語の文法は完璧にすることと数学の難しい問題でしっかり考える習慣をつけることです。これらは高校で伸びるための大切な条件だからです。

中学英語を完璧にし、数学における思考力を鍛えて高校に進み、高校の定期テストの勉強にしっかり取り組めば十分な実力を身に付けることができます。ただし、高校の授業では足りない点もあります。進学校でも英語の速読や英作文、特に自由英作文の練習は不足しています。サミット・ゼミの高校クラスは高校の授業で不足しているところをカバーしているという側面があります。

大都市圏の中高一貫校や星稜中学の先取り教育は大学受験に有利になる傾向がありますが、普通の中学・高校で各学年の勉強をしっかり着実に積み重ねれば特段の問題はないと思います。難関大学にも十分合格できます。

私立中受験ブーム?

先月10/23(月)から10/26(木)まで日本経済新聞に「ヒートアップ中学受験」という連載記事が掲載されました。首都圏では空前の私立中受験ブームになっており、以前は小4前後から塾通いしていたのが、小1からでも早くないという状況になっているそうです。文部科学省の調査では21年度の公立小学生の塾代が約8万円と3年前の1.5倍になっています。夏期講習などだけで10万円単位が必要な塾もあるとのこと。驚くばかりです。

高い進学実績を持つ伝統校や、有名私大に進める付属校や系列校の人気が高まり、局所的な過熱現象が起きているそうです。近畿圏も状況は似ています。首都圏や近畿圏のような大都市圏と当地のような地方では進学に関する状況が全く異なります。大都市圏では公立校ではなく私立の中高が選ばれる傾向が強く、地方では公立高校に不合格になれば私立高校に行くのが一般的です。

金沢に住んでいると全く分かりませんが、首都圏での中学受験はヒートアップしています。私立中受験がヒートアップする中、日比谷高校のような東京都立のトップ進学校は説明会を開いています。説明会の対象は中学生ではなく小学生の親子だそうです。ここまでしなければならないようです。中学受験を経験しながら公立中を選び、日比谷高校に進んだ生徒の声が紹介されていました。「中学は色々な家庭環境の友人と、高校は受験で同じ目標を持つ友人と過ごすことができ、とても良い経験になっている。」

この日比谷高校の生徒の声は、石川における中学、高校への進み方で十分であることを物語っています。これを読んでホッとしました。高いお金を出して小1から準備を始めるという首都圏での私立中受験ブームは健全だとは思えません。一切気にしなくても良いのですが、私立の中高一貫校では先取り学習をしていることには注意が必要です。このことについては今後述べるつもりです。

先生の影響力

日本経済新聞の最終面に連載されている「私の履歴書」は私の愛読欄の一つです。今月は前日本銀行総裁の黒田東彦さんのお話しです。大規模な金融緩和でアベノミクスを支えた黒田前総裁の履歴書は興味深いです。11/3(金)は黒田さんの小学校時代のことが書かれ、二人の恩師が紹介されました。その日の最終段落は「小学生の時は友達もできるが、何といっても先生の影響が大きい。鈴木先生と山田先生という素晴らしい恩師に巡りあえたことが、その後の生涯を決めたように思う。」でした。

ドキッとしました。サミット・ゼミには中2生から高3生が通ってくれています。彼らにとって私の存在は小さくないはずです。私が思っている以上に影響力は大きいかもしれません。改めて生徒の皆さんを上手く導かなければならないと思いました。

私自身も小学校、中学校そして高校の先生方のことをよく覚えています。特に、中3時の担任であった今田勇次先生には大きな影響を受けました。先生は生徒との交流を大切にされていました。涙を流しながら生徒を叱ったこともありました。私の生徒の皆さんへの接し方は今田先生がモデルです。また、先生が卒業文集に書かれた言葉は心の中に残っています。

大学時代に自分が学習塾をするとは全く考えていませんでした。19年間のビジネスマン経験を経て、ひょんなことからサミット・ゼミを始めたことは偶然だったのか必然だったのか… とにかく25年間続けることができ約400人の生徒さんと一緒に勉強してきました。これからも生徒の皆さんが私から何かを学び刺激を受けて伸びていけるように、社会に対するアンテナを高く保ち、自分自身の勉強を忘れずに頑張るつもりです。